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カテゴリ:騒
17時に仕事を終えると、急いで新宿コマ劇場へと向かった
開演は18時 与えられた猶予は1時間しかない 結構ハードなタイムスケジュール 携帯電話で、電車の乗り継ぎを調べると、順調に行けば、開演の10分前には劇場に到着することができる が、1本でも指定の電車に乗り遅れたりしたら、まず開演時間に間に合わない というのも、今日は友人と舞台を観るのだが、チケットは自分が持っているのである 遅刻しては申し訳ないと、入念に乗り換える電車と時間を叩き込んで、劇場へと向かった 幸いにも電車は定刻どおりに到着 週末の夜ということもあってか、新宿駅の改札口は混雑していて、なかなか駅から脱出することができなかったが、夜の新宿の人込みを掻き分け、なんとか当初の予測どおり、開演10分前には新宿コマ劇場に到着することができた 辺りを見回すが、友人らしき人影は見えない その友人は今日は早く仕事が終わったとの事で、先に劇場で待っている筈なんだけれど… 日本でも有数の歓楽街だけあって、すごい人込みのなか、キョロキョロと眼を配るが、やはり友人の姿はない 実は、今日待ち合わせしている友人は遅刻の常習犯 もしや?と、携帯電話を鳴らすも繋がらない 最悪なんですけどッ! 開演5分前… 劇場の係りの人が、外で待ち合わせている人々に向かい、「間もなく開演です」と声を挙げる 気ばかり焦るが、友人は一向に現れない 不安から、感情は徐々に苛立ちへと変わっていく 胸に一抹の不安を覚えながら、ダイヤルを押す 「ただいま電話に出ることができません…」 感情の無い淡々とした女性のアナウンスの声が、自分の耳に空しく響いた 17時57分… 17時58分… 時間は無情に過ぎていく… 今日の観劇は、そもそも友人が希望してのものだった 座頭市の舞台が面白かった!という話をすると、友人が“ぜひ自分も観てみたい”と言い出したのである とはいえ、舞台といえばチケットは高額 今回の座頭市の公演でいうと、S席は12000円である 舞台をよく観にいく自分としては、それが当たり前の金額であるが、舞台を観たことがない、しかも年がら年中金欠を叫ぶ友人にしてみれば、それはそれは高額である 「いくらまでなら出せる?」 と、その友人に訊くと、 「5000円までなら」 と答えた 5000円なら、一番安いB席のチケットなら購入することができるが、一番安い席なだけにかなり後ろの席なので、舞台全体の雰囲気を味わうにはいいかもしれないが、役者さんは小さくしか見えない 哀川翔氏や阿部サダヲ氏といった、出演者の顔触れで観に行きたいと言い出した友人の為にも、少しでも良い席で見させてあげたい とはいえ、自分がチケット代を肩代わりするような余裕もない さて、どうする? そこで自分がとった手段はオークションである チケットが取りづらい千秋楽の舞台や最前列の席など、高値を見越して出品する人もいれば、なかにはチケットを購入したものの急用などで行けなくなってしまい、出品する人もいる それが、観劇の日程が迫っていれば迫っているほど、出品者の方もチケットが紙屑になるよりは…ということで安価で出品されることが多い そんな公演チケットを狙った オークションがダメだった時は安い席で観劇しようと、気軽な感覚でいたので、気張ることなく挑んだ その結果、幸運にも定価の半額の代金でS席のペアのチケットを落札することができたのである オークションは、互いの顔を窺い知ることができない、信用だけで成り立っている取引なので、時には痛い目に遭うかもしれないのだが、幸いにも自分はまだそういう目に遭ったことがないので、たまに利用させてもらっている 今回も、出品者の方は非常に丁寧な方で、日にちが迫っていたにもかかわらず迅速に対応していただいて、今日の観劇となったのである 舞台を観たい!と言い出した友人の為にチケットを用意したのに、遅刻とはどういう訳? これが最後…と、ダイヤルを押すと、思いが通じたのかようやく繋がった その時はまだ、まさか友人の口から恐ろしい言葉が出ようとは思いもしなかった 自分「今、どこ?」 友人「え?自分の家」 はぁ??? 何言うてンの? ありえないんやけど 良くも悪くも期待を裏切らないというか、なんというか、ビックリだよ、ホント 自分「舞台、18時開演なんだけど」 今度は、友人が驚く番のようだった 友人「えっ?19時開演じゃないの?」 自分「もう始まるよ…」 友人「ゴメン!急いで行く」 そこで電話は切れた 劇場の受付に、連れが遅れる旨を伝えてチケットを預けると、客席へと向かった 舞台中央の席 役者さんも見え、舞台全体も見回すことができる良い席である 幕が開いた… この舞台を観たがっていた友人の姿は、横にはなかった ほんと、何をしているんだか… ガッカリだよ 舞台は始まっているというのに、いつ友人が来るか気になって、舞台を楽しむどころではない 少なくとも19時前には劇場に来るつもりではいたのだから、1時間以上遅れることはないだろう と、舞台を観ながらも友人のことを考えていたのだが、やはり面白い舞台なだけに、そのうち舞台に集中していた 舞台の進行からして、40分程経った頃だったろうか 係員の人に連れられて、友人が客席にやってきて、席につくなり、申し訳なさそうに頭を下げると、観劇し始めた 幸いにも、まだ物語の筋となる部分が動き始めたところだったので、途中からでも話は把握することはできる 友人も舞台の面白さに惹かれたのか、ただただ黙って観劇していた 一幕終了後、友人に遅刻したことを咎めたのは言うまでもない でも、軽いジャブ程度にしておいた 折角観劇しにきたのに、お互い嫌な気分になることはないからね 座頭市は、今日は2回目の観劇であったが、ほんと面白い! もう1回観たいぐらい 前回の観劇時は、だいぶ前の列だったので、役者さんの表情ばかり眼で追ってしまったが、今日は舞台全体の雰囲気を楽しんだ 照明が効果的に使用されていて、実に美しい視覚の世界が映し出されていた 観る位置や角度によって、こうも作品の印象が変わってくるんだねぇ やはり舞台は1回だけではその作品が持つ魅力を計り知ることはできない 面白い作品は何回でも観たいが、とはいえチケット代がね… そうそう、今日観た回は、雑誌か何かに載せるのか、終始カメラマンの方がわりと自分の客席の傍で舞台を撮影していた で、気になったのがシャッター音 静かなシーンになると、カシャ、カシャという音がすごく気になったんだよねぇ 気にしないようにすればするほど、耳の神経がそちらに向いてしまう 自分って、注意散漫なのかな!? 自分が面白いと推した舞台を友人はどう思っているのか?ちょっと気になるところではあったのだが、観劇後の開口一番「面白かった」という言葉を聞いたときは安心した それは、初めて観る舞台を楽しんでもらえたという安心と、自分のセンスは他人とブレていないのだという二つの安心からなるものだった また一緒に舞台観に行く? いやいや、もう懲り懲りだよ 舞台は一人で観にいった方がいい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月19日 12時18分07秒
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