内憂外患
イランの革命式典での大統領発言から2日たった。本日の日経平均は小幅に上がり9,000円前後でウロウロしている。政治・経済関連のニュースは国内問題ばかりだ。タンカー運賃が急上昇しているらしいが、原油先物も軟調で特に如何という風でも無い。私は土曜日に幻をみたのだろうか・・・マスコミも、どうせ日本が国として何が出来る訳でも無いし、株価も原油も投機マネーの動き次第だという半分諦めの結果待ちという事だろう。日本は世界で唯一の被爆国だという台詞が決まり文句だが、他国の核にこれ程無関心で無頓着な国も珍しいと思う。中国がイランに特使を送ったらしく、現段階は未だ軍事的側面を持つ関係国間での水面下の探り合いの段階なのかもしれない。北朝鮮問題のキーマンとしての地位を保ち続けている中国は、中東情勢においてもその地位を確立しつつあり、近年はイスラム教国だけでなく、イスラエルとも密接な関係を構築していて、その地政学的戦略の多様性には驚くべきものがある。米国との経済的依存関係も衆知の通りで、EUにおいても債務国の国債を大量に引き受けて存在性を高めていたのは記憶に新しい。最重要の核拡散を置き去りにして拉致問題に拘り、六か国協議でのお荷物国と成り果てた日本。国内で内向きの中国批判を繰り返すだけの我が国では到底対抗しえない「世界への影響力」を、中国が既に手にしている事を我々日本人は事実として肝に銘じておかなければいけないだろう。ましてや、鳩山由紀夫などという憲政史上類を見ない大馬鹿者を「外交最高顧問」に据える様な政府では相手にさえならない。この際、中国の思惑の内であってもペルシャ湾での軍事的衝突は避けて欲しいところだが、イスラエルは必要とあらば他国の事情など無視して行動するだろう。イスラエルは建国以来今日まで、一貫して背水の陣をひいた臨戦態勢継続国だ。一方、イランが核兵器を保有してイスラム教原理主義の宗主国として中東に君臨すれば、歴史的経緯を見てもイスラエルという国家自体を認める訳には行かなくなるのだろう。火蓋が切られれば、勝者など無い悲劇的な結果しか無い。根本的な解決策は無いが、仲裁による中庸を維持する事は出来るはずだ。日本国が、其れに貢献出来る様な国家になって欲しいと願うのは私だけだろうか。