カテゴリ:音楽 [映画、連続ドラマ]
(Wikimedia) 映画音楽特集 第2回 さあ鑑賞しましょう。 映画音楽 をどうぞ・・・ 80年代を中心に、子供の頃、若かりし頃、耳にして来た音楽をご紹介するシリーズ。 今回は遂に第9弾である。 音楽は映画を支える巨大な柱として古来、様々な役柄を担ってきた。 無声映画時代には、聴こえてくるはずの無いセリフの様な流麗さで奏でられ トーキーの時代に入ると、映像からは見えてこなかった激しい感情に揺さぶられ 3Dの時代の現代さえも、今まで見た事も無い映像美の驚異を感動へと後押しさせられ 耳から入る様々な音の中で、この上なく映像的なものだと言えるであろう。 本ブログは映画のレビューが本分であるが、音楽は何かと映画と密接に関係したものなので 更に気にせず進めようと思う。 それではスタート! △▼ △▼ Bill Conti - Gonna Fly Now (1976) ビル・コンティ - ゴナ・フライ・ナウ 映画「ロッキー」 シルベスター・スタローン主演 アカデミー作品賞受賞 3部門受賞 三流ボクサーロッキーの不意に訪れた世界チャンピオンとの対戦と 恋人エイドリアンとの愛を描いた感動作 ファンファーレと共に画面からスライドして来る巨大なゴシック書体からは スポーツの持つ精神性と、 トップを目指すアスリート達の終わりなき戦いの様子が見えてくる様な 非常にテンションの上がるオープニングで始まる本作のテーマ曲として使用された スポーツ映画作品を代表する名曲である タイトルが登場するだけで興奮する映画として思い付くのは 本作の他は『スター・ウォーズ』位のもの。 『スター・ウォーズ』のオープニング同様、音楽がある種のカタルシスを与え スタイルを生み出すのも、映画音楽ならではである 殊更本曲が フェア・プレイ精神を印象付けるものとして 各種スポーツでBGMとして採用されるのも頷ける話である △▼ △▼ Jerry Goldsmith - Total Recall/Main Theme (1990) ジェリー・ゴールドスミス - トータル・リコール/メイン・テーマ 映画「トータル・リコール」 アーノルド・シュワツェネッガー主演 アカデミー視覚効果賞受賞 何者かに記憶を改ざんされた主人公が未来の火星を舞台に 巨大な陰謀に巻き込まれてゆくSFアクション大作 ヒロイズム溢れる壮大で重厚なテーマ曲は 今は亡き映画音楽界の巨匠 J・ゴールドスミスによる 『エイリアン』や『オーメン』など 現代音学に属するスコアを好んで書き 効果音に近い映像的アプローチながら 映画の印象を左右する程の 独特の音世界を展開させる作曲家である 一方で、『パピヨン』『スター・トレック』の様な分り易いメロディを持つ スコアも得意とし、手がける作品のジャンルの幅は広い ホルストの『惑星』をモチーフにした様な、巨大な惑星か広大な宇宙空間を イメージする堂々としたスコアは アクション俳優のA・シュワルツェネッガーに ピッタリである 日本では情報バラエティ『特命リサーチ200X』の中で頻繁に使用され そちらで知る人も多いだろう △▼ △▼ Bernard Herrmann - Taxi Driver/Main Theme (1979) バーナード・ハーマン - タクシー・ドライバー/メイン・テーマ 映画「タクシー・ドライバー」 ロバート・デニーロ主演 マーティン・スコセッシ監督作品 夜の街を走る孤独なタクシードライバーの数奇な行動を描いた人間ドラマ 音楽のハーマンは『市民ケーン』やヒッチコック作品など 映画の音楽を作曲する為に生まれて来たと言える程 変化自在のアンサンブルを奏でる映画音楽界の天才作曲家 学生の頃から独自の音楽見解を持ち 例え権威ある教師と言えど 意見が合わなければバイオリンを振り回し殴り掛かる程の我の強い持ち主だった ヒッチコックと意見の相違で決別して以来、長い間低迷し 本作のジャズをモチーフにしたアプローチで表舞台に返り咲いた 『スター・ウォーズ』のジョン・ウィリアムズが師事し インタビューで作風に対し 「ハーマンは余計なオーケストレーションで時間を無駄にしている」と評した事がある △▼ △▼ Francis Lai - 13 Jours en France (1968) フランシス・レイ - 白い恋人たち 映画「白い恋人たち」 フランスの冬季オリンピックグルノーブル大会を描いた記録映画 こういう曲を紹介すると 昔NHK-FMで放送していた 今は亡き映画音楽評論家 関 光男 氏の 『夜のスクリーンミュージック』 と言う番組があったのを思い出す 雪国を走る子供から様々な人に受け渡されて行く聖火を追うO.Pで 流れる本曲は『男と女』『ある愛の詩』のフランス映画界の音楽の巨匠 F・レイの作品 優雅でロマン溢れるスコアを得意とし 複雑な感情を表すような浮遊感溢れる コード展開を編曲に好んで導入する 映画音楽というスタイルを模索する中 全てが手探りで造られて行く作品の全てが 個性に満ち溢れていた当時の音楽界に対し 様々な音楽が溢れかえり 数多くの括弧としたスタイルが既に存在する現代の音楽界で それを学ぶ立場の後進の作曲家達が精彩を欠き 無個性化すらした現代の状況とは異なり 自らの音楽性によって世に出た当時の作曲家達の造る作品は 本作の様にサウンドを聞いただけで作者が分る程の 個性に満ち溢れてる 作品ばかりだった事を 思い出す △▼ △▼ Claude Bolling - Borsalino Theme (1970) クロード・ボリング - ボルサリーノのテーマ 映画「ボルサリーノ」 日本でも人気のあったジャンポール・ベルモンドとアラン・ドロン共演の ギャング・クライム・ムービー 日本では車がアクロバットをする『いすずジェミニ』のCMで御馴染み 音楽のボリングは神童と言われた天才で14歳でジャズ・ピアニストとしてデビュー その後映画音楽家としても100本以上の作品を手がけた 作風の一つとして『カルフォルニア・スイート』に聴かれるフルートを用いた ビバップ形式でのコンボ演奏が上げられるが 他にクラシック奏者とのバロック音楽作品も多く残している △▼ △▼ B.J.Thomas - Raindrops Keep Fallin' on My Head (1969) B・J・トーマス - 雨にぬれても 映画「明日に向って撃て!」 ジョージロイ・ヒル監督作品の西部劇時代後期の実在の銀行強盗を描いた アメリカン・ニューシネマの傑作 アカデミー脚本賞 作曲賞 主題歌賞 他受賞 音楽はカーペンターズ作品で有名なバート・バカラック 珠玉のメロディーメイカーとして大ヒットを飛ばし、 フリューゲル・ホーンなどを使用した独特のホーンセクションのサウンドを特徴とする オーケストラを多用した頃のポップス界で様々なアーティストの作品を手がけていたが 80年以降は時代の要求と共に大編成の音楽の需要は激減し活躍の場を失う 近年エスビス・コステロとのコラボで再び話題となった 現在でも様々なアーティストにリスペクトされる音楽界の巨匠である △▼ △▼ John Addison - A Bridge Too Far March Theme (1977) ジョン・アディソン - 遠すぎた橋のマーチ 映画「遠すぎた橋」 第二次世界大戦、後世の歴史家にアメリカ軍の汚点と誹られた 『マーケット・ガーデン作戦』を描いた超大作 音楽は『トム・ジョーンズの華麗な冒険』でオスカーを受賞したJ・アディソン サーカスかミュージカルの様な華々しいテーマ曲が 悲惨な敗戦に対し 戦争の虚しさを際立たせる 『史上最大の作戦のマーチ』『戦場にかける橋のマーチ』に次ぐ名曲と 言っても過言ではないだろう 先ほどのハーマンなどが聴いたら激怒する様な、戦争には不似合いな曲調が 壮大な作戦に高揚する当時のアメリカ軍上層部の犠牲になる一般兵士の姿に重なり 本作の意図がより鮮明に伝わる事になる △▼ △▼ Ryuichi Sakamoto - Merry Christmas Mr.Lawrence (1983) 坂本龍一 - 戦場のメリークリスマスのテーマ 映画「戦場のメリークリスマス」 大島渚監督作。デビッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけしの共演が話題を呼んだ 日本軍収容所での奇異な出来事を描いた人間ドラマ YMOの坂本龍一が本格的に映画音楽を担当した最初の作品 坂本は本作出演に関しては 『つまらない人間が演技をしても只つまらない』と言及するも、音楽に関しては 『そんな人間が作る音楽は興味深いと言える』と語っている 36回カンヌ国際映画祭グランプリ最有力候補だったが 今村昌平監督『楢山節考』がパルム・ドールを受賞する △▼ △▼ Carmine Coppola&Stevie Wonder - Stay Gold (1983) カーマイン・コッポラ&スティービー・ワンダー - ステイ・ゴールド 映画「アウトサイダー」 貧困層と富裕層の若者のグループの対立から事件に巻き込まれる主人公達の悲劇と 家族愛と友情を描いた青春映画 1982年の『ワン・フロム・ザ・ハート』の惨敗から破産に追い込まれたコッポラの 何気ない一般学生の投書がきっかけとなって本作の製作に着手し大ヒットを記録 自らの起死回生へと繋がった話題作 本曲は契約の諸事情からレコード化出来ず、長い間お蔵入りしていた不遇の曲である 94年に日本の『トヨタ・カムリ』のCMに起用された事をきっかけに 紆余曲折の末 ベストアルバムに晴れて収録された △▼ △▼ Vangelis - Chariots of Fire (1981) ヴァン・ゲリス - 炎のランナーのテーマ 映画「炎のランナー」 54回アカデミー賞作品賞・作曲賞 7部門受賞作品 1924年オリンピック・パリ大会を舞台に、様々な問題を背に受け 走る事で自らを主張する二人の若者を描いた感動作 音楽はギリシャのシンセサイザー奏者ヴァンゲリス イギリスのロックバンド『イエス』加入を蹴った事で有名 後にボーカルのジョン・アンダーソンとコラボ作品を多数リリースする 誰もが認めるオリンピック・アイコンであり もはや映画よりも有名になった本曲はインストとしては珍しい ビルボードアルバム シングルでチャート1位を獲得する △▼ △▼ Eric Clapton - Change The World (1996) エリック・クラプトン - チェンジ・ザ・ワールド 映画「フェノミナン」 ジョン・トラボルタ主演 謎の閃光を目撃したことで不思議な力を得た主人公が経験する数奇な出来事を ハート・ウォームに描く感動作 エリック・クラプトンによる本曲はベイビーフェイスがプロデュースした アメリカの女性カントリー歌手ワイノナ・ジャッドが原曲の作品 以後 クラプトンの代表作の一つとして知られることになる △▼ △▼ と言う所で終了です。 それではみなさん、ごきげんよう! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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