モンキーレンチ 通 信

　映画『フロリダ・プロジェクト』を観てきました。

　実際にある社会問題を背景に描きながらも暗くならず、大いに笑えてそして最後にほろりとくる、そんな作品でした。

　物語の背景　～　フロリダにあるディズニーワールドのすぐ隣には、観光客をあてこんだカラフルでポップなお店やモーテルが建ち並んでいる。しかしそんなモーテルの利用者の大半は職を求めて来た人や、住む場所を失ったことでここに流れついたような貧しい人たちが多く住んでいた　～

　この映画の魅力は兎にも角にも、この街に住む子供たち、特に主人公の女の子の存在につきます。彼女は今を生きている、そんな魅力を見事に描いています。そこを引き出している監督の腕が凄いのでしょうけど、改めてキャスティングの重要性も感じるような作品でした。出てくるみんなよかった。

　個人的に疑問に感じたのだけどシンデレラ城って、なんでも願い事をきいてもらえる場所なのかな。そんな前フリがあっても良かったと思ったのだけれど、周知の事実みたいなことは描かない監督さんですね。カメラワークもそうでしたが、「そこを敢えて言う（撮る）と説明的で嘘っぽくなるから」って。