稲垣足穂「一千一秒物語」
「一千一秒物語」
子供によるメルヘンティックな「裸のランチ」といったところか。
「黄漠奇聞」
成り上がり神と崇められる王による無様でほんの少し美しい挑戦の物語。
人の存在の矮小たる事、何たるや。
しかし、だからこそ人は想像力を働かせ、物語を紡ぐのかもしれない。
「チョコレット」
メルヘンティックな逸話。
表題作の中に入っていても可笑しくない物語。
「天体嗜好症」
少年愛の誘い。
「星を売る店」
メルヘンを現実にしてしまおうという試み。
「弥勒」
これが私小説なのか。
それらしいところが無い訳でないが、やはり奇人。
「彼等」
楽しい、遊園地のような話。
「美のはかなさ」
芸術は投げられている。
そうなのだ。
「A感覚とV感覚」
幼少の頃のA感覚を思い出した。
男性に於けるA感覚とはV感覚への憧れという側面が強いのではないか。
V感覚、即ち女性になりたいたいう願望のような気がする。
とすると女性にとってのA感覚とは何だろう。
こちらはもっと純粋な性的興奮か。