教育論議の続き、ウルメラ・プロジェクト
さて、聖イグナチオ学院は、学校所在地のウルメラ村の貧しい家庭の子どもたちを歓迎して入学させようとしています。これは現代のカトリック教会とその修道会イエズス会の教育方針です。貧しい家庭からの子どもたちのために、特別な入学基準を設け、奨学金を支給するようにとかつて総会長が講話しました。もう50年以上前に、イエズス会内部から「イエズス会が経営する学校は、権威と富の象徴になっている」と批判されたことがありました。日本でも受験競争がし烈化したころ、「イエズス会の学校は教育公害をまき散らしている」と批判も受けました。それ以降、Men and Women for Others, with Others(他者のために共に生きるひと)の教育を目指す長い旅がはじまりました。 ↑ ウルメラ・プロジェクト、村の小学校6年生の聖イグナチオ学院への進学塾 午前中は村の公立学校で授業をうけてから、希望者が聖イグナチオ学院にやってきて補習授業をうけます ↑ 小学6年生たちには給食をたべてから、45分×2コマでポルトガル語と算数の授業を受けます ↑ 小学6年生に教えている先生はまだ大学を卒業していませんが、進歩主義教育に感化されているのか、いろいろと工夫しながら教えています そのかいあってか、生徒たちの学力が上がっているとの評判です 給与は本校規定で、高校生を教えている先生と同額です このように、貧しい家庭からの子どもたちを聖イグナチオ学院に入学させるために、先生を雇い、給食を準備し、ボールペンやノートもあげて、そして奨学金を支給していますが、これはカトリック教会やイエズス会の方針によって、みなさまからの経済的支援をいただいておこなわれています ちまたでは、インクルーシブ教育(包摂的教育)といわれています