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カテゴリ:舞
今日は母を誘って観劇
『友情 秋桜のバラード』 “あなたに友達はいますか?” “あなたは友達に何をしてあげられますか?” 命の大切さ、生きることの素晴らしさ、友情の尊さ、本当の勇気とは… 白血病の少女と、クラスメイト達の友情の物語 「友情~秋桜のバラード」は、演劇を通して骨髄移植についてのPRを行っている作品 平成11年11月の第1回公演から数えて11年目、再演を重ね、上演回数は357回を数えている 今年は銀座博品館劇場にて、1月から2ヶ月にわたって公演 物語の中心となる生徒役はダブルキャスト、教師や両親といった大人の役は4つのグループに分かれて公演を行う 自分は、宮下裕治氏が教師役を務める、2組バージョンを観劇 白血病治療のため、北海道から転校してきた島崎あゆみ ある日、クラスの問題児である森山信一と口論となり、あゆみはナイフを向けられた しかし、あゆみは毅然とした態度で、こう言った 「死ぬことなんて怖くない。どうせ私はあと1年か2年で死ぬんだから!」 動揺する信一とクラスメート そこで初めて、担任教師の野本が皆へ、あゆみが白血病であることを告げる 月日は流れ、薬の副作用であゆみの頭髪はすべて抜け落ちてしまう そのことで、人との交わりを拒み始めるあゆみ 見舞いに来てくれた級友とも顔を合わせることはなかった そんな折、クラスメートはあゆみを励まそうと、中学最後の夏休み、三浦半島への旅行を計画する はじめは渋るあゆみだったが、参加することに けれども、やはり髪の毛のことが気になって、なかなか素直に楽しむことができない そんなあゆみを見た信一は、あゆみ一人を残して、クラスメイトを集めてどこかへ行ってしまう 戻ってきた皆が取った意外な行動とは…!? テーマは重々しいが、とにかく若者達が溌剌とした演技を見せてくれるので、場が重くなることがあまりない 副作用で髪が抜け落ちてしまったあゆみを気遣い、男子女子問わずクラスメート全員が丸坊主になる… この作品の見せ場といっていいほどのシーンでは、思わず涙が零れてしまった 友情っていいね… 演じる役者さんたちは、役作りのために、実際に頭を丸めているのだそう いやはや、作品に対する意気込みを見せつけられました 若者達を中心に舞台は進んでいくのだが、要所要所でベテランの俳優の方々が作品を支える 今回が初舞台となる宮下裕治氏は、どこか堅さを感じさせるものの、実直な教師を好演 あゆみの母を演じた新井晴み氏は、娘をやさしく包みこむような母の情愛を巧みに表現し、涙を誘った 中学生が抱える心の闇として、人種差別や義父による性的虐待など、悲劇性を強調するような話を詰め込みすぎている感は否めない 作品も“死”という悲しい結末を迎えるわけだが、観終わったあとは、不思議と暗い気持ちにはならなかった とにかく生徒達の前向きな気持ちが作品全体から伝わってきたからなのかもしれない 終演後は、生徒役の子たちがロビーでお客さんをお見送り 頭を下げての 「ありがとうございました!」 という言葉が、実に清々しかった そんななか、我が母は、生徒役の一人の少女の頭を撫でていた どうやら皆が鬘をつけていると思っていたらしく、それを母は確認したかったようだ 何してるんだか… 骨髄移植についてのPRを行っている作品だけあって、芝居を観ながら、知識も得ることができる なかなか勉強になった ただ残念なことに、驚くほど客席の空席が目立った 半分も埋まっていなかったような気がする 友情、命の尊さ、骨髄移植と、メッセージ性の強い作品なだけに、より多くの人に観ていただきたい 愛のヒューマン劇場 『友情 秋桜のバラード』 2組バージョン 銀座博品館劇場 1月19日(火)~2月1日(月)まで 出演/野本信吾…宮下裕治/島崎悦子…新井晴み/島崎保…天宮良/森山正一…伊吹剛/森山勝江…三浦リカ/島崎あゆみ…佐藤葵/森山信一…藤村直樹/川井光雄…つまみ枝豆 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月04日 09時15分50秒
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