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カテゴリ:怒
なぜ人は人を欺くのだろうか
自分さえよければいいという私利私欲の為に欺くこともあれば、自己防衛の為の場合もある 漠然としていた不安が現実のものとなった 以前からライバルの同業者から嫌がらせを受けていたが、今回、利益の面で大きな打撃を受ける問題が発生した かねてより今回の件では相手は根回ししていたらしく、見事策略にはまってしまった それだけではなく、仕掛けてきた同業者に追従する者が出た そのスタッフは「相手のやり方は汚い」と言って常日頃自分に言っておきながら、いざ蓋を開けてみれば相手側に身を翻したのである 我が社の社長は、仕事を取られたうえに、スタッフから裏切り者が出た事にショックが隠し切れない様子で、疑心暗鬼に陥っていた 皆には、仕事が減り売上面で厳しくなることの事実のみを話した それ以外の話は推測に過ぎず、いたずらにスタッフの間に不安感を覚えさせるだけだからである それらのことはお構いなしのように、その鞍替えしたスタッフは今日最後の日に電話で「お世話になりました」と挨拶してきた それが本心の言葉なのか、腹の中であざ笑っているのかは判らない 信じろと言っても、立ち振る舞いから察するに信じられるわけがない 自分は、あまり人を信じない なんて悲しい人?と思われるかもしれない 人は誰しも嘘をつく 決して思っていること、本音ばかりを話しているわけではない 人は大なり小なり、感情を押さえて自分を押し殺していると思う だから、人を純粋に信じることなんて間単には出来ない それゆえに、自分の事を信じてもらおうとも思わない 自分も奥底では何を考えているかわからない罪深い人間だからだ やっぱり、自分は悲しい人間かな… そのスタッフには「お元気で」と、何も裏事情を知らないフリをして労いの言葉を投げかけた 最後に、 『いいように利用されないでね』と、選択した道へのこれからのエールと精一杯の皮肉の意味を込めて… ライバル同業者から電話があったと、スタッフの一人から打ち明けられた あいにく、そのスタッフは仕事中に携帯電話を持たない主義なので仕事終わりに見たのだそうだが、僅かな時間の間に8回もの着信履歴が残っていたという 「どうしましょう?」と言うので、「掛けてみれば?」と自分 一体相手は何を企んでいるのだろうか? 触手を伸ばしてきているのは、気の弱そうだったり、言うことを聞きそうな者ばかりにである この物語に出てくる登場人物は敵味方を欺くのが下手というかなんというか、それだけに露骨で性質が悪い そんな小癪な手段ばかりとる相手を、ただ哀れにしか思わない自分であった それから、どんな電話の内容だったかは自分からは聞いていない 興味が無いし、相手の手中にまんまとはまるのが目に見えている 現に、あれ以来そのスタッフの様子が何処となくぎこちないのが証拠である しかし、そのことは社長にも誰にも言わず、自分ひとりの胸の内に収めた いたずらに面白半分で掻き乱しても何も始まらない それこそ相手の思うツボだ 今は、厳しい現状をなんとかしなければいけない まだまだゲームは始まったばかりである 楽しむ余裕がなければ、負けてしまう… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月06日 08時24分47秒
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