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カテゴリ:驚
今日は朝から変な天気である
晴れていたと思ったら雨が降り出してきて、また晴れ間を覗かせている そんな繰り返しである 郵便局に私用があるので昼休憩の時に出かける 空模様はどんよりとしていた 念のため傘を持っていく 橋を渡り、運河の対岸にある郵便局へ 用事を済ませたころ、雨が降り始めた 風も強く吹いている さしている傘が風で煽られる そして、行きに渡ってきた橋にさしかかった時である 数十分前とその光景は変わっていた 雨が降るなか、あまりにも風が強く吹きつける為に、通行人が必死の思いで渡っているではないか 運河沿いに植えられている柳の枝は、何かに取り憑かれたかのごとく、枝を振り乱していて、風の強さを見せつけている ♪行きはよいよい、帰りは怖い~ しかし、この橋を渡らなければ、ものすごく遠回りしなければ帰れない そんな時間はない 決死の覚悟で、いざ橋へ 自分の身体にたたきつけてるかのように、風が吹きつける 自分では真っ直ぐ歩いているつもりでも、風に流されて真っ直ぐに歩けない いつしか、手に持つ傘は、雨から身を守る為ではなく、風から身を守る為に、風に向かってさしていた 傘を押し退けようと吹く風は止めどなく吹き、一瞬の隙をも与えてはくれない 橋の途中では、戦いに敗れて無惨にも散っていった傘たちの残骸があちこちに見受けられる 大人の自分でもこれだけ身体が揺さぶられるのだから、子供や女性は恐怖すら感じるのではないだろうか 全長160メートルちょっとの橋ではあるが、渡りきるまでこれほど長く感じたことはなかったのだった 橋のたもとでボサボサになった髪や濡れた服を整えていると、橋を渡る為に二人の通行人が自分の横を通り過ぎていった 一人は老女、もう一人は中年の男性である お婆さん、大丈夫なのだろうか? 見ていると、腰の曲がったお婆さんは、傘を抱えながら、小さな身体をさらに丸めて小さくなりながら一歩一歩歩いていた 横風に煽られているその姿を見ると、なんとも痛ましい光景である さて、もう一人の中年の男性はというと、くわえ煙草に折りたたみ傘を持っている 今から待ち受けている恐怖を知っているのだろうか? 案の定、渡ってすぐに洗礼を受けることとなる 風に煽られ、折りたたみ傘は壊れてしまった その姿を見てから、自分は橋を後にした…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月06日 09時11分18秒
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