新宿中央公園には、桜と桃の字がついた梅の花が咲いていました。
山桜桃(ゆすらうめ)です。
梅桃とも書くようです。
平成9(1997)年上半期のNHK連続テレビ小説の一に『あぐり』がありましたが、この原作が吉行 あぐり著『梅桃(ゆすらうめ)が実るとき』です。
田中美里さん、野村萬斎さんが出演して、前半の舞台は岡山でした。そして、県北の津山もロケ地になって、いまだに、撮影場所に碑が建っています。
山桜桃(ゆすらうめ)は、バラ科サクラ属の落葉低木の果樹。サクランボに似た、赤い小さな実をつけるとのことです。
小さな花が可愛くキレイでした。
桃とついてもう一つ、新宿中央公園では、「花桃(はなもも)」が咲いていました。
大きな実のなる花と違って、こちらは花を鑑賞するので「花桃」というようです。
これは白い花なので、照手白 (てるてしろ)と言います。
照手姫の生まれ里と伝えられる神奈川県相模原市で生まれた新種の花桃で、照手とつけられ紅・桃・白と花を咲かせます。
照手白 は花色が白で、花弁数が30枚程度と多く、大輪で花つきもよい。
そして照手桃 (てるてもも)と照手紅 (てるてべに) があります。
実は、小ぶりで、赤または白の丸い実です。そして桃の実のようにかすかな縦割れがあり、表面には毛はありません。
小栗判官との悲恋物語で知られる照手姫伝説はだいたい次のようです。
昔、武蔵・相模の郡代横山大膳の娘で照手姫と言う絶世の美女がいました。
常陸の国の武将小栗満重(のちの小栗判官正清)と相思相愛となりますが、小栗満重は横山大膳の家来に毒殺されてしまいます。
小栗満重が毒を盛られた後、照手姫は、世をはかなんで密かに横山の屋敷を抜け出しますが、追手につかまり川に投げ込まれ、金沢六浦の漁師に救われます。しかし、漁師の女房は照手姫が美しいのをねたみ、たいそういじめられ、最後には人買いに売りとばされます。 一方、小栗満重はその後霊泉につかり生き返り、最後には照手姫を探し出して妻に迎えます。簡単に言えばそんな話です。