|
カテゴリ:舞
観劇のために新宿へ
初めて訪れる紀伊國屋ホール 古びているというか、なかなか歴史を感じさせる空間は、ほぼ満席の状態 観る前から否応にも期待感が高まる シス・カンパニー公演『えれがんす』 シンクロナイズド・スイミング界の開拓者 フィギュア・スケート界の重鎮 高得点をたたき出してきた鬼コーチたちの、点数のつけられないひそやかな日々 我が身に幸運をもたらすのはどっちか!? (公演チラシより) 題名といい、ポスターといい、どんな作品なのかまったく想像つかない そんな状態だったので、幕開きの渡辺えり氏と木野花氏によるコテコテの漫才には面食らった ????? 一体どういう作品なんだろ? シンクロ、そしてフィギュア・スケートの鬼コーチとして名を馳せた真紀子とあい子は、持ち前のキャラクターから漫才師として第二の人生を歩む 初めこそ順調な出だしだったものの次第に翳りが見え始め、新たな人生を模索する あい子はスポーツクラブの経営に乗り出したが、失敗 物件は裁判所によって差し押さえられ、明け渡しを命じられていた その最後の夜、スポーツクラブに、親友の真紀子、あい子の妹・れい子、スポーツライターの宮らが一堂に介す 宮が連れてきた一人の青年、原悦太郎 その青年から、女三人は驚愕の真実を突きつけられるのであった… 人付き合いをしていくうえで、本音ばかりをぶつけることはなかなかできない やはり言葉を選ぶし、そこには当然のことながら遠慮もある 親友、兄弟… 親しい間柄ならなんでも容易く言えそうな気もするが、逆に、だからこそ言えない場合もある 昔は華々しい日々を送っていただけに、今の状態が惨めで情けない その苛立ちをついつい周囲に向けてしまう 本当は素直になりたいのに、意固地ゆえかなかなか素直になれない大人たち 人間の弱さ、脆さを思い知らされた作品 この作品では、とにかく渡辺えり氏のパワフルさが、自分のなかで印象に残った 声の通りの良さはバツグン! 役柄のせいかもしれないが、どこか憎めない愛すべきキャラクターで、すっかりファンになってしまった クスッと笑って、ホロッと泣く… 生きているとほんと色々なことがあるけれど、前向きな気持ちになれる作品を観終わったあとには、自分の心のなかに一筋の明るい陽が差し込むのであった シス・カンパニー公演 『えれがんす』 紀伊國屋ホール 1月29日(金)~2月14日(日)まで 出演/鶴岡真紀子…渡辺えり/川上あい子…木野花/川上れい子…梅沢昌代…/宮優…八嶋智人/原悦太郎…中村倫也/イ・スミン…コ・スヒ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年03月07日 17時24分33秒
[舞] カテゴリの最新記事
|