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カテゴリ:本・読書
「流しのお縫い子」っていう設定がもう既に、とてつもなくかっこいい。
目測かつ型紙無しで一針入魂の仕事師は同時に、生きる事には「不器用」な一人の少女でもある。 最初の20ページで、完全に彼女の世界にハマる事間違いなし! とにかく軽快で、一見無闇に書きなぐった感さえある文体の中に、マジメな人生感がにじみ出る感じも好きだ。 「いい母親になるわ、」という母に対し、 「・・・そんなことは望んでいない。(中略)彼女にはいい人間になってほしい。いい人間が自分の母親であってほしい。それだけを私は願っている。」 という一節だとか、 だめだとわかった瞬間からすべてが始まる。 と、はじめはつらく当たられた信田さんにシンパシーを感じてしまうくだりだとか・・・。 *** 芥川賞候補の表題作の他、おませな小学五年生が夏休みに「秘密のアルバイト」を体験する『ABARE・DAIKO』を収録。 麻の触感とシルクの光度★★★★☆ 続いて、すばる文学賞受賞の『ハミザベス』も読み始めてます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/08/12 11:26:04 PM
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