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カテゴリ:アニメ
「魔法少女まどか☆マギカ」も9話目。
先週回の終わりに、「魔女」になってしまったさやか。そしてこれまでに何度か言葉を交わすうちに、さやかにシンパシーを抱いてしまった杏子。この二人が異空間で相打ちになるという、おそらく3話以来のバッド展開の回だった。 この物語では、キャラクターたちの思惑が主に4つある。 ひとつは主人公のまどか。彼女の思惑は「ない」。日々流されて生きているだけ。 2つ目はほむら。彼女の思惑はひとつはまどかを魔法少女にさせないことと、今回の話でかなり分かったのだが、数日後にやってくるという「ワルプルギスの夜」を倒すこと。「ワルプルギスの夜」というのはムチャクチャに強い魔女のことらしい。 3つ目はさやか、杏子、そしてマミたち、死んでしまった魔法少女。彼女たちは他人のため、もしくは自分のため、魔法少女になった理由はさまざまだが、共通しているのは「大事なのは自分の周辺」。さやかの最後の言葉「誰かを救った分だけ、誰かを祟りながら生きていく」というのは、ちょっと理解しかねる台詞だが、「自分の周りしか見えてない女の子が安易に魔法少女の契約をしてしまった代償」だと、物語の中では位置づけられているのだろう。 そして最後はキュゥべえ(たちインキュベーター。契約代行者)の思惑。これが分からなかった。もっとも、これまでも執拗にまどかに契約を迫っているので、「世の中に魔法少女を増やすこと」を目的にしているのだろうとは分かってたけど、魔法少女を増やした先に何がしたいのか。それが分かったのが今回。 なんでもコイツ、「宇宙を救うために魔法少女を増やす」んだとさ。 このゆるキャラヤクザが言うには、この世界だか地球だか宇宙だかを救うには、膨大なエネルギーが必要で、それは第二次性徴を迎えた少女の希望と絶望がいちばんのエネルギー源で、そのために少女たちは魔法少女になって、その後さやかのように魔女になって死んで行くべきだとかなんとか。 なんだか、すごくがっくりである。この理由。 いや、世界を救うためには少女たちはどんどん犠牲になれ、というコイツ独自の理論がダメ、というわけではない。気に入らない理論だけど、コイツはそういう血も涙もないことを淡々と言うキャラだから。がっくりなのは、世界だの宇宙だのを持ち出したこと。 これまでこのキュゥべえは、いたいけな少女に身勝手に契約を迫っては大事なことは隠しておき、しかも後から「聞かれなかったから言わなかったんだよ」とか涼しい顔でぬかす悪党だったのである。だからこそ、「コイツはいったい何を考えてるんだ」と、わけの分からない謎めいた怖さがあって、それがこのキュゥべえの魅力だった。おそらく、視聴者の考えなど及びもつかない、独自の理論で動いているんだろう、そしてそれを明かす時が物語のクライマックス、そこでようやく延び延びになっていた主人公のまどかの変身が見られるんだろうと。そう思っていた。 なのに、なのに、コイツの「魔法少女への執着」が「世界を救うため」だったとは。あまりにチンケで声も出ない。 「世界を救おう」だの「この地球のために」だの、その辺の政治団体のたんなるお題目じゃないか。新宿東口の広場で演説してるヤツらと変わらないじゃないか。ヤクザかお前は。いやヤクザなんだけど。 だいたい、二言目にエントロピーだの言い出すヤツにロクなのはいない。そしてそれはキュゥべえではなく、このアニメの脚本のことである。 魔法少女まどか☆マギカ 1 (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) (コミックス) / Magica Quartet / ハノカゲ (増刷されて品切れじゃなくなったので、アフィのリンクを貼っておきますよ。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/03/05 02:13:18 PM
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