山崎豊子の「大地の子」を読んだ。
中国残留孤児が、さまざまな差別を受けながら、なお中国人として生きていく姿を描いたものだ。NHKでドラマになったこともあったらしい。
その姿にも感動するけれど、
それより中国という国のすさまじさに圧倒された。
作者は事実をもとにして書くことを非常に重視しており、
胡主席の特別許可にもとづく取材もしているので、
ここにでてくる中国の姿は限りなく、真実に近いのだろう。
そう思ってみると、日本人から見たときに中国と言うのはなんと理解しがたい国なんだと思える。
個人でも、国家単位でも
自分のことばかりを考え、
当たり前のように約束をやぶり、
自分のミスの言い訳は山のように言い、
相手の弱みを見つけることに異常な執念を燃やす。
冷凍ギョーザ事件やら
この間のサッカーとかから生まれてくる中国への不信感が
歴史的背景をもって裏づけされる気がしたりする。
ある意味、民族差別的な小説でもある。
「小説だから大げさに描いているんだよ。自分の知っている中国人はいい人だ。
僕は昔そう思っていた。
でも外国に住んでいて、やはりそういう考えは甘いと思い知った。
民族は民族としての背景を必ず持っている。
どんな国際人の中にも、そのマナー、価値感等々、
他の民族からみたときには理解しがたいものが必ず含まれている。
偏見といわれようとなんだろうと、その色眼鏡を使って
相手を見ることが、外国で生きるためには大事だと痛感した。
中国に関して言えば、ビジネスの相手としてはきわめて危険だ。
日本人の感覚で卑怯と思えても勝ち逃げしてしまう勇気がないのなら、
いつか必ず痛い目を見るのだと思う。
彼らから見たら日本人は我儘で呑気なバカ者ばかりなんだから。