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語りと筆しごと~書家香玉のうずまき帖

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2023年07月06日
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カテゴリ:書家として


またまた貴重な体験ができました❣️
ご縁あって先月、メキシコから福岡にホームステイ中の高校生とその引率の先生計26人に、私が提案する【かんじる漢字】の書道体験をしていただくことになりました。

みんな日本文化に興味はあるものの、母国語はスペイン語で日本語はもとより英語もうまく通じるか怪しいとのこと。
当日までどんな感じの子がくるのか、さっぱりわからず、とにかく人数分の筆や紙を用意してその日を待ちました。



メキシコといえば、、と調べていて、はっとしたのが、その国を表す漢字が、なんと墨だったこと。
その由来は特にわからないのですが、とにかく書道には欠かせない道具であるし、これも何かの縁!
みたいな話ができたらいいなと考えました。



本当は墨磨り体験からさせたかったけど、所用時間2時間では到底、お気に入りの漢字を見つけて、筆でハガキに書いてみる!というとこまで辿り着けないので、今回は墨汁に。
しかしながら、ホンモノを見せたくて、デモンストレーション用に父の形見の硯と墨と水滴を持参しました。

さてさて、対面した彼ら。
時間ギリギリまで飲んだり食べたり、ヘッドフォンとらずに談笑したり、なるほどそのラテン的陽気さはそれなりの迫力でしたが、やはりそこは高校生。にっこりすればあどけなく、ナイスミーチュー、アーユーレディー?プリーーズ、リッスントゥーミー‼️
私のひときわデッカい声の挨拶に、ピタリと澄んだ瞳をこちらに向け、スキありと自分の名前を紹介し、ブルーツリー🌲ビューティフルスメール、ユーノウ?がまあまあ受けて、それからは、一度聞いてもよく覚えられなかったけど、彼らの名前を聞いてまわり、、ひとりひとり顔を確認しながら、互いにだんだんと打ち解けてきたのでありました。

第一印象を超えて、、いざ、やり始めたら、彼らの漢字や日本文化に対する関心、表現欲の高さに唸るばかり。
面白い‼️

好きな漢字を探すヒントにと、昔、私が著した漢字一字書のポストカードブックを一人一人にプレゼントしたのですが、それを手本に真剣に取り組む子(我流ながら英訳をつけていたのが役立った!)、それぞれのスマホで好きな漢字を調べて、中には超難解な中国由来の絵文字みたいなのに挑戦する子、トップをきわめるというようなニュアンスの漢字はなにかと尋ねてくる子→直感で「頂」を伝授したら、気に入って書き始めた。



「頂」に「人」を付け加えて書き始めた彼。何度も手をあげ教えを乞うてくる。
指導しながらあらためて気がついたのは、字を書くのに最も重要なのは、その姿勢と両手使いであること。
ほとんどの子が筆を持たない方の手を下におろし(中にはその手にジュースを持ちながらの子も!!)ていたので、必ずボウスハンド‼️と伝え、体の中心から書に向かうように手に手をとって、促した。



素直に従い、姿勢を整え左手でしっかり紙をおさえ始めた。
おお!ハリーポッター!!と心の中で(笑)

「超」とはどう違うのかとの質問も。なかなか鋭い。
頂を超えた先まで見ているのかー!!








自分の名前は日本語でどういうイメージ?と興味津々だったり、パンクロック思想で頭がドクロマークな子が、死や地獄を書きたがるのを、単独だとアンフォーチュンだから、普遍の対比で生と死、天国と地獄なんかどう??とアドバイス👍



驚きの書写能力を見せてくれた彼女。
TWDのユージンの恋人に似てる。。勉強もできるんだろうな。






私の漢字本から「繋」に興味を持ってくれた彼女。
新聞紙は書きやすいねと、複雑な字形を確認中。

ゴードンみたいなイケメン彼は、期待通りの正統なカッコいい字を書いてくれた。狼も人気の字のよう。



言葉は適当でも、動作があればまったく問題なく楽しい時間となりました。

背伸び気味な高校生に対し、やはり日本語は話せないがチャーミングな引率の男先生ふたりがこれまたユニークで、私はドンキーが好きだからそれを漢字でと、真剣に驢馬を書くは、愛する恋人を想像しながらハートマークな瞳で、愛や恋を文字にする。その腕には鮮やかなタトゥー。


とにかく楽しい時間はあっという間に過ぎ、ああ、私はやはりこんな仕事が一番性に合ってるとしみじみ幸せな気持ちでした。









完成の証にと持参した感謝の朱印も大好評。作品がしまりますね!
美しい彼女が得意げに完成させたこの「逢」はとても素敵です。

メキシコといえば、、の後日談。
この活動を前々から知り、頑張って!と言ってくれてた友人に、うまくいったよと報告したら、お祝いにとコロナビールが贈られてきた。



あ、そうだそうだ!
メキシコといえば、サボテンやマラカスやテキーラや、そして、コロナビールだ!と嬉しくなり、乾杯。



蒸し暑い最中の、爽やかな喉越し、清涼感たっぷりの透明な瓶。
世界的に悪者となった病の名前と同じでいろいろあったのかなかったのか、近頃は中国産に変わりつつあることも判明したわけですが、それでも、色々と意義深い交流が生まれた6月、誕生月のご報告でした。

この感動を広げていきたいな。

関わってくださった方々、ありがとうございました。

主催
元気日本語文化学校 
https://www.genkijacs.com/ja/





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最終更新日  2023年07月09日 09時52分21秒
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