山頭火版画句集
家内が図書館から山頭火の句集を借りてきました。特に山頭火ファンという訳でも無いのですが、「究極の一人ぼっち」を目指してきた様な私には「放浪の禅僧」でもあった彼の句は妙に琴線に触れます。寂寥感を詠みながらも暗い印象を受けないのは、彼独特の「ありのままの力」の為せる業なのでしょうねぇ。この本は版画句集の体裁で、秋山巌氏(棟方志功のお弟子さん)が山頭火の一句一句に自分の絵を添えて一緒に版画として起こした味わい深い仕上がりになっています。>「歩かない日はさみしい、飲まない日はさみしい、作らない日はさみしい、ひとりでいるとさみしいけれど、ひとりで歩き、ひとりで飲み、ひとりで作っていることはさみしくない。」山頭火孤独を愛し、寂寞の情を味わい愛でる事は「人ならでは」の在り様だとも思われます。「さみしい」があるからこそ「さみしくない」に意味があるんでしょうね。