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カテゴリ:舞
世田谷パブリックシアターで公演中の舞台『江戸の青空』を観劇
あの文七が、五十両もの大金を芝浜で落としてしまったからさあ大変! 人気落語の登場人物が入り乱れてのメタフィクションな大騒動 お人好しで見栄っ張りの江戸っ子たちが繰り広げる人情コメディー どうぞ最後までお付き合いのほどを (公演チラシより) 「芝浜」「文七元結」「御神酒徳利」「井戸の茶碗」「柳田格之進」といった、いくつもの名作落語を絡み合わせて1つの物語としてまとめている 自分は落語はまったく解らないのだが、素直に楽しめた 名作落語ということで、エピソードの一つ一つが面白いし、それらの話が実にうまく絡み合っているからだ 大金を落として落胆する者、大金を拾って舞い上がる者、大金に振り回される者、大金のせいであらぬ疑いをかけられる者… 50両という大金をめぐって、悲喜交々の人生模様が描かれている 舞台に登場する人物たちは皆、生きることに不器用だが、心根が優しく義理と人情を大事にしている そんな人びとは愛おしく、人間の温かみがじんわりと伝わってきた 人が人を思いやるという優しさに包まれたせいか、観ていてとても気分が良くなった 主演の西岡徳馬氏をはじめ、どの役者さんも役にピッタリはまっている 特に、須藤理彩氏のはじけっぷり、吉田鋼太郎氏の軽妙洒脱さ、松永玲子氏の飄々とした演技が強く印象に残った アドリブなのか計算されているのかわからない演技が多々あり、演じている役者さん達がすごく楽しまれていて、その空気が客席のこちらにまで伝わってくる この舞台と客席に隔たりが無い感じ、好きだな 巧みな話の展開、役者さんの好演もあり、舞台からは江戸の匂いをプンプン感じる自分であった 今日の夜の公演は、本公演終演後に、出演者の方々によるアフタートークがあった 参加したのは、須藤氏、吉田氏、植本潤氏、柳家花緑氏、戸次重幸氏、蘭香レア氏、もう一人の方はお名前を失念、の7人 植本氏の司会進行のもと、進められていく まだ初日の幕が開いて4日目ということもあってか、舞台の思い出の話しになってもあまり盛り上がらず そこで、なぜか「無人島に一つだけ調味料を持っていくとしたら?」という舞台とは全く関係のない話題に… 醤油、マヨネーズ、酢、ゆず胡椒…と挙がっていくなか、柳家氏が答えたのは「いちごジャム」 かなり意表を突いた回答でした さらには、「カレーライスに欠かせない具は?」と、これまたどうでもいいような話題に… きのこ、じゃが芋、チキン、こま切れの肉…と続いて、またしても柳家氏が珍答を披露 「具ではないけど、カレーライスには味噌汁が欠かせない」と言ったのだ いちごジャムに続いて、共演者の方からブーイングのようなざわめきが起こったのは言うまでもない 柳家氏、噺家さんだけに、笑いを取りに行ったのだろうか? と、なんだか世間話のような展開でアフタートークは終了 舞台だけでなく、役者さんの素顔も垣間見ることができて、二度美味しい観劇となった 北九州芸術劇場Produce 『江戸の青空―Keep On Shackin』 世田谷パブリックシアター 5月24日(日)~6月7日(日)まで 出演/柳田格之進…西岡徳馬/お久…須藤理彩/千代田卜斎…吉田鋼太郎/くず屋清兵衛…中村まこと/山坂転太…植本潤/おさき…松永玲子/萬屋源兵衛…松尾貴史/善六…柳家花緑/勝五郎…戸次重幸/文七…小西遼生/お兼…蘭香レア/お絹…いとうあいこ ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月19日 09時48分56秒
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