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カテゴリ:中国人という人たち
確か去年の今頃、中国の女性ボーカリスト発掘番組
「超級女声(略称:超女)」の地方予選をテレビで見始め、 2日月後、ずっぽりハマっている自分に気が付いた。 今年は「超女」の放送はない。 代わりに「快楽男声(略称:快男)」が放送され、 すでにこの時期、全国大会のベスト4が決定。佳境も佳境である。 ※これまでの経過に関しては、この方のブログをご覧下さい。 http://blog.livedoor.jp/s_s_machine/archives/cat_50030882.html オーディションネタへの鋭い観察眼はかなり私のツボに来ます! スタート時期が早すぎて、それもいくつもの地方予選を並行して開催していたせいか、 状況が把握できない状態で全国大会に突入してしまったのも原因だが、 余りにも主催側(湖南衛星テレビと芸能プロダクションの天娯伝媒)の意図が見え見えで、 無邪気に感情移入しづらい。 なんだか斜に構えた自分を感じるのだ。 が、観てしまうのである、これが毎週。 むしろあんまりにも茶番なので、 この茶番の行き着く先が気になってしょうがないから。 全国大会が始まって以降、毎週次のラウンド進出者を決定すると同時に 2人の中から脱落者1人を選ぶ、視聴者の携帯電話に投票を行うのだが、 「はぁ??なんでこーなるわけよ!?」と叫ぶこと3回。 とにかくあの視聴者投票というのが解せんのである。 ここで説明を。 大きく分けて視聴者投票は、 ・放送を終えたときから次の週のオンエア中までが集計されるものと、 ・番組中の時間を区切った時間内の投票の2種類がある。 これらの票数は、選手が次のラウンドに進めるか否かの大きな鍵を握っていて、 進出者のほとんどは前者の票数を根拠に選出される。 ところが、最終的に1人振り落とすために行われるPK(1対1の対決)では 後者が採用される。 一旦PKを行う二人の得票の累計がリセットされ、早い話、投票がやり直しに。 投票が開始されるとテレビ画面に二人の得票数が刻々と増えていく様子を表示するが、 果たしてこの数字が正しいものか解らないうえに、 途中でこのカウンターが消え、 最後の番組内での“退場宣告”があるまで票数が示されないのだからいよいよ怪しい。 吉傑という選手がいた。 毎週彼の得票は10万票そこそこ、1位の選手の約4分の一で、 PKの一席は彼の定席という状況が3週連続した。 ところが。 PK後のわずか15分程度の時間に30万もの票が字幕で出てくるのである。 そして、自分よりも累計では人気があったはずの選手を淘汰してしまうのである。 うそだろ。 1週間かけて10万が、なんで15分に30万票? ひとまずこの携帯による投票は、 一つの携帯番号から15票という上限が設けられている。 となると、吉傑のファンたちは敢えてPKまで投票を控えていたということなのか? そうなると単なる人気投票じゃないという気がする。 さらに。別にこれは吉傑個人がどうこうしている問題ではない。 が、絶対投票を請け負っているブローカーがいるに違いないと 思わずにはいられないのである。 そのブローカーが手を引いたのか、吉傑は3度目のPKに敗れた。 得票数は17万票。 本当にファンだけが得票をコントロールしていたのだとしたら、 13万票の減少はなんだろう? 「快男」の裏番組で、 北京テレビの「紅楼夢中人」という大型オーディション番組があった。 中国を代表する小説「紅楼夢」のテレビドラマのキャストを オーディションで決定しようというもので、 去年から全国各地から選抜に次ぐ選抜を行って、 5月にようやく全国ファイナルを迎え、主人公が誰になるか決定されるはずだった。 3人の主人公・宝玉、黛玉、宝釵のうち、ヒロイン2人は決定したものの、 男性の主人公・宝玉が「制作者サイドの見解の不一致」という訳の解らない理由で、 結論が先延ばしになった。 要は、「素人の投票と文化人とほざくやつらの好き勝手で、 キャスティングするなよ」と制作側がへそを曲げたのである。 なんやねんそれ、あほくさ。 「超級女声」が社会現象を起こして以後、 北京の代表紙「新京報」に掲載された論評がある。 投票自体は民主ではなく、民主の段階の一つでしかない。 本当の民主主義は投票以外に透明な手順、平等な権利、自由な討論、 反対分子に対する尊重と、一切の個人意思を超えた公平な規則が必要なのだ。 その一切のすべてこそが『超級女声』民主に欠けている。 ご指摘の通り。オーディション番組は まだ十分な民主主義とは成り得ていないのである。 中国人の民主主義は発展途上である。 さてさて。 旅遊衛星テレビを見ていたら、天娯伝媒がサポートしていると思われる番組があって、 まだ10代と思われる女の子が、審査員を前に 面接で歌と踊りを披露するシーンが流れていた。 審査員席を見てがっくり。 Rebornかぁー。あんたらみたいなへたっぴが審査するのかぁ? それも面接で「あなたは歌の才能があるわ、 心の底から歌うのを忘れないでね」とReborn姉。 ・・・。 それは「あんた達に言いたい!」と画面に向かって 日本語で突っ込みを入れた私であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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