テーマ:はり・きゅうLife(341)
カテゴリ:本職ネタ
どうも、泰心堂です。
臨床をやっていて凄いな~と思うのが先輩方の仕事です。 もちろん何年、いや何十年と患者さんに支持され臨床を積んでいることもさることながら、その一方で研究もされている。全く見事なものです。 このような仕事が礎となり、後の仕事が積み重なっていくものなのでしょう。 ・・・にしても最近はやたらと出版ペースが上がっていると思うのは気のせいでしょうか? やたらと東洋医学関連書が発行されているような気がします。 片っ端から読むにしてもとてもじゃないけど読みきれませんね。 さてさて、こんな質問を受けました。 「鍼の響きってあるじゃないですか?あれってないといけないものなんですか?」 う~ん、当然の疑問ですね。 あくまでも私見ですが、別になくても身体に適当な刺激を与えられるのならば要りません。 ただ、この感覚は刺激を受けているという目安にもなりますし、あったほうが身体自体が違和感として明確に刺激を捉えられるという利点もあります。 したがって『現実的には耐え切れないほどのきつい刺激は要らない』ってところでしょうか? 事実として極浅い鍼による穏やかな刺激、刺激感でも身体は変わっていきますし、このような調整的刺激を繰り返すことによって治癒に向かうことも臨床上確認されています。 あとは好みですかね。 それからこんなのもありましたね。 「浅い鍼と、深い鍼ってどちらが効きますか?」 これもケースバイケースというか目的次第ですね。私のやり方だと症状が重ければ重いほど浅く刺します。深く刺して組織にダメージを与えたりわざわざ不快感を与えるよりも、浅く丁寧に調整したほうが治りが良いように感じます。 そのある種の究極型が関西の長野仁先生、中部の南谷旺伯先生ら散鍼で治療される先生、九州の首藤傳明先生の超浅刺などでしょうか?『超浅刺』は未体験なのでなんともいえませんが・・・散鍼は刺されたという感じがないにも拘らず身体が変わっていくのでまさに不思議体験ですね。 ちなみに私が基本としている積聚治療とその創始者『太子堂』小林詔司師のやり方も技法的には接触鍼という肌に触れる程度の鍼を基本としていますが、身体が変わっていきます。自分で実践してみて不思議に思います。 一方で、私がいるのは船橋・習志野地区です。ここではちょっと変わった先生で評判が高い先生がいます。牧野鍼灸院の牧野先生。牧野式透刺鍼となんか名前をつけているそうですね。長鍼による患部直接刺激法らしいですね。これは深い鍼の身近な代表例ですね。彼は腰痛や脊柱管狭窄症の患者さんを広告戦略により多数集めることに成功した非常に営業が上手で実績のある先生です。 つまりどちらも優れた方法です。浅い鍼がいいとか、深く刺さないとかいうのは多分に術者の思い込みと患者さんの気に入る方法かどうかという部分が大きいと思います。 私はというと解剖学的に、生理学的に安全な東洋医学的鍼灸を目指していますから余り深い鍼はしません。・・・って言うか必要ないと思っています。 ま、これも臨床の中で今後も継続して追っていて果たして本当にそうか?というのを検証&研究していかないとならないものですね。 と、今日はこの辺で♪ ご質問や治療のご相談、ご依頼は下記までお気軽にどうぞ 泰心堂はりきゅう院 〒275-0011 千葉県習志野市大久保2-5-7 大久保ハイツ103 TEL/FAX 047-404-5225 Mail taishindo@festa.ocn.ne.jp Web http://takefor.client.jp/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは。このブログ中にも出てくる牧野鍼灸院で全然効果がなかったという知人がいますが、深い鍼で直接刺激する方法が本当に狭窄症などに効果があるのでしょうか?かなり疑問に感じています。
(2012年02月03日 04時54分14秒)
足痛いさんへ
具体的に改善した人が何人いるかは知りませんが、M氏のやり方もそれなりに実績があるのであれば、それは事実として正しいということになります。 否定から入るのではなく、まず肯定した上で、 狭窄症における狭窄部位がどうなるかは鍼灸ではどうでもよく、それを原意として起こっている症状が改善し、日常生活によい変化が現れれば効果あったとみなすのが鍼灸の臨床です。 それが深い鍼で導かれようと、浅い鍼で導かれようとどうでも良いということです。 ただ、効果を感じられたなかったということは、その知人の方が、見立が違った、M式に合わなかった、それともそもそも鍼灸と相性が悪かったなどという理由も考えられますし、それが浅い鍼で改善されたのならば浅い鍼の施術と相性が良かったということになります。 (2012年02月03日 14時09分23秒)
さて、自分のところではどうかというと
腰部脊柱管狭窄症の方への施術は、当院の基本施術である浅い鍼が多い積聚治療、強い痛みや筋緊張を取る長鍼、あるいは刺絡などで対応するのですが、 そう言って見えるクライアントのなかには、腰部脊柱管狭窄症の典型的な症状である歩行困難で、連続30分ほどの歩行が辛いという方で、腰部の狭窄部位に対する、【お灸】を繰り返すことによって、連続歩行時間が1時間に伸びたなどという例もあります。 当たり前ですが、お灸は表皮を軽く火傷させることで体を調整する方法ですので、深いところに直接的刺激を送っているハズがありません。 しかしながら、変化を及ぼしているので、こういう浅い刺激で症状の緩和を試みるという方法論もありかと思います。 (2012年02月03日 14時14分51秒) |
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