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あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

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2008年09月03日
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一昨年の早春、祖父が他界した
突然昏倒したかと思ったら、その日のうちに亡くなってしまったのである
その死はあまりにも呆気ないものだった
亡くなった祖父当人も、唐突に訪れる自身の最期を予期していなかったのか、遺言状は残していなかった
このことが後々、サスペンスドラマ顔負けの骨肉の遺産相続争いに発展しようとは、親族一同思いもしなかったのである…

祖父はお金持ちということではなかったが、多少の土地を持っていた
それが財産ということになるのだが、我が家は複雑な家庭環境にあり、物語の登場人物たちは一癖も二癖もある連中ばかり
遺言状が無かったこともあり、遺産相続の分配に関しては、相続人全員の受諾が無ければならないのだが、皆が皆欲の皮を突っ張らせて強欲になるものだから、祖父が亡くなってから2年が経とうというのに、一向に解決の目処は立っておらず、現在も審議中である
それでも、遺産分配のため、駅前の土地だけは処分することが決まった

我が蕎麦屋のお品書き
その駅前の土地には一軒の古びた蕎麦屋が建っている
祖父が開店させた店だ
親族経営ではあるが、他に2店舗店を構えるほどで、電話帳には一応本店と記されている
店は母も手伝っていたので、自分も幼い頃はよく店に遊びに行っていた
調理場に入っては、その当時は大好きだった“なると”を、周囲の目を盗んではつまみ食いしてたっけ
これはお世辞でもなんでもないが、うちの店が出す蕎麦は結構美味しかった
調理場の奥には大きな機械があり、粉から蕎麦を作っていたのである
麺のつゆはかなり濃いめ
ビックリするくらい、ほんと濃い!
でも、そんな濃い口の味が自分は好きだった

ある日のことだが、とある俳優さんのインタビュー記事を目にする機会があった
その俳優さんは、近くに住んでいて、数年前まで頻繁に蕎麦を食べにきてくれていた
記事は、自分が住んでいる街を紹介する…といった内容だったのだが、そのなかで、うちの蕎麦屋のことが取り上げられていて、
『つゆがすごく濃いけど、それが美味しい』
と、語っていたのである
その記事を目にしたとき、ちょっとだけ嬉しくて、何度も何度も文章を繰り返し読んだものだ
それにしても、皆、うちの蕎麦のつゆは濃いと思っていたんだね

祖父が亡くなってからというものの、一度も暖簾が掲げられることはなかった店は、今月中に取り壊されることとなった
今はただ、その時が来るのをじっと待ち受けているかのように、静まり返っている
こうして店の前に立っていると、祖父が築き上げた歴史が散り、そして、あの濃~いつゆがもう二度と味わえないのかと思うと、寂しさとやるせなさがこみ上げてくるが、それらの思い出は、自分の記憶のなかにいつまでも生き続けることだろう







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最終更新日  2008年09月10日 06時51分14秒
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