海砂のつらつら日記

カンニング少女　黒田研二　（2006.8.13読了)

久しぶりの黒田作品です。
黒田さんといえば硝子細工のマトリョーシカや霧の迷宮から君を救い出すためにといったちょっと込み入った設定の作品が多いのですが、「カンニング少女」はすごく読みやすい、少しラノベっぽい作品でした。

姉の事故死に疑問を持っている天童玲美、その疑問を解明するためには姉の通っていた超難関大学に入学しないといけない。もちろん自分の実力ではとうてい無理で、そのため友人３人と協力し、何とか合格すべくカンニング大作戦を敢行する!・・・という感じかな。

この本を読まれた他の方もかかれてましたが、結婚なんてしたくないあたりから、作風が変わってきたように思います。
私は黒田さんの初期作品が好きなので、もっと驚くような設定の作品を読みたい!!
ただ、「結婚なんてしたくない」はあまり面白いと思わなかったのですが、「カンニング少女」は楽しく読めました～
まあ、カンニング方法はあまり現実的でないので、これを読んで真似する受験生はないと思うな～(笑)
読後感も爽やかで、ホントこれクロケン作品??と疑っちゃうほど。
青春ミステリとして誰にでも勧められる作品に仕上がってます～

ただ、１つ２つ突っ込みたいところが・・・ネタバレでもないけど以下一応反転。

まず、恭子がなぜあれほど学生の不正行為に厳しいのか。きっと何か訳があるんだろうと思い読み進めましたが、結局特に理由なし(?)。
それから、入試試験漏洩の犯人は一体誰だったのか。これも、結局語られず。
確かに、姉の事故死についてはすっきりするんだけど、ここら辺も詰めて欲しかったです。
（もしかして、分かる人には分かってるのかしら～だったらちょっと恥ずかしいな。。。）


ともかく初期の黒田作品に拒絶反応を起こした方にこそ、読んでもらいたい作品です。
逆に、こ～い黒田節がお好きな方はとまどわれるかもしれません。
でも、いい話だよ～


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