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カテゴリ:舞
忙しいとは言いつつも、観たい舞台があればなんとか都合をつけている
今日も仕事を終えると、観劇のために渋谷へ 今回の作品も観劇を楽しみにしていた一つである “ねずみの三銃士”第2回企画公演『印獣』 「印税生活してみませんか?」 そう書かれた招待状を手に山奥の洋館に集められた3人の作家 仕事の内容は、自らを大女優と名乗る長津田麗子の自叙伝 「芸能生活45周年を記念して出版したい」とのこと しかし、長津田麗子という女優の存在など誰も知らない 初めは断ったものの、監禁されたうえに高額の報酬に魅せられ、半ば嫌々ながらも唯一の資料を元に麗子の半生をでっち上げていく 3人は、なぜ長津田麗子から指名されたのか? 長津田麗子の狙いとは? 自叙伝が出来上がるにつれ、意外な真実が浮き彫りにされていく… (公演あらすじより引用抜粋) 公演のチラシには、 “今年度最高の「え~~~~っ!?」が聞こえるかも” なんて書かれていたが、それは嘘ではなかった 度肝を抜かれた 何にって!? それは、本作品の主演を務めた三田佳子氏 今までにない役どころに挑んだのだ まず冒頭の登場シーンからしてインパクト大! ドレスに身を包み、歌いだしたかと思いきや、ラップ、さらにはギャグまでかます それをいかにも真面目そうな表情で顔色ひとつ変えずに演じるものだから、なんとも可笑しい 三田氏からは到底想像もできないパフォーマンスに、ビックリというか唖然… それからも、ランドセルを背負った少女、剣劇役者、戦隊ヒーローの悪役の着ぐるみ人形を着て客席を歩いたりと、七変化を披露 まだそこまではなんとか見られるが、訳のわからないアドリブ演技を強要されたり、はてまたは後輩の役者さんからメガホンで頭を幾度も殴られたりと、舞台上の三田氏はいじくられっぱなし 初めこそは意外な姿に目を見張っていた自分も、懸命に必死に演じようとする三田氏の姿が気の毒のように思えてきてしまった とはいえ、やはりラストのスポットライトを一身に浴びての堂々たる佇まいは大女優の貫録 色々な意味で女優・三田佳子の女優魂を魅せつけられた舞台となった “ねずみの三銃士”こと、生瀬勝久氏、古田新太氏、池田成志氏は、監禁される作家という役どころ 次第に追いつめられていく心理の過程が実に巧みに表現されていて、観ているこちらにまで緊迫感が伝わってくる 狂気に走る岡田義徳氏、意味不明な言語を操る上地春奈氏も役のうえで魅力ある個性を発揮していて、少ない出演者ながらも、濃密な世界観を作り上げていた 「印獣」の脚本を手掛けたのは、宮藤官九郎氏 ドラマ・映画・舞台と数々の話題作を世に送り出している方だ 今作品は展開がまったく読めず、次第に明らかにされていく真実の積み重ねに唸り、全てが繋がったラストには、その巧みな構成に見事にやられた 一人の女の激動の人生、追いつめられていく人々の混乱と崩壊… なかなか重たい内容で観終わったあとにズッシリとしたものが自分の心のなかに残ったが、とっても見応えのある作品だった PARCOプロデュース “ねずみの三銃士”第2回企画公演 『印獣~ああ言えば女優、こう言えば大女優』 PARCO劇場 10月13日(火)~11月8日(日)まで 出演/長津田麗子…三田佳子/飛竜一斗…生瀬勝久/浜名大介…古田新太/上原卓也…池田成志/児島…岡田義徳/上地…上地春奈 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年11月24日 17時05分39秒
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