キング・カテドラル
知り合いの石好きさんの間では、「これはこのタイプの一番!」……という石を「キング・●●」と言うことがあります。たとえば、これは私が持っているヒマラヤ水晶の中では一番!……という場合は「キング・ヒマラヤン」。石によっては「キング・レムリアン」だったり、「キング・シトリン」だったりするわけですが、今回はカテドラルのキングをご紹介。ブラジル産のスモーキー・カテドラルです。大きさで言えば、この石以上に大きいヒマラヤのカテドラルがありますが、カテドラルとしてはこれがキング。なぜならば、かつて「これってカテドラル?」という質問をしていた頃の私が、誰に聞くこともなく、初めて「これはカテドラル!」と自分自身で太鼓判を押した石。カテドラルとはどんな石かよくわかっていなかった私に、「これこそ、カテドラル!」と言わしめた石なのです。カテドラルとは「一つにまとまって空に伸びる形」……と言ってしまう今の私が見ても、やはりこの石はカテドラル。「空に伸びる」と言うにはちょっとばかりずんぐりですが、そのぶん、存在感は十分です。カテドラルらしさのポイントとも言うべき縦筋もばっちり錐面をみると、大きな一つの結晶のようでいて、実は複数の結晶がぎゅっと固まって一つになっていることがわかります。大きな水面にそれぞれの結晶の境目を示す線が入っているのが見えるでしょうか。さらに!この石は、真ん中にみごとな虹が出ます。ちょっと変な角度から見ないと色が出ないのですが、そのみごとさはまさにステンドグラス。どっしり威厳のある形にカテドラルとしての特徴を備え、おまけにステンドグラスまで備えているとなれば、これはもう「大聖堂」でしょう。……と、この石がキングの座に着いているので、昨日の写真のような、ほっそりしたカテドラルは、個人的にあまりカテドラルに見えないのでした。