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今日届いた「日経ホームビルダー」2012年5月号に、
「内部割れ木材はせん断強度が下がる」という記事が掲載されています。 以前から日経ホームビルダーは、高温乾燥の問題点を指摘していましたが、 先月発表された「安全・安心な乾燥材の生産・利用マニュアル」に、高温乾燥によって 発生する内部割れは、せん断強度を低下させると書かれたことを取り上げています。 杉・桧の構造材においては、材面(材料の表面)割れを防ぐために、 乾燥初期に、100℃以上の高温・低湿度条件で処理する高温セット (ドライングセット)と呼ばれる、乾燥方法が普及しています。 しかし、高温セットで処理された人工乾燥材には、内部割れが発生することが多く、 内部割れは強度を低下させるとして、高温乾燥材を嫌う建築関係者も少なくありません。 そこで、高温セットで発生する内部割れについて ・強度に問題はないのか ・問題があるとすればそれは何なのか ・できるだけ内部割れの発生しない条件を確立できないか を目的として、3年間の研究成果がマニュアルとして発表されました。 私もマニュアルを読みましたが、高温乾燥による内部割れがせん断強度の低下に 影響するとはっきり書かれたことは、かなりの衝撃です。 当社に入荷する杉の柱材の中にも、高温乾燥材がありますが、木口から見るだけでも 内部割れが見えることがよくあります。その内部割れが強度低下に結びつくという 研究成果が発表されたのですから、事は小さくありません。 ただ、気を付けなければいけないのは、高温乾燥だからといって全部内部割れを 起こしているわけではなく、中には減圧乾燥など、内部割れを起こさないための 工夫をして乾燥しているメーカーもあります。 これからは、ただ「高温乾燥材です」というのではなく、乾燥スケジュールを ある程度公開するメーカーが出てくるのではないでしょうか。 内部割れは起きて当たり前 ではありません。 内部割れは起こしてはならない という前提で、木材の乾燥をすすめなければ ならないことをあらためて感じます。 「安全・安心な乾燥材の生産・利用マニュアル」は、 インターネット上で全文が公開されています。 木材業界関係者は一度見ておいて損のない内容です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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