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カテゴリ:舞
仕事を終えると、観劇の為に東銀座まで車を飛ばした
今日観る作品は、新橋演舞場にて公演中の『ガブリエル・シャネル』 ファッション界に燦然と輝き続ける巨星ガブリエル・シャネル その栄光と、挫折と、愛情の物語… ファッションデザイナー、ガブリエル・シャネルの波乱の人生を、ミュージカル仕立てにした作品 激動の時代のなかで、自分の思うがままに奔放に生きた彼女の生涯を3時間弱にまとめているので、駆け足で進んでいく感じは否めない また、現代や過去を行ったり来たりするので、場面構成がちょっと複雑のように思えた とはいえ、その限られた時間のなかで、シャネルの複雑な生い立ち、夢、希望、成功、挫折、晩年の寂しさといったエピソードがうまくまとめられていて、彼女の揺るぎない信念と前向きな生きざまには大いに感銘を受けた シャネルのことを知らない自分でも、シャネル初の香水“No.5”が誕生する秘話や、大企業として成長したシャネルが労働者のストライキによりビジネスを閉鎖するシーンなど、有名なエピソードが登場するので、彼女について殆ど知識が無い自分でも、楽しめることができた タイトル・ロールのガブリエル・シャネルを演じるのは大地真央氏 やんちゃな幼少時代から、晩年までを一人で見事に演じきる 恋に仕事にと、全盛期が華々しい人生だっただけに、晩年の末路はあまりにも寂しく、その人生の悲哀感が大地氏の身体から滲み出ていて、見ていてなんとも切なかった いくつかある歌のシーンも、さすがはミュージカル界の第一線で活躍されている方だけあって、見事 特にラストシーンで歌い上げる「私のスタイル」は秀逸で、自分の身体のなかに熱いものが迸った 大地氏の女優魂を見せつけられたような気がした シャネルが心を寄せる男性、アーサー・カペルを演じるのは今井翼氏 “タッキー&翼”で人気が高いジャニーズのタレントさんで、彼がお目当てなのか、劇場には沢山の若い女性が観劇していた さてさて、こんな事を言ったら失礼かもしれないが、正直言って、大地氏の相手役に今井氏はちょっと若すぎるのでは?と思ったのだが、舞台を観ていて、一切そんな違和感は無かった 大地氏が若々しいことは勿論なのだが、それ以上に今井氏が大人っぽくてビックリ! 立ち居振る舞いやセリフ回しなど実に堂々としていて、見ていて実に頼もしかった 他の共演者の方々も実に華やかな顔触れ 高橋惠子氏は、その場にいるだけで華やかな雰囲気を醸し出す 葛山信吾氏は物語の進行を務める狂言回し的な役どころを見事に担い、新境地を見せた 升毅氏は、女性に裏切られた途端に掌を返す嫌な男性という損な役回りなのだが、その嫌味っぷりのなかにどこか憎めないところもあって、男の悲哀さを巧みに覗かせていた 音楽のナンバーもどれも良く、ほんと素敵な作品だった ガブリエル・シャネルの晩年は寂しく、どんなに成功を収めても、最後に待っているものは悲壮感だけなのか?と思ってしまうと、なんだか生きていく望みが失われてしまうような気がする それでも、彼女の信念を貫き通した人生を垣間見たことによって、自分も生きることに対して少しは希望の光のようなものが見えたことは事実である 自分には、ガブリエル・シャネルのような信念は無い 大きな夢や希望も特にはない けれども、自分は生きている 決してつまらない人生を送ってはいない 一日一日大事に生きる ある意味、“懸命に生きる”ということが自分の信念なのかもしれない 新橋演舞場7月公演 『ガブリエル・シャネル』 7月3日(金)~27日(月)まで 出演/ガブリエル・シャネル…大地真央/アーサー・カペル…今井翼/ミシア・セール…高橋惠子/エドワール…葛山信吾/エチエンヌ・バルサン…升毅/アドリエンヌ…彩輝なお/ディミトリー大公…平岳大/セール…ジェームス小野田/アントワネット…華城季帆 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月19日 09時54分57秒
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