カテゴリ:洋画 [アクション]
パニック映画全盛期の勢いと熱気を感じる名作 エアポート'75 MOONRAKER 1974年 アメリカ 107分 ■監督 ジャック・スマイト ■出演 チャールトン・ヘストン /カレン・ブラック /ジョージ・ケネディ リンダ・ブレア /スーザン・クラーク 昔 『シネラマ』 と呼ばれる、縦が9m以上、横25m以上の大画面の 大きく湾曲したスクリーンに映写する設備がありまして 今回の映画は私が当時この設備を装備した映画館で鑑賞した作品で 巨大な湾曲スクリーンに投影された ボーイング747通称ジャンボジェット機の勇姿に圧倒された事でも 思い出深い作品でした という訳で 今回は デザスタームービー全盛期に制作されました 空の密閉空間 での恐怖を描いた『エアポート'75』を ご紹介します☆ - STORY -濃霧のためソルトレイクシティへ進路を変更した コロンビア空港409便は心臓発作で操縦不能になったパイロットのセスナと衝突 操縦席の一部が大破した 操縦士を失い 代わりに操縦桿を握ることになったのは チーフCAのナンシー(カレン・ブラック)だった - 解説 -『パニック映画』 全盛期に制作された作品で空の密室 サスペンスという側面を持つ サスペンス・スカイ・アドベンチャー超大作映画です 本作は 小型機が操縦席に激突し 操縦士が死亡し 乗客が空に取り残されるという 恐怖を描いた作品ですが 墜落の危機を脱するためCAが操縦桿を握り 事故機を救おうと 空中からワイヤーでパイロットが 決死の乗り込みを試みるという 救難シーンがメインとなり 当時の映画史においても 前人未到なスタントが導入された スリルとサスペンス が 最大の見所となった作品です シルベスター・スタローン主演の (93)『クリフハンガー』 の冒頭で 小型機へワイヤーで乗り移るスタントシーンが有りますが これなども、本作が確立した 撮影技術で成り立っているシーンであり その後の航空機サスペンス映画の方向性を大きく変えたという意味でも 重要な作品だと言えるでしょう 本作は その他のパニック映画とは異なり デザスター場面で成り立っている映画ではありませんが 操縦士の代わりに CAが操縦を託された機に 自分が居合わせた 極限状況にある様な 息が詰まる 張り詰めた緊張感を体感する点が この作品の特徴だと言えます 従って (96)『エグゼクティブ・デシジョン』 (97)『エアフォースワン』 『乱気流タービュランス』 などの作品に観られる 機内で渦巻く陰謀が進行したり、我を忘れた乗客の勝手な行動が加わる事で 状況を更に複雑にしたりと 巧みでひねりの効いた脚本で作られた 近年の航空サスペンス作品とは 趣は違いますし 正面衝突では無かった事、低空飛行だった事 揚力に関係無い箇所の破損だった事で 理論的には航行不可能には至ら無い としても 考証に疑問を感じる点や TVドラマ出身で (76)『ミッドウェイ』 の ジャック・スマイト監督の やや実直過ぎで 粘りに欠ける演出が 未曾有のサスペンス超大作映画と呼ぶには TV映画の範疇に留まると感じる点など 70年代作品特有の古さは否めませんが 空撮を多用した 迫力の映像と その後のスカイアクション映画が生まれる 原型となった パニック映画全盛期の 勢いと熱気が 伝わってくる名作だと思います☆ - アトラクション性の高かった大作志向のハリウッド映画 -60年代までのサスペンス映画の撮影は 車に乗った人物を撮る場合 運転場面をスタジオで撮影し 背景を合成するのが主流で 航空機の場面も 模型と機内のセットのみで進行する スタジオ撮りがメインでした 本作が作られた70年代辺りから 走る車や 飛ぶ飛行機を 並行して撮影する 作品が増え 本作でもジェットヘリから事故機へワイヤーを使って 乗り移る 見せ場となるスタントシーンを 実際の空撮で挑むなど ハリウッド作品の質が 格段に向上して来た時期に作られた事もあり それによって シネラマなどの大画面にマッチした迫力ある映像が実現し 主役のチャールトン・ヘストンが 事故機に乗り込んだ後も 傷付いた機体で 着陸を試みるクライマックスを 観客が実際その場に居合わせたかのスペクタクルを 劇場で体感出来た点でも 本作の超大作とは アトラクション性が高かった一連の大作映画の 括りにあった映像作品を指す言葉だと 言えると思います さて 『タワーリング・インフェルノ』 や 『ポセイドン・アドベンチャー』の 記事の所でも触れましたが パニック映画には毎回、 ハリウッド往年のスターの共演による 絢爛豪華なグランド・ホテル形式のドラマが 展開する所に 大きな特徴があります (56)『ベン・ハー』 の チャールトン・ヘストン Charlton Heston (画像参照:wikimedia) (50)『サンセット大通り』 の100万ドルのスター グロリア・スワンソン Gloria Swanson (画像参照:wikimedia) (46)『我等が生涯最良の年』の ダナ・アンドリュース Dana Andrews (画像参照:wikimedia) 若手では 当時の話題作 (73)『エクソシスト』 の リンダ・ブレア
変わった所で グラミー賞シンガーの ヘレン・レディ などが出演しております
パニック映画が人気を博したのは デザスターシーンのスペクタクルもありますが デザスターシーンを背景に、これら大スター達の絢爛豪華な共演で演じられる 現代人の崩壊した人間関係と その喪失と再生を描いた 魂の人間ドラマにある所が大きかった様です また、夫婦や恋人達が直面する 極限状態での愛情が描かれる 女性映画としての側面を持っていた事も ヒットの大きな理由だった様です ▼ △ ▼ △ ▼ George Kennedy (画像参照:wikimedia) さて エアポートシリーズは全4作ですが、 名バイプレイヤーにして大スターの ジョージ・ケネディ は 全作に出演した唯一の俳優です。 ハイジャックや空港で引き起こされる様々なドラマを描いた (70)『大空港』
衝突事故を描いた本作 (74)『エアポート75』
バミューダ-海に墜落救出を描いた (77)『エアポート77 バミューダからの脱出』
ミサイル攻撃を受ける (79)『エアポート80コンコルド』
と、役柄は 1作ごとに違っておりますが 唯一 ジョー・パトローニ役 として 全作に出演しております。 先程申し上げた様に、エアポートシリーズは4作のみで、 『エアポート2000』などの様に 日本の販売メーカが独自に付けたTV作品や 『エアポート/タービュランス』 の様な 『乱気流タービュランス』でも まして エアポートシリーズでも無い メーカー便乗商品が多数存在しますが、 ジョージ・ケネディ が出演している4作が 『エアポート・シリーズ』 と呼ばれる作品ですので お間違えなくw この記事の 『楽天プロフィール』 のつぶやきは >>こちら 楽天市場
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