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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2004/11/30
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今日は気分転換に映画にでも行こうかな、と家を出た。
ミグロスで買い物をする用もあるし、ちょうど『アレキサンダー』の公開が始まっている。
アナトリア史に多少なりとも関心のある者として、やはり勉強と思って観るべきかなあ・・・と思いつつ。

しかし、実を言うと、私はこの手の歴史スペクタクル映画が大嫌いなのである。
このところ、映画界は『トロイ』『キング・アーサー』と歴史スペクタクル続き。当然、両方とも観ていない。
劇場に観にいくのももったいなければ、後でDVD(トルコだとVCD)をレンタルして観るのすら億劫。
それだけ嫌いなジャンルに入るのに、「観てみようかなあ」という考えがチラッと頭を掠めたこと自体不思議である。

結局のところ、観るのを諦めた。
チケット売り場の前に10時50分に着いたのだが、上映開始は10時45分、次が12時。
それだけでもう中に入る気が失せてしまった。
新聞広告や娯楽欄でさんざん見ていたメイン・キャストの顔ぶれ。コーリン・ファレルやアンジェリーナ・ジョリーのファンには申し訳ないが、あらためてポスターで見てもやっぱりどこか物足りない。
せめてアレキサンダーには、もう少し骨太く、気高い風貌の美男子を選んで欲しかった。(私って、ただの面食い?)

代わりに、11時30分から上映のある『ヴィレッジ』でも観ようかなあ・・・。
まだ時間もあるし、どうするか少し考えようと、とりあえずすぐ隣にあるブックス&レコード・ショップD&Rに入った。
いつものように、旅行書、ガイドブック、インテリア・・・という風に棚を回っていくと、料理書の棚の上の方に、どこかで見たことのある一冊が飾ってあるのが目に入った。
店員にお願いして、下ろしてもらう。
そう。これこれ。前に新聞記事で見たっけ。

FLAVOURS OF THE STREET TURKEY
『FLAVOURS OF THE STREET/TURKEY』
Hande Bozdogan著


扉を開け、1ページずつ目で追う。
タイトルから分かるように、これは、路傍の行商人たちの生活と、彼らが支えるトルコの旬の食材や庶民的な食文化を追いかけた写真集である。
四季それぞれのトルコの味覚~例えば、冬にはアイワ(マルメロ)やバナナ、ムール貝にサーレップ(ラン科のの植物サーレップの球根を乾かして粉にしたものを原料とした飲み物)、春はアーティチョーク、夏はドンドゥルマ(アイスクリーム)や数々の野菜に果物、秋はカボチャにイチジク、そして一年中見かけるものとして、スィミット(ゴマをまぶしたリング状のパン)やココレチ(羊の腸を巻いて焼いた料理)~を、それを売り歩く行商人や、街角で食べさせる料理人の姿と一緒に紹介してある。

アイワ(マルメロ)売り スィミット売り アーティチョーク売り
(いずれも『FLAVOURS OF THE STREET/TURKEY』より)


そして、この写真集は、同時に料理書でもある。
アイワ売りの写真の次のページには、アイワを使ったトルテの写真とレシピ、アーティチョークを剥く八百屋の写真の次のページには、アーティチョークの前菜の写真とレシピが載せられている、という具合に。
もちろん、この料理やお菓子は、著者で料理家であるハンデ・ボズドーアン女史が自ら作ったものである。

アイワのトルテ アーティチョークの前菜
(いずれも『FLAVOURS OF THE STREET/TURKEY』より)


私は普段、料理雑誌やレシピだけを集めた料理書はほとんど買わない。
しかし、地方性が著してあったり、記述が食文化にまで辿り着くタイプの料理書なら喜んで買う。
この写真集は、行商人たちを自然なままに撮った気取らない写真と、スタイリッシュな料理やデザートの写真の組み合わせが面白く、ページを繰っていくほどに、トルコの食の醍醐味でもある「旬の味覚」の数々を俯瞰することができるようになっている。
私は即座に購入を決断。もう映画なんてどうでもよくなり、買い物だけ済ませると、まっすぐ家に戻った。


ところで、著者のボズドーアン女史であるが、少々変わった経歴の持ち主であり、料理家となる前にはまったく畑違いの分野で働いていたという。
イスタンブルにあるボアズィチ大学で経済学を修め、卒業後銀行に勤めるが、仕事に向かないことを自覚した彼女は、子供の頃から好きだった料理の道に進むことを決断する。
イギリスやニューヨークの料理学校で学んだ後、イスタンブールに戻ってカフェをオープンさせると、その手腕を見込まれてヘッド・ハントされ、ダンキン・ドーナツのトルコにおけるジェネラル・マネジャーを務める。
3年前にはフレンチ・キュリナリー・インスティテュート(ニューヨーク)でフランス料理のグラン・ディプロマも取得している。
現在は、自身の会社を運営しながら、やがて自身のレストランを持つ予定だという。

また、写真家はAhmet Tozarアフメット・トザール氏で、ボズドーアン女史の友人だが、彼もまた、変わった経歴の持ち主である。
アンカラにあるODTU(中東工科大学)の経済学科を卒業したにもかかわらず、彼の関心は絵画や彫刻、ジュエリー・デザインにあった。
彼は、この分野でのさまざまな講習に参加しながら、自身のジュエリー・デザイン・スタジオを設立する。
何年もの間、ヤング&ルビカムなどの広告代理店で働いた後、現在は広告写真と広告用映画のスタジオを運営しているという。

ボズドーアン女史とトザール氏は、2年間をかけて、黒海東部からアナトリア東部、アナトリア南東部、地中海地方、エーゲ海地方、マルマラ地方を旅して回り、街頭で食べ物を売る行商人にインタビューしたり、もちろん味見もしながら写真を取った。
2004年4月に、まず極東アジアとイギリスで発売され、来年初頭にはアメリカでも販売されるというこの写真集、トルコではD&Rと、あとAmazon.comでも購入が可能だ。(残念ながら、楽天ブックスでは扱っていない)
出版社はシンガポールのTIMES EDITIONS社で、今のところ英語版のみである。

ためしにアマゾンで検索してみて、ショックを受けた。
なぜなら、たった32$だったから。シマッタ~!慌てて買うんじゃなかった。
トルコでは輸入書籍となるため、私の買値はその1.4倍だったのだ。
クレジット・カードで分割にまでしてもらったのに・・・。

この分では、映画はしばらくお預けかなあ~。
今週末、全国公開になる最新版『ブリジット・ジョーンズの日記』を楽しみにしているのだが・・・・・。






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最終更新日  2004/12/01 03:54:54 PM
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