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カテゴリ:舞
東京の観光地として有名な浅草
今日は日曜日ということもあって、仲見世通りは沢山の人で賑わっている その人混みを縫うようにして行き着いたのは、浅草公会堂 お芝居を見物します 劇団若獅子公演『籠釣瓶 吉原百人斬り』 顔面に大きな痣をもつ男 幸せになりたいと願うその若者が、吉原で一人の遊女と出会ったことから運命が狂いだす 偽りの愛に見た、哀しみと凄惨に塗れた末路とは… この作品は、江戸中期の時代、江戸の大遊郭・吉原で野州の百姓佐野次郎衛門が実際に起こした事件を元にしている 即死者38人、重軽傷者90余人と伝えられ、当時の大事件であった その事件を題材に、歌舞伎「籠釣瓶花街酔醒」、新国劇「花の吉原百人斬り」といった作品が誕生し、度々上演されている 今回の舞台『籠釣瓶 吉原百人斬り』は、それらの作品を元に新たに脚色された 今年の3月、青山劇場で関ジャニ∞のメンバーの一人である安田章大氏が座長を務めた「カゴツルベ」という作品を観劇した その作品がとても面白かったので、同じ題材を扱っている本作品を観ようと思ったのが観劇のキッカケ ところが結果的には、話しの元が同じでも、演出や役者陣、展開などによって、こうも受ける印象が違うのか…と思った 劇団若獅子による「籠釣瓶」は、とにかく硬い印象を受けた この劇団が舞台上に醸し出す空気がそう思わせるのかもしれない 役者陣の顔触れがかなり年配という事もあって、一人ひとりの芝居には味や重みがある 演技に落ち着きがあり、見ていて安心感はあるものの、如何せん華やかさが足りない 物語の主人公・佐野次郎衛門は青年という設定でありながら、演じるのは還暦を過ぎた笠原章氏 その青年が恋する遊女役を演じる女優さんはお世辞にも美しいとはいえないし、所作も不慣れな様子 役のうえで説得力が感じられないところに、肝心の二人の関係も十分に描かれていないため、観ていてどこか空々しい それでも、“吉原百人斬り”というくらいだから、最後の殺陣に期待していたのだが、これも肩透かしを喰らった 愛するものの裏切りを知り、狂気に満ちた笠原氏の気迫は感じられる ところが迫力がない 見せてはいるけど、魅せてはいないのだ 人を斬りつけたとき、嘘でもいいから効果音があれば盛り上がるものを、まったくの無音なので場に緊迫感が生まれない ラストの殺陣は折角の見せ場であるもののスピーディーさに欠け、最後の最後まで自分のなかで盛り上がることはなかった 堅実ではあるものの作りが硬かったせいか、観終わったあとには、ドッと疲労感を感じるのであった 劇団若獅子公演 錦秋公演 『籠釣瓶 吉原百人斬り』 浅草公会堂 10月31日(土)~11月3日(火)まで 出演/次郎左衛門・新三郎(二役)…笠原章/お辰…淡路恵子/お源…光本幸子/勇五郎…中田博久/おせい…南條瑞江/岩橋太夫…中條響子/玉鶴…仁科仁美 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月02日 18時30分09秒
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