483934 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

箱庭

箱庭

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

鳥海摩耶

鳥海摩耶

カテゴリ

サイド自由欄


非常口

Twitterアカ。ブログ情報他、アニメ、ゲーム、ラジオの感想等呟いております。
2012.11.02
XML
カテゴリ:HoI2AAR
 南雲機動部隊から放たれた偵察機は2:30に第17任務部隊を視界に捉えた。その報告が伝わるや、南雲機動部隊は一撃で第17任務部隊を仕留めるべく全力攻撃を決定。九九式艦爆120機、九七式艦攻120機、そして護衛の零戦が72機と計300機を超える大編隊が第17任務部隊に向かって行った。

 ところが、攻撃隊が南雲らの視界から消えた後、別の方角から偵察機が向かって来た。スプルーアンスの第16任務部隊の放ったSBDドーントレスであった。南雲機動部隊は思わぬ方角からの敵との遭遇にパニックとなったが、第2航空戦隊の山口多聞少将の進言で偵察機を出す頃には落ち着きを取り戻した。

 3:30頃、南雲機動部隊から出撃した攻撃隊は第17任務部隊を捕捉した。フレッチャーは当然ながらF4Fによる直掩隊を発艦させた。だが、100機余りのF4Fに対し数で劣っている零戦隊はその技量と山本部隊の仇討ちに燃える士気の高さで差を埋め、攻撃隊の本丸である艦爆、艦攻隊にはほとんど損害を出させなかった。

 零戦隊の奮戦を受けた攻撃隊は、フレッチャー指揮下の空母6隻に殺到した。特に輪形陣の中央に位置した「ヨークタウン」は激しい攻撃を受け、爆弾7発、魚雷6発を立て続けに被弾。急速な被害の拡大にダメージコントロールは間に合わず、フレッチャーは「ヨークタウン」の放棄を決定し、指揮権をスプルーアンスに移譲した。

 その後も損害は拡大し、「ホーネット」「ワスプ」が相次いで被雷、速力の低下を招いた。「サラトガ」と「レキシントン」は爆弾数発を被弾し、飛行甲板が完全に使用不能となり、第17任務部隊に所属する空母で無傷だったのはやや小ぶりなため見逃された「レンジャー」のみであった。しかし、それだけの損害を出しながら各空母は懸命なダメージコントロールにより沈没を免れ、第17任務部隊の損失は「ヨークタウン」のみに留まった。「ヨークタウン」は、この海戦でアメリカ海軍が失った唯一の、そして太平洋戦争でアメリカ海軍が失った初めての空母として名を刻むことになる。



1942年7月16日06:00 沖ノ鳥島東約150キロメートル
第16任務部隊 旗艦「エンタープライズ」


レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「『ヨークタウン』が沈没、4隻が中破、うち2隻は航空機発着艦不能か・・・。やれやれ、第17任務部隊は事実上戦力にならないと考えるべきだね」

ghost.JPG 第16任務部隊参謀長 マイルス・ブローニング
「攻撃隊を出して、直掩も出しましたからね・・・パイロットたちの体力も考えると、その方がいいでしょう」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「そうだ。しかし、敵にはもう余剰戦力はない」

ghost.JPG
「今、我々が敵機動部隊を叩く絶好のチャンスというわけですね」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「パールハーバーと『ヨークタウン』の敵討ちだ。それに・・・敵空母を沈めないとハルゼーにも顔向けできんしな」

ghost.JPG
「はは、全くです」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「さて・・・攻撃隊の戦果に期待するとしよう」



 第16任務部隊の攻撃隊は06:30に南雲機動部隊を捉えた。スプルーアンスは一撃離脱を狙って全力攻撃を敢行したため、南雲機動部隊はF4F、ドーントレス、アヴェンジャーがそれぞれ120機、計360機という大編隊の攻撃を受けることになった。南雲機動部隊は空母6隻を戦艦2隻、重巡6隻、軽巡4隻、駆逐艦24隻が守る編成であり、真珠湾攻撃時よりも重巡以下の補助艦艇が強化されていた。これに30機余りの直掩隊も加わり対空戦闘を開始、海戦の最終章の幕が上がる。

 直掩隊は4倍の数を持つF4F隊に阻まれ、攻撃隊はほとんど何の抵抗もなく南雲機動部隊本陣に襲いかかった。果敢に対空砲火を撃ち上げる護衛艦艇に対し、攻撃隊はまず陣形の切り崩しにかかった。攻撃が集中したのは部隊左方に位置していた戦艦「比叡」及び重巡「足柄」「羽黒」である。一連の攻撃で「比叡」が舵機及びスクリューを破壊され落伍、「足柄」は魚雷2発がほぼ同時に命中して大破漂流、「羽黒」は艦長森友一大佐の巧みな操艦で雷撃は回避したものの爆弾3発を被弾し、第2、第3砲塔が使用不能となったが、弾薬庫誘爆は避けられた。

 護衛艦艇が続々と落伍して丸裸となった空母群に爆弾や魚雷を抱えた残りの機体が群がり、次々に投弾して行った。攻撃隊には新しく編成された飛行隊が多く、錬度の面では日本海軍のそれに劣っていたものの、数の力は対空砲火を掻い潜るのに余りあった。「蒼龍」が雷撃を受け水柱を上げ、「加賀」が爆弾の直撃を食らって飛行甲板を破壊された。そして最も大きな不運に見舞われたのは、6隻の空母の中では最も新しい「瑞鶴」である。「瑞鶴」は攻撃開始間もなく魚雷が命中したが、当たり所が悪く4つの機関室のうち2つに浸水し、速力が低下。集中攻撃を受けることとなり、日本海軍自慢の最新鋭空母は爆弾5発、魚雷6発を被弾、海底へと没した。

「瑞鶴」の沈没が幕を引く形となり、アメリカ側「九州・パラオ海嶺海戦」、日本側「沖ノ鳥島沖海戦」の呼称で呼ばれることとなる史上初の空母機動部隊同士の艦隊決戦は終わりを告げる。

ss1213.jpg

九州・パラオ海嶺海戦.jpg



1942年8月1日 アメリカ合衆国ハワイ準州オワフ島
パールハーバー アメリカ海軍太平洋艦隊司令部


チェスター・W・ニミッツ.jpg
「お疲れさん、レイ」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「は」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「君は本当によくやってくれた。ハルゼーも喜んでいたよ」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「しかし、多くのパイロットたちを死なせてしまいました・・・」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「・・・戦争には犠牲がつきものだよ。それで、日本海軍と戦った感想はどうだったかな?」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「彼らは強い。侮れない敵です。しかも、今回の海戦では空母1隻しか仕留められませんでした。少なくとも、敵空母を一掃できない限り日本本土に近づくべきではないと思います」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「そうだな。賛成だ。太平洋艦隊司令部としては、日本海軍を撃破できない限り日本本土へと踏み入るべきではないと大統領に報告したい」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「はい」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「・・・話は変わるが、この後どうするね?」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「は?」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「ハルゼーはもうすぐ復帰するし、第5巡洋艦戦隊の代理司令も慣れている頃だろう。よければ、私の参謀長になってもらえないか?」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「は、え?」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「なってもらえるね?」

レイモンド・A・スプルーアンス.jpg
「・・・分かりました」

チェスター・W・ニミッツ.jpg
「よろしく頼むよ、参謀長」


続く。

HoI2集

アメリカAAR






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.11.02 10:53:48
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.