|
カテゴリ:勤
ニワトリの鶏冠(トサカ)に似ていることから名前がついた、『鶏頭(ケイトウ)』
花の姿は鶏冠に見えなくもないが、自分は脳の形にしか見えない ちょっと押し潰された丸型といい、シワシワ感といい、脳そのものである (実際の脳を見たことはないが) そんなグロテスクな見た目だからというわけでもないが、自分は鶏頭の花が好きではない 和をモチーフにしたものであれば、花材として使うが、それ以外は登板回数は少ない 友人の結婚祝いに贈りたいとのことで、花束の注文を受けた お客様のご要望は、“可愛らしく” “可愛らしく=ピンク系”という無難な考えで、ピンク系と紫系の花材でまとめていく アクセントとして、オレンジ色の花が欲しかったので、淡い橙色のガーベラを取り上げた すると、あろうことか花にカビが発生していて、使えるものがなかった 他にオレンジ色の花材は…… と探すも、あいにく適当なものが無い ようやく見つけたのが、オレンジ色の鶏頭 一昔前までは、鶏頭といえば毒々しい赤色が主流だったが、今はオレンジやピンクといったものもある 自分が嫌いな鶏頭 色の取り合わせ的には問題はないが、どっからどう見ても脳にしか見えないこの花を、ブーケに入れて、果たして可愛らしい感じに仕上がるのだろうか? カワイイ筈がない だって、花束の中に脳が入っているんだから しかし、そこで思った 数日前、街を歩いているときに、花束を抱えて歩いている男性を見かけたときのこと そういうシチュエーションに遭遇したとき、職業柄、どんな花束なのか目がいってしまう さりげなく花束に視線を向けると、自分が絶対花束には使用しないであろう花材を使っていた お客様がその花を使ってほしいと希望したのか、作り手のセンスなのかは知る由もないが、その花束を見て、センスが良い悪いは別として、軽いショックを覚えた 自分は、知らず知らずのうちに、固定概念に囚われた遊び心のない花選びをしていたのではないかと 好きな花を使うも嫌いな花を使わないのも、それは自己満足に過ぎず、必ずしもお客様が望んでいるものとは限らない もっと、柔軟性と可能性を持って、取り組んでもいいのではないかと 従来の自分からすると、いささか抵抗を感じたが、オレンジ色の鶏頭を取り上げ、組んでいるブーケの中に… どう? う~ん…悪くはないんだけれど、好きじゃない (だから自分の好みは聞いていないって…) 自分が自信がないものをお客様に差しだすのは、些か抵抗があったが、お客様は、 『まぁ可愛らしい』 と、ご満足の様子 そうですか? いいんですか? 実に花の世界は奥が深いですな… 自分のセンスにちょっと疑問を持ちはじめている今日この頃です 鶏頭の花言葉 【色褪せぬ恋】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月14日 07時33分50秒
[勤] カテゴリの最新記事
|