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2018年12月24日
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​​日本生まれの音楽ジャンル
Progressive Rock
プログレッシブ・ロック
を聴いてみましょう!
第22回【特別編】
​​​Marillionクリスマス』​​​​​

Hogarth Marillion Paris 2005
Steve Hogarth - Paris 2005 Marillion​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

さて今回も、この年末戦線の最中

ダダをこねる子供のクチを閉じる為
事ある度買い与えてきた戦隊のフィギュアの買い残しを
年内のうちにコンプリートしようと
サンタのプレゼントと称してまとめ買いした親御さんの

これでようやく肩の荷が降りたと胸をなでおろす
安堵する気持ちも束の間

年が明けると新作が始まる迷惑にも似た

メガ迷惑な 永遠の不人気企画

コードネーム 『魚』 こと
『プログレッシブ・ロック』特集第22回
クリスマス特別編をお送りします


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▲目次へ▲

​- イントロ -​


さて、当サイト年末恒例(?)となった
今年一年を駆け足で振り返るイントロコーナーの始まりです


それでは参りましょう



今年も残す所一週間余りとなりましたが
皆様に於かれましては 今年も色々あった一年と思います


テーマパークで歓迎されたムーミンは
テストに出題されると非難され

米国で鉄骨が関税化と思えば、名古屋で天守閣が木製化し

忙しいとデータは外注に出され
人気があった通貨はデーターが流出し

大阪の優勝が世界中で称賛されたと思えば
奈良の判定が日本中に叩かれ

一般住宅が「民泊」サービスに参加したと思えば
国営放送が「民放」キー局の配信サービスに参加し

どこかの元社長は50億以上も過小計上していたと思えば
どこかの投資信託は30兆円以上も過大計上し

どこかの銀行では偽の企業へ本物の様に融資していたと思えば
ダイソーでは偽のカッターに本物が混じり

ハロウィンでは「お祭り騒ぎ」で暴徒が集まり
イッテQでは「お祭り企画」でヤラセが報じられ

ホリエモンのロケットは落下し
らき☆すたの聖地は倒壊し

月日はニコ動のプレミアム会員の様に流れ去り
Youtubeの有料サービスのCMの様に消えながら

ミライトハ 筋肉は裏切らない 高プロを
グレイヘアが ご飯論法で そだね・・・・


・・・ な 今日この頃をいかがお過ごしでしょうか

さて

いつもは
70年~90年代を中心に、
子供の頃若かりし頃耳にして来た音楽をご紹介する
洋楽特集『~どうぞ』シリーズ で
Xmas特別編をお送りする所

今年はいつもと趣向を変えまして
『プログレッシブロックを聴いてみましょう』
​Xmas特別編​ をお見舞い・・・お送りしますw


というわけで今回は

80年代から現在まで息の長い活動を続け
ポンプロックの代表格となったプログレッシブロックバンド
マリリオンの数ある楽曲の中から

比較的聴きやすい、今の時期にも合っていると思われる
聴くとクセになるかもしれない楽曲を

お送りします。


所で、
​​​​「マリリオンって何?​(当惑)​」
​​​​​
という
至極当然な疑問に答える前に
なぜ今回マリリオンになったのかと言いますと

あれはそう半年前の事・・・(話を長くするツモリでいる)


連日灼熱の地獄と化し、日が高くなる度
街の各所に設置された役場のスピーカホンからの放送が

職員の無機質な肉声ひとつひとつが発声される度

声が重なり合って内容が意味不明になるほどの爆音で
​​​​カラオケでも使わない様な強力なディレイを発生させながら
音声を遅延させながら街の果てまで轟かせて

市役所が発表する高温注意情報の発令が続いた
今年の夏の猛暑の中、

同じEC企業としては楽天のライバルに当たる
◯maz◯nの、プ◯イム会員限定の音楽配信サービス
◯maz◯n Musicの有料版
◯maz◯n Music Unlimit◯dが

新規登録で◯ヶ月◯◯円キャンペーン
というのをやっている事を知り
これに加入すると・・・

(※当サイトは楽天に加入する立場から
楽天の不利益となる可能性のある文書には
自主的に伏せ字を施す処置をしております。
ご了承ください。)


・・・プライム会員特典
追加料金無しで受けられる音楽配信サービス
Amazon Music100万曲がリミットだった所を

Amazon Music Unlimitedに追加加入しますと
4000万曲聴き放題になるという事で

新規登録で3ヶ月99円キャンペーンに加入しまして
リミッターが外れた4000万曲の視聴を享受し

灼熱の夏のわずかばかりの清涼としておりました・・・

(※当サイトブログ主は楽天に加入する立場ではありますが
誠に遺憾ながら時々施す処置をウッカリ忘れる事があります。
忘れんぼサンだなあ~w と いう事でご了承ください。)


・・・当初はこのサービスは、
CDで持っていたりするいつも聴いている曲を
外出先でも手軽に聴く手段として利用しておりましたが

ある時、

名前だけは知っていて聴く機会の無かった
コアなアーティスト達の作品も数多く取り揃えられ

全作品が聴けたり
新たにリマスターされたものがあったり
非公認貴重ライブ盤が揃っていたり
多彩な作品が網羅されている事に気付き

日本では入手困難だった作品や
現在は廃盤で聴く事が出来なくなったアーティストの作品などを
貪る様に聴きまくる様になった、という

音楽環境の激変によって

日本では入手困難な作品をいくつか発表してきた
活動中のプログレバンドの中では最右翼となる存在の

マリリオンにハマって行った・・・という

ひと夏のAmaz◯nミュージックUnlimitedで
ひょんな事からマリリオンの再評価に繋がり

更にはネット全盛前から現在の音楽界に見る
業界の多様性にいち早く対応したのが
マリリオンだった事に気付き

この点に於いて日本は最も遅れを取っているという現状が
マリリオンを通して見えて来たという事で
非常に興味深い存在と言える

音楽界の知られざる羅針盤
Marillionの音楽を

比較的聴きやすい、今の時期にも合っていそうな
聴き様によってはクリスマスの曲の様にも聞こえる
いくつかの楽曲をチョイスし



猫の手も借りたい位に息をも付く暇のないこの年末の忙しい時期に
肩の力が抜ける様なほっこりする束の間のひと時が嬉しい

そんな安堵する時間を提供する記事を上げるのが
ブロガーの腕の見せ所な所を

日々の喧騒に更なる混迷が加わる様な
一度も耳にした事の無い名前も聞いた事のない

日本のクリスマスに果たして相応しいのかどうか
そもそもほとんどの曲がクリスマスの事を歌ってすらいない

おそらく生きている間に間違っても耳にする事は無い
加えて英語だと尚更何を唄っているのか分からない
一般的にも知られていないイギリスのロックバンドの記事を上げて

更にはプログレの楽曲の多くが
一曲の収録時間が異様に長いという仕様に倣って

記事のイントロを異様に長くして
鑑賞者に文章でプログレを擬似体験させながら

大量文章をお見舞いするという


名だたるブロガーや人気ユーチューバーが
聖なるクリスマスに粛然とした気持ちにさせる

クリスマスに観覧するに相応しい記事や動画をアップする中
それらのコンテンツとは被らない様差別化を図りながら
(或いは差別化するフリをしながら・・・)

ほとんど嫌がらせの様な企画を
アップしたというわけでしたW




それではスタート・・・





▲目次へ▲
■Marillionとは■

では、Marillionとはどういうバンドか
駆け足で説明していきましょう☆

Marillion2

■限メンバー■
スティーヴ・ホガース (Steve Hogarth) - ボーカル
スティーヴ・ロザリー (Steve Rothery) - ギター
ピート・トレワヴァス (Pete Trewavas) - ベース
マーク・ケリー (Mark Kelly) - キーボード
イアン・モズレイ (Ian Mosley) - ドラムス




・・・まあ、メンバーの名前なんて並べた所で
知らない人には無味乾燥な文字列に過ぎませんし

何の興味もない方にとっては

ギターがスティーヴ・ロザリーだろうとヨッチャンだろうと

ベースがピートだろうとはなわだろうと岸部一徳だろうと

キーボードがマークだろうとヒャダインだろうと

ドラムがYOSHIKIだろうとほないこか だろうと

ボーカルがタケカワユキヒデだろうとショコタンだろうと

​誰だろうとどーでも良い事なので​

スマホにスパムのように送られてくる家電のメルマガの様な、
いらない情報でした。。。w


なので、ざっくりと説明しますと


Marillionとは
初期のジェネシスのパクリバンドです



・・・Marillionファンのざわつきとは裏腹に
初期のジェネシスすら知らない一般ユーザーにしてみれば
どのみち意味わからんとスルーする様が感じ取れますが・・・w

とりあえず一見は如かずという訳で

時計の針を1970年代に戻し
本家GENESISのステージをチョット掻い摘んで
見てみましょう


​​Genesis - Dancing With The Moonlit Knight
ジェネシス - 月影の騎士
​(Live '73)with Peter Gabriel​​​


・・・別に全部見ることはありません
「あ~あ、こういう(変)人ね・・・w」という事が分かった時点で
終了してくださいw

この時期のGenesisは、後のフロントマンとなるフィル・コリンズが
まだ一介のドラマーとして専念していた頃で
ボーカルのピーター・ガブリエルが中心人物となり
アングラ劇テイストのドラマティックなステージが話題を呼び
当時としては革命的として高い人気を誇っていました

Watcher-Skies-II-cropped
Peter Gabriel (画像参照: wikimedia)

時は移り変わり、十年後
コチラはマリリオンのステージです



Marillion - Script For A Jester's Tear
マリリオン - 一人芝居の道化師

コチラも全部見ることはありません
「あ~あ、こういう(真似)事がやりたいんだ・・・w」
という事が分かれば終了ですW

初代ボーカリスト「フィッシュ」が中心人物となり
ピーター・ガブリエルが在籍していた時期の
GENESISの様なサウンドとステージで登場し

80年代にプログロックを継承する
ポンプロックの覇者として知られる様になったのが
マリリオンの始まりでした。

Marillion, St.Albans City Hall, 1981 (5585375654)
Fish (画像参照: wikimedia)

・・・「フィッシュ」とか「スティング」とか「ボノ」とか
80年代音楽特有のワードが出てくるばかりか
しかも「初代」とか、じゃあ後釜はとか
何とも鬱陶しい限りかも知れませんがw

この時点で本家のGENESISは
ポップスターとしてブレイクしたフィル・コリンズが中心人物となり
新体制でポップなロックへと路線を変更していた事もあり

つまりは、時代遅れとなりもう本家がやらなくなった
ブログレッシブミュージックを継承して

ライブ活動を精力的に行いながら
数多くのファン作って行き

欧州のコアなロックファンの高い人気を得て来たのが
マリリオンだったという訳です。


80年代当時の日本では折しも英国で発生したヘビーメタルブーム
NWOBHM「ノウバム」 (New Wave Of British Heavy Metal)
の時流に乗ってデビュー・アルバムをリリースした事から

ヘビーメタルの括りで語られるバンドとして
日本のロックファンにも知られる存在となります

欧州でも人気ロックバンド「サクソン」の前座としてツアーに同行して
巨大ロックイベントに参加した経緯などから
同じ様にメタル系ロックファンの間からも人気に火が付き

マリリオンは欧州で人気ロックバンドの仲間入りを果たします。




▲目次へ▲
■詩の世界■


マリリオンのステージは観客が唄を一緒に大合唱する事でも有名で
他のロックバンドと比べてみても極めて珍しいと言えます


最近来日した時 日本のファンが余り歌わなくて
「日本が嫌いにならないかなあ~」と危惧する声が上がった程

Marillionのファンは、
音楽界でも特別な層と言えるものがあります。

日本の場合、
カラオケBOXという外界から閉ざされた
特殊な環境下ではマイクを奪い合って喧嘩をしても
映画館という公共の場ではおとなしく静かに観る

周りの目を気にする日本人の性質の問題があり

近年『アナと雪の女王』「みんなで歌おう」版で
唄っていると事情を知らない客に

「うるさいっつ静かにしろっつ」
と怒鳴られたという位

公共の場で唄う事が定着していない風潮に
欧米のファンの様に振る舞えない
要因がある様に思われます。


・・・話を戻しますが、w

これはマリリオンの作る楽曲が英国のファンの琴線に触れる様な
深い欧州の歴史を背景としながら
歌いやすい馴染みのある牧歌性を感じる造りになっている事と

英国では詩人として語られるカリスマボーカリスト
フィッシュの書く

戯曲のような格調高い創りの非常に物語性の高い
語り部の様に語られる

オーディエンスを歌わせる程の歌詞の良さに
理由がある様に思われます。


オリジナルアルバム3枚目となる (85)「過ち色の記憶」から
『追憶のケイリー』が英国チャートで2位を記録する大ヒットを飛ばし
名実共にMarillionは欧州の音楽シーンの
トップアーティストの仲間入りを果たしますが

4作目の (87)「旅路の果て」をリリースした所で
フィッシュとメンバーとの意見の相違が起こり

フィッシュはバンドを脱退するという事態が発生します。


中心人物を失ったマリリオンは存続の危機に陥り
バンドは解散寸前の状況へと追い込まれますが

残ったメンバーはバンドを存続させる道を選択、

新メンバーとして現在のボーカリスト
スティーヴ・ホガース を招き

新体制で初期の名盤『美しき季節の終焉 Seasons End』
をリリースします。


Steve Hogarth Marillion - by Grzegorz Chorus 06
Steve Hogarth (画像参照: wikimedia)


「なぬ~っつ!!!せっかくフィッシュというワードを覚えたのに
4作出して脱退してたとは何事かっつ!!!
いらない情報を書くなっつ!!!

と 遺憾に思われる方もおられると思いますが

・・・そういうブログですW


さて、

当初はフィッシュが去った事と
それに伴うボーカルの変化とサウンドの変貌に
当惑した音楽ファンも多く

フィッシュの脱退と共にMarillionのファンを辞めるリスナーも
少なくなかったのですが

ホガースがフィッシュ同様にMarillionのボーカルらしい
共に少年性を感じる声質の持ち主であった事と

多分に内省的で私小説的性質が濃く
人間の心理と「心」を描く
内へ内へと向かうフィッシュの詩に対して

ホガースがフィッシュとは180度違って、
社会問題を切り口に物語を生み出し世に放つ

社会派な詩の世界を持った人物だった事と共に

深く陰りのあったフィッシュの個性的な唄声とは違った
ロックボーカルタイプのパワフルでハイトーンな唄声で

現代社会にスポットを当てて
「今」の世に訴えかける語り口を持っていた事が功を奏し

新体制で挑んだMarillionの活動は軌道に乗り
新たなファンの獲得にも繋げて行きます


・・・この交代劇で起こった事の意味が今ひとつ掴めない方に
分かりやすく例えて言えば、

アメリカSFドラマの人気作「新スター・トレック」で
「X-メン」のパトリック・スチュワート演じるピカード艦長
日本語吹替え版の声優を
吉水慶 氏が担当していた所、

第3シーズンの序盤で家庭の事情から吉水氏が降板して
現在の 麦人 氏が担当する交代劇があり

声質が低く太い、パトリック・スチュワートの声に近い
吉水氏に対し

吉水氏とは似ても似つかない中音域にクセのある
麦人 氏の声は
当初は非常に違和感がありましたが
長年演じ続ける事で定着して行き

今やピカードの声と言えば麦人しか居ない
とまで言われるまでになった事と全く同じです。

この説明であれば十分
分かって頂けたかと思います(分かりません)


ちなみに「新スタートレック」の続きに当たる
ピカードのその後を描くドラマの制作が決定し
2019年に放送されるとの事で

トレッキーであれば注目すべき所でしょう☆

Patrick Stewart by Gage Skidmore
Patrick Stewart (画像参照: wikimedia)



・・・さて、

フィッシュ脱退後の新作となった
(89)「美しき季節の終焉」がリリースされた時、

フィシュの声とは似ても似つかない
ホガースの第一声を聴いてザワつかなかった音楽ファンは
誰一人居なかったと思いますが

ホガースの加入は結果として
フィッシュ時代から付きまとっていた
「GENESIS のパクリ」
長年謗られて来た事からの脱却と

現在のマリリオンの人気を決定付けた最高傑作
(94)『BRAVE』を生み出すまでに
バンドの方向性と性質を大きく変貌させて行きます。


ともあれ、
音楽に於ける「歌詞の良さ」というのは、
語っている内容が良いという事に加えて
歌詞が醸し出す「世界観」と

その詩を語るアーティストの「語り口」が
音楽の重要な要素になるという訳です。


□□□

ここで、
一口に「詩の良さ」「語り口」と言っても
良く分からないと思いますので

歌詞の世界に付いて説明しますが

「英詩」には、そういう言葉だけでは語れない
英語を母国語にした欧米人にしか分からない
言葉の持つ詩的な「ムード」というものがあり
それは歌詞の内容と同時に重要となる楽曲の要素でもあるので

少しでも「英詩」にまつわる問題の理解に繋げる為
歌詞に纏わるお話を掻い摘んで説明します・・・


まず歌詞の良さで評価されたアーティストは
歌詞が英語故に理解に繋がりにくい事から来る
昔から日本でのブレイクに繋がりにくいという

難点がありました

ロックの殿堂入りをした RUSHTHE WHO
欧米で人気のあった Thin Lizzy の様なビッグネームが
日本でブレイクできなかったのは

唄っている内容が唄からダイレクトに伝わって来ない
外国語による音楽だった事が大きかった様に思われます。


「日本語に訳された歌詞カードを読めば済む事だろう」
と思われるかも知れませんし
昔とは違い、今はかなりの人が英語を話し
欧米人との相互理解を図れる世の中には
なって来てはおります

しかし
英語がネイティブでは無い日本人には
歌詞を日本語に翻訳する事で「内容」は伝えられても

英語自体の言葉が持つ「ムード」や「イメージ」
それら全てを通して感じる「感動」までは得られない

真の意味での理解に繋がらない
「言葉の壁」という根深い問題が

未だ立ちはだかっています



加えて「詩人」と語られるアーティストの作品には、
普通のポップスの歌詞とは違い、

文学的な要素が多分に含まれている点が
理解に繋げにくい大きな要因のひとつと
なっています


この問題の要となるのは、逆に
欧米人が日本文化を理解する時を想像してみると
分かるのですが、


例えばこの季節柄、山下達郎を例にすると
『♪雨は夜更け過ぎに雪に』・・・まあ、往々にしてなりませんので・・・w


ノーベル文学賞を受賞した川端康成『雪国』を例にしますと


「国境の長いトンネルを越えると雪国だった」
という有名な一節が醸し出すムードの「コア」

島国である日本特有の狭い土地柄の風土を背景とした、
めくるめく様に移り変わる日本特有の「季節感」にある事を

日本人であれば誰もが容易に「エモーショナル」に理解できる所を


『Snow Country』という英語タイトルに翻訳された洋書で
「The train came out of the long tunnel into the snow country.

と訳された本文を読んだ、
​​​日本の​国土​​四季​を理解していない​欧米人​​​​が、


真っ赤なお鼻のトナカイさんと
白髭のサンタクロースが生息する
スカンジナビア半島辺りの北欧の雄大な
北極圏に近いフィヨルドの景色を想像したり

同じく米国人が、
カナダ辺りの雄大なロッキー山脈の山々を背景にした
雪がモッサリと積もった屋根の煙突から煙をモクモクと出す
ログハウスの住むアドベンチャーファミリーや

ミネソタに移り住む大草原の小さなインガス一家辺りの
絵面を想像するといった

往々にして川端康成の意図とは異なる
似て非なるイメージとなって伝わり
文化のズレが生じる事による「曲解」を生む所に

詩が持つムードを伝える為の
理解に繋げる上での埋まらない「溝」がある訳です。


例えばMarillionの場合だと
2012年にリリースされた
「創られざる音律 Sound That Can't Be Made」の収録曲に
『GAZA』『Montreal』という、

地名がタイトルになった曲があるのですが
日本盤を持っていないので自分で翻訳を試みた所

『GAZA』の方は
イスラエルによって軍事封鎖されたパレスチナの行政区画
「GAZA地区」を舞台に
極限の中で生活を強いられる一人の少年を唄った
18分の大作で

パレスチナ問題に関しては
池上彰の番組の分かりやすい解説で了解済みだったので

曲のクライマックスでは
「いつか誰かが手を差し伸べるべきだ」と合唱する
パレスチナ問題を訴える政治色の濃い楽曲だと言うことは
即座に理解できたのですが

『Montreal』の方もてっきり
政治問題か国家的事件をテーマにした楽曲と思い込み

「飛行機の中で200人の運命」「イギリスが失墜」
「faling into Montreal」などのワードが

国家の事情が絡んだ不幸な飛行機事故を思わせた為
その方向から内容を吟味したのですが

日記調に書かれた歌詞からは何も見えて来ず
それこそ投げ出す翻訳家の気持ちが分かったのですが・・・w

ある時、
ビリー・ジョエルの「ストレンジャー」に収録された
『イタリアンレストランで』や
「ニューヨーク物語」に収録された
『さよならハリウッド』や
ジャーニーの「Frontiers」に収録された『時への誓い』
などの

自伝的楽曲を思い出して

「アレと同じで、この日記の様な歌詞ってそのまま日記じゃね?」
とひらめいた時

パット・メセニーが「travels」という曲で
自分の生活が無くなる位に演奏旅行で世界中を旅して
ともすれば根無し草になるような音楽人生の中で
遠く離れた地から故郷への想いを曲にした様に

自主制作レーベルで活動を始めた2000年以降
祖国英国よりも支持の高い
欧州の国々へ演奏旅行を続けるMarillionが
メセニーと同じ境地で自分の人生をかの地に投影するといった

コンサートに訪れた思い出を
政治的な言及や社会風刺を絡めながら曲にしたという

アーティストが曲作りによく使う手法ではと
思った時、全ての合点が行った訳です。


ライブでこの曲をニコニコしながら
唄っていたホガースの理由も納得できる訳で


我が家でもささやかな「溝」に
足を取られていたという訳でした。

この曲に付いての詳しい解説はまたの機会にするとして・・・
(機会を作るつもりでいる)

という訳でMarillionのファン的には
『Japan』という曲を作って欲しいと願うわけでしたW




▲目次へ▲
■歌詞が難解■

プログレの歌詞は良く「難解」だと言われ、
「難解」であることがプログレの仕様の様に語られる事が多いですが

これは一つに、楽曲に文学的要素が多分に含まれている点と
もう一つは「英詩」という点に理由がある様に思われます。


前者は

アーティストが意図的に
音楽そのものを難解な構造にしている場合の他、
多くの場合欧州文学の馴染みのなさから
歌詞に書かれた事が理解できないというケースで

問題の理由も解決法もはっきりとしています。


これに対して「英詩」という点そのものに
理由がある場合ですが

これは先程「詩の世界」の中でも触れた様に
日本のアーティストが作詞でよく行う様な
「語呂合わせ」や「言葉遊び」が使われるといった
言葉のチョイスにある種の「世界観」が伴うものや

「グレイヘア」「ご飯論法」「そだね」のように
流行語大賞に入る様な文化的背景が含まれる言葉など

「単語」そのものが持つ「イメージ」や「ムード」が
見えてこない事で

言葉をチョイスした意図が掴め無かったり意味を取りこぼして
額面通りの翻訳になってしまった時に

意味不明になってしまう「弊害」から、
「難解」として片付けられるケースで

こちらは問題が根深い分多くは解決に至りません。


Marillionの場合は
正に (94)「BRAVE」の翻訳された歌詞カードの
全編に渡る意味不明さがそうでしたが。。。w

この辺りの洋楽の歌詞に関する詳しい事情に付いては
又別の機会に解説するとして・・・


マリリオンの様に「詩の世界」を一つの売りにして
ブレイクしたアーティストは

正に「詩の世界」を持った所に
日本ではブレイクしにくい要因があったという

皮肉があった訳です。




▲目次へ▲
■曲が長い■


確かに・・・w


プログレに付いて語られる大きな特徴として
「曲が長い」事が挙げられます。

ていうか、ウチのコノ記事も未だ曲紹介に至って無い程
文字数が多くて長いです(笑)


例えば、
マリリオンがインデペンデント化した後
久しぶりの日本版となった (2004)『Marbles』
収録曲と収録時間を見ると

【Disc one】
1.『The Invisible Man』 – 13:37
2.『Marbles I』 – 1:42
3.『Genie』 – 4:54
4.『Fantastic Place』 – 6:12
5.『The Only Unforgivable Thing』 – 7:13
6.『Marbles II』 – 2:02
7.『Ocean Cloud』 – 17:58

【Disc two】
1.『Marbles III』 – 1:51
2.『The Damage』 – 4:35
3.『"Don't Hurt Yourself』 – 5:48
4.『You're Gone』 – 6:25
5.『Angelina』 – 7:42
6.『Drilling Holes』 – 5:11
7.『Marbles IV』 – 1:26
8.『Neverland』 – 12:10

と、時間を見るだけで聴くのが嫌になる内容の
しかも二枚組という強力盤で・・・w

なにげに10分を越える曲が3つもあるし
Disc1の最後の曲に至っては殆ど18分という驚異の長さで

イギリスのチャートで17位を獲った
『You're Gone』というヒット曲を生んだ
大ヒットアルバムではありますが

聴くためにはある種の覚悟がいる造りになっている事は
確かで


コレがプログレ好きには堪らないご馳走
なっている訳ですW


この様に、
プログレの楽曲で語られる一つの特徴として
「長い曲」が多い傾向にある事は
間違いありません。


これはプログレ登場以前の音楽界のアルバム作りが
ヒットシングル以外の収録曲を「捨て曲」と呼んで
数合わせで収録していたのが通例だった事に対して
ロックアーティスト達が異を唱える様に

収録曲一つ一つに意味を持たせて
アルバム全体を一つの作品として捉えて
曲作りを行う様になった一環によるもので

その様に創られるアルバムを
「コンセプト・アルバム」と呼んでおりました


このコンセプト・アルバムの最初となったのがビートルズ
『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド』
だと言われています

その様な理念でアルバム作りを行ったのであれば
シングルヒット曲を中心とした旧来の仕様である必要は無く

1曲の収録時間も3分以内と制約しないで

描きたい内容に合わせた流動的な楽曲作りとなっていった所から
収録時間も自然と長くなっていった背景があったと
思われます。


さて、
フィッシュ在籍時のマリリオンの場合はむしろ
レコード時代ならではのA面B面に分ける仕様の問題もあり
短い楽曲の方が多かったのですが
それでも3分以上の曲が殆どでした。

しかし、
ホガースの参加後に時代がCD全盛となった事もあり
レコード時代のA面B面に分けての収録を考慮する
収録時間の制約を逃れ
アルバム全体を使っての制作が可能になってからは

新作を発表する度
10分を越える楽曲が普通に収録される様になるのでした。




▲目次へ▲
□プログレ・ファンへの10の質問□


ことさら私がプログレ・ファンを代表する程の
プレグレ好きなブログ主
という訳ではありませんがw

プログレ初心者の気持ちになって質問を投げかけて
自問自答(逆の意味で)してみましょう





1.(曲が長いと)演奏を間違えない?


間違えます(笑)

マリリオンに限らず、プログレの雄
ピンク・フロイドのデビッド・ギルモア
元ピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズのステージで
ゲストに招かれた時

ビルの10階の屋上位の高さがある巨大セットの頂上に立ち
名曲『コンフォタブリー・ナム』を演奏した時

高所恐怖症だからなのかどうか分かりませんが
ソロがぐちゃぐちゃになっていましたW

マリリオンは2011年のウイークエンドライブで
ギターのスティーブ・ロザリーが『No One Can』のソロの締めを
トチってましたし

それを冷やかしていたボーカルのスティーヴ・ホガースも

「マーブレスツアー」でのステージで
『マーブレス3』(※だったと思う)をアサッテのキーで唄い出し
演奏をストップしてやり直してましたW

そういうハプニングがあっても客がザワつかないで
ウケている所が・・・まあ、結構 ざわついてましたがW

マリリオンとファンとのアットホームなつながりと
一体感を感じさせるものがありました☆


これは、
フィッシュ時代もホガース時代も同様にMarillionの楽曲が

ピンク・フロイドなどの様なプログレバンドの多くに見られる
辛辣な切り口にリスナーを突き放す様な傾向がある事とは異なり

大島渚監督作品の様に、
それらには包み込むような大きな「愛情」を感じる所に
大きな理由がある様に思うのでした。



ちなみにこの『No One Can』は
山下達郎クリスマスイブ にソックリでw

クリスマスに聴くには丁度よい曲です~☆


Marillion - No One Can​ (1991)​
マリリオン - ノウ・ワン・キャン
収録アルバム『楽園への憧憬 - Holidays In Eden』





2.何となく作ってない?


作ってませんw


何となく作って曲は18分にもなりませんし
何となく作ったものは心ある音楽ファンなら見抜きます
・・・いや、耳で聴くから 耳抜きますっつ(※そんな日本語はありません)




マリリオンの骨頂は今も昔も
ドラマティックでエモーショナルに満ちた
揺蕩うような音世界にあります。

Marillionの音楽は映画音楽の様に聴こえて
BGMでは無い

何かを音楽で表現しようとして
楽器が別のものに聴こえる様になる、

ある印象を念頭に於いて演奏した事によって得る
「有機的な音空間」という印象があります


楽器音はアーティストの個性の現れですが
アーティストが音を「楽器音」と捉えているのか
「音で表現されたもの」と捉えているのかで

表現される音の印象が変化するのかもしれません。

例えば、
80年代に人気のあったフュージョンミュージック

洋楽全盛期な風潮の中で
音楽通な琴線に触れるミュージックとして

渡辺貞夫、高中正義、渡辺香津美、カシオペア、プリズム
など

当時の人気アーティストのアルバムが大ヒットを記録し
コンサートも大盛況で一大ブームとなりましたが

数年で求心力を失い90年を待つこと無く
ブームは収束します。

その後フュージョンミュージックはスムース・ジャズへと移行し
異なる客層の人気を得て行きますが

ブームの終焉の大きな理由のひとつとして
唄が無い事にあったと言われています。


そもそもフュージョンミュージックの造りの多くが

フレーズが出来るとメンバーでギグを重ね
アレンジを組み上げて仕上げると言った様な

はじめから何かを音楽で表現するために作られたものでは無く
音楽で音楽を表現した様な

スタジオ内でプレイヤーが即興で演奏して作り上げた音楽に
一般リスナーの理解が得られにくいという事情から

音楽的完成度が非常に高いジャンルだったとしても、

歌詞を書き相応しいメロディーを付け
的確なアレンジを施し
適任の歌手を人選してリリースされた楽曲とは違い

悪く言えばメンバーで何となく造って行った
「通」好みな音楽だった所に

一般リスナーの支持が得られなくなくなり
ブームが収束したという印象があります。


・・・逆にだからこそ、
「作り込まれた感」の無い「即興的」なスムースジャズが
音楽通に人気がある訳なのですが・・・



ちなみに、何となく作っていなくても

独立記念日に捧げる平和への祈りと
ベトナム戦争終戦後の反戦の思いを込めた
シカゴの名曲『サタデー・イン・ザ・パーク』を例に上げますと

印象的なピアノリフにマッチした歌メロによる
平和を感じる心地よい出だしが
問題定義を思わせる異なる展開によって途切れて
都会的喧騒を感じさせる賑やかな演奏で盛り上がり
臨界点に達した所で最初のピアノリフに繋がるという

コンセピチュアルな分散美が秀逸な楽曲で
短い時間の中で様々な場面が登場する
ミュージカルの演目の様な鑑賞感がある、
全米一位を成し遂げた大ヒット曲ですが

ピアノに乗ったロバート・ラムの唄に
突如別の曲がくっ付いた様にピーター・セテラの唄が横から割り込み
その後、違和感のある色んなパートがどんどん連なった
サビが無い曲の様に聴こえるチグハグな曲

という見方もあり、

それが狙いだとしても
音楽を武器にする当時の風潮に違和感を示す
穏健派の動きもあった事からも

その様な要因が幾重にも絡んで
この様な複雑な構成の曲が生まれたのかも

しれません。

・・・いや、耳で聴くから
耳方もありですっつ(※そんな日本語はありません)


Chicago - Saturday In The Park (1973)
サタデイ・イン・ザ・パーク
収録アルバム『シカゴV』








​3.(無許可で真似され)Genesisは怒ってた?


怒ってませんw(多分)

アノ人達は意外とそろばんづくな方々ですが
そんなにケ◯の穴は小さくありません。

そもそもジェネシス自体
81年にリリースした「アバカブ」
YMOのテクノサウンドをパクリしたっぽい内容でしたし

このアルバムでフィル・コリンズはコレまでには無い
テクノポップなドラミングにスタイルを変えて
プレイしておりましたので

Genesis自体あらゆる音楽を吸収する
柔軟性のあるバンドだったと言えます

ドラムのフィルインに至っては高橋幸宏のドラミングそのままだと
高橋幸宏自身が語っていたくらいです(確か)


それどころか、
ジェネシスのキーボード トニー・バンクス
フィッシュとコラボしてソロアルバムを作っておりますし

フィッシュはフィル・コリンズが脱退した後のジェネシスに
ボーカルに誘われて断わったという(確か)
未確認情報すらあります

まあ未確認なので
(文字数を更に増やす)余計な情報でした~www(・∀・)ヘラヘラ






4.Marillionってどうやって食べてるの?


2000年を越えた所で、Marillionが自主制作でCDを出す
という話を額面通りに受け取ったロックファンの
一部の中に

そういう考えを持たれた方もおられたみたいですが


一口に自主制作と言いましても
新宿ロフトに出演する一般リスナーの知らないライブバンドが
ビッグになる事を夢見てバイトしたナケナシの金を注ぎ込んで制作した
自主制作CDをインディーズで出すのとは

訳が違い


虎舞竜が自主制作で制作した『ロード』が
200万枚以上の売上を記録して
収益は全て三船美佳の元旦那の懐に入った事と同じで

これは
元々 本国英国より、周りの国に支持を受けていた
「ドーナツ化現象」により

英国メジャーレーベルの資本主義的マーケットの枠から
単に外れたというダケの話であり


自分たちを支持する周りの欧州の国々向けに
自主レーベル化した後は
メジャーレーベルの横槍や搾取を受けないで
全ての収益を手に入れている訳ですから


それこそ孫の代まで喰えてます




フィッシュが脱退してファンを辞めた日本のリスナーの中には
現在欧州で絶大な人気を誇っている事実を知らない方も多く

特に『アフレイド・オブ・サンライト』(95)でEMIとの契約が切れ以降
日本でこそポニーキャニオンから

『ディス・ストレンジ・エンジン -遠い記憶に-』(97)
『レディエイション』(98)を出してこそいましたが

メジャーレーベルからのリリースが困難になり
『Marillion.com』(99)では自主レーベルを立ち上げて
自主制作でCD制作をする事になってからは

U2の様にもBON JOVIの様にもRadioheadの様にも
アルバムを出す毎にサウンドが激変し
商業的に苦戦を強いられているという話を聞いて

マリリオン終わったか・・・と思い込んだリスナーの方も
おられるのでしょう

しかしその後、インターネットの時代となり

マリリオンはロック界でもいち早く
「クラウドファウンディング」に取り組み

集めた資金で『Anoraknophobia』(2001) や
『BRAVE』以来のコンセプトアルバムとなった
『Marbles』(2004) を発表し

EMIの様なメジャーレーベルを介す事無く
ネットを通してダイレクトにリスナーと繋がり
アルバムをリリース出来る環境を構築します

加えて、世界的にCDが売れない風潮になっても
大手契約時代とは違い「契約」という足かせが無く、

音楽の売上の全てが自分たちの資金となり
その資金を思うがままに使えるフットワークの軽さから

「マリリオン・ウイークエンド」と呼ばれるライブ・イベントを
世界中で開催し大盛況となり
音楽界での新たなビジネスモデルを生み出した
ロック・アーティストとしても

その後 再びEMIからの契約を取り付けるなど

マリリオンはメインストリームのアーティストが成し得ない形で
どこにも属さないどこにも群れない
新時代の孤高のアーティストとして

ビッグネームの仲間入りを果たすのでした☆



​​​つまりは、

80年代に世界進出が成功しなかった時期の矢沢永吉を知っていて
現在の日本で活躍する永ちゃんを知らない欧米のリスナー

「EIKICHI YAZAWA ッテ ホワ~イ? ドウヤッテ タベテル~ノ?

と聞くのと同じ心理だったという訳ですw






5.プログレ聴く人って皆頭良い?


私が聴いてる位ですので(逆の意味で)






6.プログレってオワコン?


オワコンという言葉自体がオワコンだと
もっぱらの噂です







7.X Japanってプログレ?


違います







8.ヒャダインってプログレ?


知りません







9.プログレって車はプログレ?


TOYOTAに聞いてください







10.プログレファンって変人なの?


知りません




芸能人の中でも有数なプログレマニアと謳われる
(スターレス)高嶋 政宏が最近『変態紳士』という本を出して
自身の変態ぶりをカミングアウトした事で話題となっているので

そう思われる方もおられるかも知れませんが

好きなアーティストのコンサートに行くのに
アーティストと同じファンションと同じ扮装をして
ハロウィン状態で出かけたり


大ファンのアーティストがツアーを始めたら
仕事そっちのけで北は北海道、南は九州沖縄まで
泊りがけで追っかけをしたり


視聴用、観賞用、保存用と
ひいきのアーティストの同じアルバムを
何枚も買ったり


周りの目を気にしないとか、非常識とか、ファッションセンスが変とか
他人に興味が無いとか、人とは違う行動をするのが好きとか
生き方が自由すぎるとか、執着心が凄いとか
激辛好きとか、朝歯を磨かないとか
笑いのツボが独特とか、クラスには必ずいる人気者とか


ナゴヤドームでファンと一緒になってチームを応援し
抑えの岩瀬が出てくる最高潮で興奮し
鼻血を出して気絶するドラゴンズファンとか


「このFenderムスタング良く出来てたから・・・」
と、楽器押しのフリをして
Amaz◯nで「けいおん!」のフィギュアを買って飾る
シニア男子とか


Amazonミュージックでマリリオンにハマって
大量文字のブログ記事をクリスマスに
嫌がらせの様に上げるシニア男子とか


変人はいろんな所におりますので
ことさらプログレマニアが変人という訳では無いと思います。

逆に、
変人でプログレマニアでしたら
アナタの街にも、居るのではないでしょうか☆





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■音楽解説■
△▼ △▼ △▼

Marillion - Easter (1989)​
マリリオン - イースター
収録アルバム 『美しき季節の終焉 - Seasons End 』


​​​​​​​​80年代PVと言えば
​​​​海で撮る踊るかでしたが
これは海で撮った事が不思議
ドラマティックに見える
​有数の曲でした​​​​​​​​​



中心人物のフィッシュが脱退し
解散の危機に立たされたマリリオンでしたが

新ボーカリスト、スティーブ・ホガースが加入し
起死回生で制作したアルバムからの
欧州でシングルヒットした

ライブでは会場が大合唱になる
第2期マリリオンの人気曲の一つです


という訳で今回のMarillion特集は
現在のボーカリストである

スティーブ・ホガースが加入してからの楽曲の幾つかを
ピックアップしてご紹介したいと思います。



・・・そうなのです、ここまでの大量文章に疲弊し
気が付いて無い方もおられるかと思いますが
この記事は

ここからが
​ようやく本番ですW​​





タイトルの「イースター」とは
1916年「イースター」の前日、アイルランドで起こった

長年に渡る英国から受けた弾圧に対する抵抗と
英国からの独立を目指した反乱

「イースター蜂起」を指した言葉との事で、

歴史的確執が続いた英国との関係に於いても
アイルランド史にとっても重要な
歴史上の出来事と言われています。


夏は涼しく冬は寒くない
穏やかで住みやすいアイルランドの平穏の影には
弾圧と抗争の血塗られた歴史があり

現代人は歴史から何を学ぶべきなのかを問いかけながら
人の営みと壮大な歴史のロマンに思いを馳せる

アイルランド民謡をベースに仕上げた
楽曲になっており


フィッシュ在籍中、文学的表現を深く掘り下げてきた
過去のマリリオンに対して
フィッシュを失った今、何が出来るのかを
自ら問いかけるマリリオン自身を投影した様な、
内容にも捉えられる所が

興味深い楽曲でもあります。


本作の歌詞はホガースが担当しましたが

マリリオン的にはフィッシュに匹敵する文学性を
あらゆる人材を駆使してなんとかして継承しようとする思惑があり

まだまだ未知数だったホガースに加えて
ジョン・ヘルマーが外部のライターとして起用されました

それらは外部に目を向けての取り組みだった事から見ても
かなりの危機感を持っての決断だったという印象を受けます



本曲を唄うスティーブ・ホガースは
ハイトーンな声質のパワフルなボーカリストなのですが

少し舌足らずで喉を絞った様な唄声のクセのある声の持ち主で

ジャーニーのスティーブ・ペリーの様に
天をも突き抜けるようなカタルシスを感じる様なタイプとは
明らかに違う事からも

聴いた感じで好き嫌いが分かれる声ではあります。

これに付いては前任者のフィッシュも同様で
2メートルの巨漢の持ち主らしいパワフルな声の持ち主でしたが
ピーター・ガブリエル似で耳に残る声色の

そうとうクセのあるボーカリストでしたので

GENESISともフィッシュとも違う声質の
唄声にクセのあるホガースの参加は

それだけでMarillionのサウンドを激変させました。

これまでのMarillionは
「GENESISのマネ」と揶揄されながらも

フィッシュが欧州でも有数な詩人と称される人物だった事で
作品は正当な評価を受けていた事から

言ってみればMarillionはGENESISに似ていた所に
一つの骨頂があるバンドだったと捉える事が出来ます。


従って、新ボーカリストのホガースが加入した事で
サウンドを一新したMarillionは

新たな一歩を踏み出すと共に
実績がありながら新人バンドと同じ立ち位置となる
イバラの道を選んだ事になるのですが

この非常にリスクの高い決断は
後の大傑作アルバムの誕生に繋がって行くのでした。





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​Marillion - Cover My Eyes (Pain and Heaven)(1991)​​
マリリオン - ​カヴァー・マイ・アイズ​
収録アルバム 『楽園への憧景 - Holidays in Eden』


​U2っぽいですが・・・
何か?​​




本曲は、

Marillionのアルバム中、最もポップな作品と謳われる
『楽園への憧景 - Holidays in Eden』から

米国進出を狙ってのキャッチーな楽曲で占められた中でも
非常にキャッチーな作りとなったシングルヒット曲です。


この曲は元々、ボーカルのホガースが加入前に活動していたユニット
「How We Live」 時代に作られた『Simons Car』というタイトルの
「ビッグ・ジェネレイター」を出した時期のYESの様なサウンドをした曲を
再アレンジして収録した楽曲で

叙情的でウェットなサウンドのマリリオンには無かった
快活なロックナンバーに仕上がっております。


本曲は、
中心人物だったボーカルのフィッシュが去った後、
方向性が定まらなかった時期に

EMIから売れる方向で楽曲の制作を強いられた事が如実に分かる程の
非常に軽快なポップナンバーに仕上がり

これまで、
深みのあるサウンドと文学性の高い歌詞で人気を得ながらも
常に「Genesisのマネ」という誹りが付いて回って来たMarillionとしては

図らずも「脱GENESIS」となった新境地を迎えた楽曲となりました。

一方でコアなプログレファンはMarillionらしくない仕上がりに

『GENESISのマネを止めたら今度はU2か』とでもなったのか
本作を境に見切りを付けたと言われてますが

Marillion史上最もポップでキャッチーな楽曲で占められた事によって
新たなファンを獲得する契機となったアルバムとなりました。


ただ時代は
「オアシス」「ブラー」の様な
オルタナティブなサウンドのインデペンデント系や
「ケミカル・ブラザーズ」の様なテクノ系ハウス系が
主流になろうとしていた時期だった事もあり

分かりやすい勢いあるサウンドのメインストリームのアーティストとは違い
欧州ロマンを思わせる陰りと深みを感じるサウンドのMarillionは

欧州でのヒットとは裏腹に、米国進出は叶わなかったようです。



この曲の内容ですが、日本盤を持っていないので
歌詞を独自に訳してウチの解釈で解説しますと・・・


歌詞の中に「病棟で微笑む少女」とか
「スピットファイアが落ちる映画」とか
「湿原の風の小説」とか
「オープンカーで追い越す」とか

勢いのあるサウンドをバックに
様々な表現で「女性」を表す意味不明な言葉が出てきますが

何かの映画や小説に出てくるヒロインの事を
語っている様な感じがあるので

本曲とは、これらの表現で一般人には手の届かない
「彼女(嫁)にしたい 高嶺の花の女性」の事を語った
楽曲なのかもしれません。


ボーカルのホガースが「♪おうおおお~~~~」と
スキャットをやってる様に聞こえるサビのパートでは

実は「Pain and ~ He~aven♪」「痛みと天国」と唄ってますのでw

「現実と想像」という様な
そんな女性と過ごしたい想像と、そんな女性は居ない現実という
「愉しい想像は痛い妄想」という様な事を言っているのでしょうか


この曲が出た1991年は
携帯電話が出始めた頃でしたが

欧米でインターネットが普及する直前の時代なので
ネットビジネスでの新たなスタイルにいち早く着目してきたMarillionが

目まぐるしい勢いで変化する時代の渦と
発展するネット社会を見越して

それらにのめり込む人々と社会の光と影を描いた
楽曲なのかもしれません。

或いは、
再び音楽界という巨大な海原に乗り出したMarillionが
時代の変化と大きな流れに身を委ねる不安と、
その中での新たな発見の歓びを唄にしたのかも

しれません





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Marillion - You're Gone (2005)​
マリリオン - ユアー・ゴーン

収録アルバム『Marbles』


​まさかMarillionが
ダンスチューンを
ヒットさせる日が来るとは・・・​




本アルバム『Marbles』は日本でも久しぶりのリリースとなり
(94)『BRAVE』以来のコンセプトアルバムとなった事でも
話題となったアルバムで

発売当時は、
Marillionのサイトから購入出来る2枚組完全版と
一般発売されたシングル・アルバムと呼ばれる1枚組通常版との
2バージョンがリリースされた事でも

色々と話題になった作品でした。

特にシングル・アルバムの方は2枚組完全版に対して
曲数が少ないだけではなく曲順を変えて収録したものだったり

後にMarillionはシングル・アルバムの方を進める様な言及をしていたり
ライブでもシングル・アルバムでの曲順で演奏するなどで

何かとファンの間で物議を醸した作品でもありました。


本曲は、本国イギリスチャートで
フィッシュ時代の全英2位の大ヒット曲『追憶のケイリー』以来の
全英7位という快挙を成し遂げた大ヒットシングル曲で


突然大きな栄光を失った後に、今は暗闇の中に居ても
栄光の中にあったという誇りと
それはまだどこかにあるという希望を

突然去った恋人の事を唄う様に人生の光と影を描いた

メジャーレーベルと決別しインデペンデント化した
当時のMarillionの胸中と境地を投影した様な
Marillionとしてはシンプルな内容のヒット曲となりました。


このアルバムは『BRAVE』の時の様に
一つの物語になっているわけではなく

子供の頃夢中で集めていつの間にか無くなった
大好きだったビー玉の事を回想しながら

巨大な栄光を失う喪失と
暗闇で光を感じながら再生への希望を描く
『Marbles』という4編の小曲を挟んで

それぞれの楽曲と繋がりを持たせて

ラストの「ネバーランドには誰も行けない」と唄われる大作
『Neverland』がクライマックスとなる構成になっています

アルバムを通した全体的なサウンドは、
ビートルズ風のものやBON JOVI調のものなど
Marillionの演奏の「巧み」さが発揮され
多彩なものになっているので

初心者でも比較的入りやすい内容になっています

又、
21世紀に入りオルタナティブ路線やUKロック路線などに
サウンドを次々と変化させてファンを当惑させてきたMarillionが

ピンク・フロイド色を強めたサウンドで
久しぶりにネオプログレの雄としての健在ぶりをアピールした事でも
話題となったアルバムでした

一方で
アンビエント・サウンドが秀逸なバンドにありがちな
今ひとつ実体に欠ける、掴みどころのない曲調が多い所が
ある意味「Marillionらしい」所でもあるアルバムでした。



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Marillion - The Party (Out of Season) (1991)​
マリリオン - 狂おしき宴 ザ・パーティー

収録アルバム『楽園への憧景 - Holidays in Eden』


言う程
ポップなアルバムではありませんW



本曲は、先程も解説したMarillion史上最もポップなアルバムと謳われる
『楽園への憧景 Holiday in Eden』に収録された

孤独な女性が妖しい集まりに誘われるがままに堕ちていく様を
現代のデカダンスとして描いたドラマティックな楽曲で

社会問題に着目し現代に巣食う人の心の闇を浮かび上がらせる
Marillionの最高傑作 (94)『BRAVE』へと繋がる

新たな詩人スティーブ・ホガースの才能が開花し
新生Marillionの真骨頂となった曲でもあります。




これまでの、
重厚で欧州文学的要素の高い深みある表現ながらも
内省的で私小説要素の濃かった
欧州歴史ファンタジーの世界観を持った歌詞を
演劇口調で語るフィッシュ時代の楽曲に比べると

スティーブ・ホガースの作詞による楽曲は
社会問題にメスを入れる「今」を描く内容となり

欧州文学的深みと重厚感が影をひそめた分、
精神面に於いてダークな深みが増し

現代におけるダークファンタジーの世界を
音楽で体現するバンドへと変貌して行きます


本曲は、
歯車が一つ狂うと何かも崩れ落ちて行き
全てを失った事にも気付かなくなる位に
麻痺した状態になる、
病んだ社会と現代人の心の闇を

心の奥底に響く語り口で
ドラマティックに描いており

逃れられない運命を嘆く様なサビのスキャットの後
「男は言った、まあとにかく・・・」と切り出す歌詞の内容から
主人公の様な孤独な人物は一人では無く大勢居る事が発覚する
衝撃のラストまで

場面が浮かび上がる様なエモーショナルな演奏が堪能できる
ナンバーになっています。


この様な、これまでのマリリオンに無かった
社会にメスを入れるホガースの曲作りの手法が
次作で最高傑作となった『BRAVE』で開花する事になります。


他方で、
この様なある種の「退廃」を描いた楽曲は
フィッシュ時代にも存在した
マリリオンらしい内容とも言えるのですが、

アルコール中毒者が酒から抜け出せ無い
藁をも掴む退廃的な心理を描いたアルバム『旅路の果て』が

Marillionに居る限り「Genesisの影」から抜け出せない
フィッシュ自身の藁をも掴む苦悩を投影した様な内容となった様に

その様な曰く付きなMarillionに加入したホガースが
「Marillionを継承する」という重責を担い
引きずり込まれる様に抜け出せなくなる何かを感じて
この様な曲を作らせたのかも

しれません。





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Marillion - Pour My Love (2012)​
マリリオン - ポア・マイ・ラヴ

収録アルバム 『創られざる音律 - Sounds that Can't Be Made』


​​​王道なのにありがちでは無い
正に ​創られざる音​​​​






2000年に入りオルタナティブ路線やアコースティックの再録アルバムなど
プログレとは異なるタイプの作品をリリースしてきたMarillionが
2012年に再び王道のプログレッシブロックアルバムを発表し

日本でも久しぶりの日本版の発売となり話題となった
「創られざる音律 - Sounds that Can't Be Made」より

18分の超大作『GAZA』から表題曲へと続く
ポリティカル、自己啓発路線から一転し


アルバム中唯一、外部のライターのジョン・ヘルマーを起用し
社会をスケッチする写実的タッチのホガースの持ち味とは違った
内省的で文学的な表現で

しおれた花のようにもたげた心に
しとやかな雨の様に愛を注ぎ
打ちのめされた者の傷ついた心を癒やす
慈悲に満ちた心を描いた珠玉のバラードナンバーです



Marillionの音楽は映像の様にイメージが拡がる
エモーショナルでアンビエントなサウンドに骨頂があり

時に助長とも思える程 言葉の様に語りかけてくる演奏に
音楽的特徴があるバンドですが

プログレのひとつの特徴に「バラード曲の美しさ」があるのも

王道だからこそ良くある凡庸な演奏になりがちな定番音楽を
あえてストレートに演奏し感情に訴えかけるという、

Marillionの様なエモーショナルな演奏をするバンドが、
楽器の音ではない何かになった
「創られざる音」で表現する所に理由があるのかも

しれません


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Marillion - Sounds That Can't Be Made (2012)
サウンズ・ザット・キャント・ビー・メイド - 創られざる音律

収録アルバム 『創られざる音律 - Sounds That Can't Be Made』


進撃の音楽​​​​​​



リリースされた2012年当時、
プログレッシブロックに回帰し久しぶりの日本版発売となり
話題となったアルバムからの表題曲で

ドラマティックで壮大な演奏が圧巻の
Marillionらしいタッチの重厚なメッセージソングです。


重厚なシンセ音を高らかに響かせながら
進撃する様な演奏にのせ

「いつか誰にも作ることが出来ない「音」を演奏する
その「音」は地球上には無い、アナタの中にある「音」だ」
と語りかけ

超大作『GAZA』での
「いつか誰かが手を差し伸べるべきだ」と訴えた後に続く
自己啓発を促す連曲として作られた作品とも取れ

ラストのギターの感動的なテーマで
ドラマティックに幕を閉じる

ロック・ミュージックの領域を軽く凌駕した
エモーショナルな非常に聴きごたえのあるナンバーになっています。


メジャーレーベルとの契約を切られ
メインストリームとは隔絶された中で
自主制作レーベルを立ち上げるなど独自の活動を続け
長年音楽界で苦戦してきたマリリオンが

ネットの時代を追い風に
業界ではいち早く「クラウドファウンディング」を取り入れ
ライブで成果を出すという
音楽界に於いての新たなビジネスモデルを打ち出した事で

一度は見放したメジャーレーベルが
再び契約を持ち出すまでの立場となり

メインストリームから離れた立ち位置での活動を確立させる
有数なアーティストへと変貌して行く中で
原点回帰とも言える本作の様なアルバムを制作したのは

Marillionにとっては必然な行動だったと言えます。


言ってみれば本曲自体が

今の音楽界に所属していては決して生まれる事はない
培われた視点で

売れる事を前提にした音楽の限界を指摘し
現代社会の矛盾と将来あるべき人の姿までを予見した

今の音楽界には「創られざる音楽」という事だったのかも

しれません。





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​Marillion - The Great Escape (1994)​
マリリオン - ザ・グレイト・エスケイプ

収録アルバム 『ブレイブ』


目眩く音世界・・・


マリリオン最高傑作でロック史上に於いても名盤と謳われる
『BRAVE』から
クライマックスを飾る荘厳なナンバーです

アルバム「BRAVE」は
英国の高速道路M4に掛かるセヴァーン橋で彷徨う
記憶喪失の身元不明の少女が発見されという
実在の事件を元に制作されたコンセプトアルバムで

語り部が語る少女の物語で曲が進行し
クライマックスの『ザ・グレイト・エスケイプ』で
少女の人生を辿りながらいつの間にか
語り部と少女の人生が交差し

少女とシンクロした語り部の語る真実から
少女の心の闇の深さと少女に何があったのかが
明かされていき

ラストの『メイドアゲイン』で
少女の人生を追い辿り着いた境地は
闇から逃れた生まれ変わった自分だったという

少女によって救われた孤独な語り部と
孤独な人間を救えた少女の

喪失と再生の人間ドラマを通して
孤独な人間社会の深い闇をえぐり出す
壮大な作品となっています


さて、
ロックファンの間でも当時からこの作品の歌詞は難解だと評判で
アルバムに添付された歌詞の対訳を読んでも

内容が一向に掴めない点に於いて
プログレ+難解=名盤という
やや曲解された評価をされた作品でもあったのが
本作だった訳ですが・・・

正に、先程解説した
英詩の弊害の骨頂がここにあった訳なのです。


つまり、「BRAVE」で描きたかった事を理解に繋げていく事が
プログレの真の姿に迫る事にも繋がるという訳で

ここでは「BRAVE」のクライマックスとなる
『The Great Escape』の内容を
すこしばかり紐解いて見たいと思います。


このアルバムの対訳を担当した方は
フレディー・マーキュリーの本や
ヘビメタ関係の貴重な本の出版に携わる
ポップスロック系に明るい女性翻訳家の方で

まだまだロックに市民権が無かった時代から
ロックに関わってきた
いわばロックファンの守護天使の様なヒトなので
悪くは言いたくは無いのですが・・・



とにかく『BRAVE』の歌詞カードの翻訳は最◯でした。。。w






・・・さてw
ここで又ウチの解釈を書きますが、
「解釈」とは言ってもコレはあくまで単なる解釈に過ぎませんので

この解釈に対しての論議は平にご容赦する様お願いするとして・・・w

この曲は大きく分けて3つのパートで出来ております。


最初のパートは 静かなバラードの様にスタートし
最後の時が近づいてくるような演奏をバックに

語り部は
家族による虐待を受け非行に走り浮浪者となり、
犯罪にドラッグにと、生きる為に罪を重ね
世の中を憎悪した末に
醜い世界から潔く去る決断をした少女を
称える様に憐れみながら

実は何かにすがっている事を看破します


ここでの最初のパートの歌詞の
「自動的オーバーロードに向かって」
という意味不明の対訳が足を引っ張りますがw

原語では
「Heading for the automatic overload」
直訳して ”自動過負荷の見出し”

これを意訳すると

宇多田ヒカルの「Automatic」に倣うと
”自分から自発的に世の中の全ての闇を背負い込んで”
になるので

これは精神世界を舞台にした話とも取れる事から

この世の全ての闇の権化の様になった少女が
月の高さ位ある深い闇の場所から脱出を図り

・・・これは『エイリアン3』リプリーが取った行動
みたいな事を指すのでしょうか・・・

単身身を投げ出して闇を葬る行為に対して
勇敢である・・・という

本作の『BRAVE(勇敢)』の本当の意味が見えてきます。



次のパートでは
演奏は激しいギターの咆哮で一転し
感情に訴えかける語りで

孤独な語り部が知り得なかった
世の中に潜む、消えない闇の深さの根深さに迫っていきます。


アルバムの表紙は世の中の全てを憎悪するような
少女の顔のアップに、アンネ・フランクの日記の一節が
オーバーラップさせたビジュアルで

何かに閉じ込められた様な狭い中で世界を見てきた様な
何かを睨んでいる様で何を睨むべきか分かっていないという

本作の少女の心の闇が表現されており

幼い頃から虐待を受け続けてきた挙げ句
自分を痛めつけないと生きている気がしなくなっている少女に向かって
痛めつけるんじゃなくて自分を守るべきだったと

語り部はいつの間にか自分の事を語るような口調で
歌詞は恫喝します


最後のパートは、解釈が難しいのですが
歌詞を意訳すると・・・

イカロスでも空から山に落ちてあれ程の事になるのに
少女の心の闇は月の高さから落下する位に
あまりにも深く高すぎた為

橋から飛び降りる位では低すぎた(から少女は死ななかった)

後に橋で発見され家族に保護された後に
心の闇から開放された・・・のかどうかまでは分かりませんが

それは語り部の自分も
月から落ちる位の人間だから分かるのだ・・・という
少女がなぜ橋で発見されたのかという理由が浮かび上がり

孤独な語り部との人生と交差して
全てに合点が行くように「MOON!」と悟り

ラストでボーカルのホガースがした
下にスーッと落ちていくパフォーマンスに
繋がるという


社会問題を未曾有の人間ドラマで描いた
ロック史上に残る楽曲でした。




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Marillion - Beautiful (1995)​
マリリオン - ビューティフル

収録アルバム 『アフレイド・オブ・サンライト』


美を貫く決意表明


最高傑作『BRAVE』の次作で
コンセプトアルバムでは無い、小品揃いの作品ながらも

実在の人物をモデルに、栄光と挫折の物語と
人生の光と影を描いた楽曲が収録され話題となったアルバムから

Marillionらしいエモーショナルに満ちた演奏で紡いた
シングルヒットとなった楽曲です


本曲は、作詞のスティーブ・ホガースが
世の中の現実を辛辣な切り口で看破した後、
ストレートに価値観を問いかるスタイルでの

美しく、正しく生きる事のリスクと
その決意を世に問う

ホガースが曲作りで好んで使う手法の
最骨頂とも言える楽曲で、


頂点を体験した達成感の高揚の中にありながら
後に訪れる苦難を予見した様な

この時点のMarillionの心境が
投影された様な楽曲で占められたアルバムでの

答えのない命題を世に問いかけながら
自問自答する形で決意の表明をした
楽曲でもあります。


この様な珠玉のバラードが生まれるのも
後にメインストリームと決別しイバラの道を進む事を共に選ぼうとも

どんな苦境も共に乗り切り
どんな難題な音楽も共に表現できる仲間達が集う、

「Marillion」という唯一無二の音楽的環境の中で
音楽活動をし続けているからであり

その様な美しい音楽を生み出す環境を守り続けようとする
Marillionの決意が聴き取れるナンバーになったのだと

いう事なのでしょう





と言う所で終了です。


それでは 最後に『創られざる音律』から

18分に渡る超大作『GAZA』を聴きながら
クライマックスでは
♪Someday surely someone must help us!!!!

と大合唱しながらお別れしましょうWWW


それでは素敵なクリスマスをお過ごしください☆

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Marillion - Gaza
マリリオン - ガザ
収録アルバム『創られざる音律 - Sound that can't Be made』





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最終更新日  2020年07月08日 20時19分43秒
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