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カテゴリ:中国人という人たち
仕事の相談があって、日本人の友人と建外SOHOの「Bubble(泡点)」へ
ランチを食べに行く。 ムダな装飾がついている店が多い中国で、こうしたすっきりキュートなお店はありがたい。 ランチの値段も前菜+メイン+コーヒーで38元なら、まあ納得である。 仕事について協力を求めたら、 ちょうど彼女が抱えている営業の懸案と重なる部分があって、とんとんと話が進んだ。 そして二人揃って食べ終わったころ、友達がおもむろに口を開いた。 「実は…この前、中国の女性誌に取材されたのが、掲載されたんですよぉ。 それが、もう、なんかこんなんでぇ…」と、 バッグから取り出したのが欧米系の中国の女性誌。 確かに以前に、同僚の友人の編集者所属の雑誌から取材を受けて、 写真の撮影もしたという話は聞いていたのだけれど、 そろそろかなあと思っていたら、既に発売になっていたのであった。 5人の女性の取材を通し、 中国に進出している各国企業の労働環境や特徴を紹介するという企画らしい。 「あのぉ、かなり後ろの方なんですけど…」と言って見せられたページには、 ガウディ風の建物の階段に、5人の女性が配置された写真があった。 当然彼女の姿もあった。 そして一番目立つところに、あの女性の姿もあった。 「ちょっと、これ、楊瀾じゃない!?」 楊瀾(ヤン・ラン)。 中国を代表する女性キャスターであり、中国女性3番目の資産を誇る実業家。 わずか30代で、美貌、知性、成功、家庭、財力のすべてを備えた、 中国人女性がもっとも憧れる有名人の一人である。 その人物と今目の前にいる友人が同じページに収まってる。これはすごいことだ。 私:「すごいじゃん!これ」 友人:「そうなんですけど、あ、違いますよ、この写真、合成ですから」 楊瀾と一緒に撮影したのかという私の興奮と期待は、あっという間に否定された。 そうか。でも合成だって、彼女と同じ誌面を飾るなんてラッキーは、 中国人だって滅多にあるまい。 彼女が続ける。「実は、いろいろあるんですよ」。 彼女曰く。 撮影には、ビジネス用とパーティー用の2着を準備してほしいとの依頼が 雑誌社からあって、 悩みに悩んで自宅のクローゼットから 春らしいパステルカラーのものをチョイスしていった。 そして当日はスタジオに赴き、撮影用にばっちりメイクされ、 カメラマンの要求どおり、普段はとらないような中国人好みのポーズもたくさん撮った。 撮影が終了したときのこと。 撮影スタッフに向かって「今日は春らしいパステルカラーを選んできた甲斐があったわ」 と彼女が言ったら、 「あ、申し訳ない。これモノクロです」 ……。 そして雑誌が出来上がってみたら、モノクロの上に、人物の背景は全部合成。 彼女はなぜか、別の女性と崖っぷちに腕組みして立っている。 「さらに、びっくりなのか、コレです」と、スカートを指差した。 「私、膝丈のスカート履いてたんですけど、 合成されてロングスカートになってるんですよ!」 !!!!それホントぉ!?…でも、なんで、ロングスカートにしなきゃいけないんだろ? 「他の友達にも見てもらったんですけど、 この企画の別のページもどうやら修正されてる箇所があるみたくて、 ちょっとおどろいちゃいましたよ~」と、本人もびっくりである。 彼女にしてみたら、たまたま同僚が、 日系企業で働いている日本人を紹介してほしいと頼まれたから引き受けたのだけれど、 出来あがった物はあんまり気分はいいものじゃない。 「別にこれ、私でなくてもいい内容だと思う。 ほら、Xiaomiさんでもいいじゃあないですか!」 …おひおひ。いくら楊瀾と一緒でも、私も修正されるのはごめんだぞ(笑)。 もしかしたらあの楊瀾だって、修正されてるんじゃないか? 資産600万ドルの実業家も修正するかね?だったら大した度胸だ、雑誌社。 たくさん雑誌が出来て、読者の選択肢が広がったのはいいけれど、 それに携わる編集者の質は、玉石混交なんだろう。まだまだここも進歩の途中。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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