年越しは山中にて…。
速い話が山登り中ということです。暗いというより、全く灯りのない山中をヘッドライト頼りに一歩、また一歩進んでいく。ところが電源を充電式電池に頼ってるもんだから、時々思わぬところで電池切れになる。一度は笹藪のど真ん中で電池切れに…。その夜は星明りしかなくて、山の陰に入ろうものなら全く見えません。で、電池切れになったポジションはその山の陰…。「年始早々運が悪い!…待てよ、もうこれ以上悪くはならないってことにしておこう!」独り言も飛び出すようになります。笹藪の良いところは大型の動物が通ると必ず笹に触れるのでカサカサ音が鳴る。当然風でも鳴るんですが、一番驚いたのは偶々道沿いにそびえる岩に反射して自分の立てた音が他の動物の足音と錯覚させられるときです。びっくりして振り向いたついでにその岩めがけて棒を突き立てましたよ。その時の慌てようというか、冷や汗といったらまぁ…。半端じゃありません。奥多摩駅を降りてしばらくは良いんですよ。自分の足音は自分の足音として認識できるタイムラグや大きさで聞こえるし、街灯もちゃんとあって、とある角まで行くとコンビニまであるんですから…。ところがその角を曲がってからというもの一歩足を進めるごとに暗くなる暗くなる…。ぶっつり灯りが途切れてからというもの。まぁ夜道がおっかねぇ、おっかねぇ。早く帰りたくて仕方なかったり、こんな業さっさと放り出してヌクヌクと過ごしたくて仕方ありません。登る山自体はそんなに高くないんです。せいぜい行って1000メーターに届くかなくらいの山を三つ超えて御岳山神社に至るというルートなんです。途中(この10年間でという意味)『熊が出るよ』と登り切った後に脅されたり(居るんだと思います)しましたが、それより厄介なのは『がけ崩れ』です。前々から、『この先危険』とか『落石注意』なんて札を横目に見てはいましたが、二年か三年くらい前に上った時には、『カラカラ』と音を立てて小石が落ち続けているのを目撃しております。それも年々激しくなっていましたね…(今年は登れるのか?)。足早に通り過ぎるというより、マジでダッシュ!!と駆け抜けます。二年くらい前は岐阜のチャレンジャーとアルゼンチンの世界大会で意気投合し、勢い余って『一緒に登ろう』と言ってて半分忘れかけてたんですが『約束通り一緒に登りに来ました!!』とメールをもらったら、こっちは俄然やる気出てきちゃって…。馬鹿ですよねぇ…。十年も続けてるとこのまま未来に残そうかとか勝手に想像の域を飛び越えて9割方は妄想に入っちゃうんですよね。情けない話ですが…。ま、彼のおかげでその年の年越し山登りは楽しく明るく、そしておっかなびっくり、互いに怪我もなく、初詣も、型奉納も、初日の出も、願掛けも出来て、無事に終了することができました。彼と別れて実家に帰った僕に、待っていた仕事は年越し直後の大掃除でした…。大掃除って新年迎える前にやっとくもんじゃなイカ?