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ブランド店や百貨店が華々しくファサードの美化競争を繰り広げた結果、銀座中央通りは、日本の都市の中でも外観は最も賑々しい街路になりました。しかし、建ち並ぶビルには、外付けの縦看板が数多く残っているので、街路の輪郭線がすっきりしません。街路空間が日本橋のように画然としていないのです。
(写真1、2) 他方、銀座は条例で建造物の高さ制限をしているので超高層ビルは建てられず、中層階のビルだけですから、銀座中央通りの空は日本橋中央通りより広く見えて、それだけ街全体が明るく感じます。日本橋中央通りが暗く感じるのは、ビルのファサードの色彩だけでなく、空からの光りが遮られているからです。 (写真3、4) 建築家の芦原義信はその著「街並みの美学」で都市景観のあり方について、次のような趣旨のことを述べています。 「ルネッサンス以降、ヨーロッパでは建築物は、正面から見てその高さの二倍ないし三倍の視点から鑑賞するよう配置されている。他方、アメリカの超高層ビル街では、容積制の考えとして建物の足許に都市の外部空間を整備する必要があるので、建物と建物との間に空間が生まれて、建造物の軒並を揃えることは難しい。」と。 中層階のビルが並ぶ銀座の街並みは、路上から建造物を眺めて楽しめるようになっているのです。同時に、超高層ビルで空を狭められていないので、街路を歩く人々は建物の圧迫感を感ずること無く、居心地が良いのです。ビルの前面に取り付けられた沢山の縦看板が街路の輪郭線を乱しても、その猥雑さは気にならず、却って気楽さを増すのでしょう。 「街並みの美学」で指摘するように、、建物の間に空間が置かれるアメリカの超高層ビル街では、賑やかな店舗は途絶えるので連続してショッピングを楽しむわけにはいきません。日本橋の超高層ビル街では未だ賑やかな街路は連続していますが、東京でも新宿西口の副都心は、超高層ビルが独立していて、ビルとビルの間の街路は歩いて楽しむ街路ではありません。 (写真5) しかし、街路の連続性という観点から銀座中央通りを眺めると、銀座中央通りにも、問題が無いわけではありません。それはショッピングの店が並ぶ銀座中央通りに幾つもの銀行が店舗を構えていることです。銀行は午後三時に店を閉めてしまいますから、ショピングを楽しむ銀ぶらの人々は、そこで楽しみを中断されるのです。銀座中央通りの夜景を見るとはっきりと分かります。銀行などの業種は裏通りが良いようで、昔は質屋は人通りの少ない場所にありました。 (写真6、7) (以上) 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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