青い花

今のアパートは家賃高いだけあって全体的に設備はすごくいいんだけど、入った日から気になっていたことが一つあった。それは、バスタブの栓が完全にはずれない、上下する構造であること。日本でもよく、洗面所とかにある構造。何がまずいかというと、その栓が大きいので、髪の毛が流れて行かないように上にかぶせる網で既製品として売ってるものが、どれもあわない。しかも、栓がはずれないわけだから、いったん髪の毛がつまったら、どうやってほじくりだせばいいのだ？ということが初日から気になっていた。

案の定、２ヶ月ほどで排水はつまり、朝シャワーをあびた水が翌朝までバスタブに残るようになってしまった。配水管につまった髪の毛をとかす薬品というのは売っているけれど、これだけ毎日水がよどんでいては、なかなか薬品を流す機会もないし、薬品を流し込んで、それが万一逆流してくるようなことがあっては、おちおちシャワーもあびられない、困ったなー、と思っていた。

そんなある日、ドラッグストアに行くと、いいものがあった。ターボスネイク。要するに、ピアノ線の先にゲジゲジがついているのです。煙突掃除ブラシの小型版。これを隙間から排水溝につっこむと、ピアノ線はしなやかに曲がり（しかしふにゃふにゃではなく、もとに戻ろうとする）、詰まりに到達してゲジゲジが髪の毛をひっかけたところで引き上げる、というものです。そう、こういうのがいいと思ってたんだけど、なかなかちょうどいいピアノ線がなく、またよほどしっかりゲジゲジを固定しないと、途中でとれちゃったらそれがかえって詰まりの原因になりますからね。１０ドルもしたけど、プロの作ったものをすなおに買いました。

いっぱつで詰まり解消、その日から快適にシャワーを使っています。めでたし、めでたし。しかも薬とちがって、このゲジゲジ、何回でも使えます。（日本でも売ってるようだから、きっとこの横に広告でるだろうな。）

しかしだ。こんなもの売る前に、もっと網をかぶせやすく、掃除しやすい構造の栓にしてくれればいいのに。詰まりをなおすことも大事だけど、詰まらせなければ済むことじゃないか。（こっちには”髪の毛集めてポイ”も売ってないし。）きっと、このターボスネイク売ってる人間とバスタブ売ってる人間は、グルなんだな。