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カテゴリ:青
6月の初めに蒔いた朝顔の種
本来であるならば、芽が出てきたところで移植しなければいけなかったのだが、仕事の忙しさに感けて、そのままにしてしまった 土から一斉に顔を出した、長い眠りから目が醒めた芽たちは、狭いプランター内でひしめきあうようにして、育っていく 懸命に伸びようとする芽たちを見て、間引くのも忍びないと、そのままにしておいたがために、十分に栄養が行き渡らず、上へ上へと伸びていく蔓のものもあれば、横這いに伸び、そのまま力尽きてしまった蔓もあった やがて、いくつもの朝顔の蔓は、我先にと支柱に絡みつくようにして伸びていき、支柱の長さをも越えるほど伸びると、まるで支えを探して彷徨うかのごとく、天に向かって蔓の先をうねらせていた 一見すると、順調に育っているように見えるのだが、そこには朝顔の花の姿は無かった 幾度かごくごく小さな蕾を見かけることがあっても、その蕾は花を開かせることなく朽ちてしまう それもこれも、小さなスペースでひしめき合うように生育をしてしまったがゆえのこと 今改めて読み直している曽野綾子氏著『天上の青』をきっかけに、その存在を知り、ずっと植栽することを夢見ていた朝顔“ヘブンリーブルー” それは、実に遡ること15年前の話 15年目にしてようやく種を蒔いたというのに、自分の不徳のいたすところで、花を見ることは諦めていた ところが、昨日の早朝、出かけるまえにたまたま裏庭に出たところ、1輪だけ朝顔の花が咲いていたのを見つけたのである 青くきれいに澄んだ朝顔 それは、まさしく“ヘブンリーブルー”だった 咲いてくれてありがとう あなたのことは忘れません その青さ、この眼にしかと焼きつけました その美しさ、胸に刻み込みました その誇らしさ、生きるヒントをもらいました 今日この出会いは、永遠のものになりました そして偶然にも、昨日出かけた富士山麓にある花の都公園でも、ヘブンリーブルーの朝顔を見ることができた 朝顔というと、蔓を上へ這わすイメージが強いのだが、そこは蔓は地を這うようにしており、地面いっぱいに青い花を咲かせていた 丁度見頃を迎えていたということもあり、その光景は、さながら朝顔の湖のように見えた 和名を“そらいろあさがお”と呼ぶその朝顔は、その名のとおり、青空を思わせる綺麗な空色をしていた 見ていると、なんとも清々しい気持ちになる 長年その花姿をこの眼で見る事を夢みていた自分としては、感慨も一入でその朝顔を見入った その美しい空色の朝顔と同様、自分の心の中も澄み切った青空のように晴れ渡っているのであった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年09月05日 19時12分18秒
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