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カテゴリ:フィクションハクション
初めて来ていただいた方に
これはフィクションです。 パート1はこちら。 ------------------------------------------------- しがみつくレナ(2) 天使に欲情する人間はいない。 アイドルだってそうだ。 ファンにとっては女神とも言える。 ぼくの頃は何はともあれおニャン子クラブだった。 今から思えばあまりにも俗っぽいが それでも崇拝の対象になっていた。 レナは目の前にいるのに 手を出してはならない神聖な存在であったり 何時間も前から並んで、 サイン会でようやく握手ができるアイドルだったり。 仲間に相談してみた。 ほとんどがうらやましがるだけで まともに答えてくれない。 お前はいつまでもおぼっちゃんだな。 そんなの押し倒しゃいいんだよ。 知り合いの彼女だけが、いいことを教えてくれた。 その子、タドルさんのこと、好きなんでしょ じゃあ、話してみればいいのよ 一回言って断られても、あきらめちゃだめよ。 迷ったときには基本に戻るべきだ。 ナンパしたわけじゃないんだから キスだのHだの焦る前に ぼくはなんでレナと付き合っているのかを。 大好きだからに決まっている。 顔やスタイルだけでなく、 一見明るそうな性格や けっこう単純なところも。 一番好きなのは彼女の笑顔 どこか作った感じがする時もあるが あれを見ていると、全てを忘れてしまう ひとつまちがえば麻薬だが。 あの笑顔のために、ぼくには何ができるか。 彼女が望むように、 いつもしがみつかれていればいいのかもしれない。 でも、それだけではぼくは不満だ。 不満なぼくは彼女にとってどうなんだろう。 彼女のアパートで手作りの夕食を食べた後 彼女を後ろから軽く抱きしめながらきいてみた。 ぼくのこと好き? 大好き。いつも一緒にいたいくらい。 好きなら、たまにはぼくの気持ちも考えてくれない? たまらなくなるんだ。 レナも時々、タドルにキスしたくなるよ。 でも、キスしたらもっと欲しくなって 嫌われちゃうからだめなの。 最後は少し涙声だった。 そんなことないよ。 とは言ってみたものの、怪訝だった。 こいつ、体にすごいアザでもあるのか 背中一面に本物の入れ墨とか。 服の間から背中を見てみたが そんな風ではなくてホッとした。 信じてよ。 胸の上から強く抱きしめながらぼくはお願いした。 付き合い出してから6ヶ月が過ぎている。 まだ、限界ではないけれど 手放したくはないけれど。 レナはぼくのほうを向いた。 いつ見ても素敵な顔。 一瞬、自分を忘れてしまうほど。 大きな目には涙が浮かんでいたかもしれない。 どうしよう と言いながら、レナは唇を重ねてきた。 ----------------------------------------------------- エロエロになる前に終わらしときます(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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