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カテゴリ:仕事
きょうはアカデミックの世界の話なので興味のない方はスルーしてください.
愚痴だし,あとから消すかも・・・ 今,ある国際誌の編集をしているんだけど,そのうちの1つの論文の査読を日本人(できれば若い人)にまわそうと思ったのね.でも,2人たてつづけに断られた.結局70代の,すごく大御所の先生にお願いするはめになった. 査読っていうのは自分が論文を書いて出すのに不可欠なプロセスだからいわばお互いさま.だから基本的には忙しくても断らないもの. それで思ったのは,全然人材が育っていないじゃないか,ということ. 日本の大学にいる間,いつも「縮小再生産」しかしていないんじゃないか,と思ってた.若手の教員の採用があったとしても,採用する側は自分たちより優秀な人はとらない.なので優秀な人のほうがむしろ就職に苦労するのを見てきた.あるいは優秀な学生はさっさと見切りをつけて研究から離れていく. あと,国際誌に論文を書くような教育をしていない(分野によると思うけど).これはたぶん自分たちが書いていないから.先生が書かなければ学生も書くようにならない.論文を書いていなければ,当然査読もできない. とはいえ,英語論文を書けるように教育するって本当に大変.もちろん語学の問題もあるんだけど,それ以前に論理的にものを考える訓練ができていないからじゃないかと思う.論文なんだから,論理がないと! 私はといえば,修士課程から博士課程に入るときに大学も学科も変えたのだが,修士論文の内容を発表するのが博士課程へ試験のひとつになっていた.そこは新しい研究室だったから,まだ人数も少なくて,予行演習までやらせてくれた.でも結果は,ぼろぼろ.そこで言われたのが,「ここでは内容については知らないことでもロジックを通せば判ってもらえるから」ということ.それからロジカルに考える癖がついたのかも. 論文を書くことについては,大学院のとき,指導教官からいつもプレッシャーをかけられていた.実際,その先生はとても書くのが早かったしね.先生は残念ながら今年の春,亡くなってしまったけれど,卒業生が集まったら,研究室から結構な数の研究者が育っているってわかった.みんな,文句をいいながらも背中をみて育ったんだね. ということで,若い研究者の人たち.もっとがんばってください. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.13 04:43:11
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