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October 6, 2005
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テーマ:Jazz(1978)
カテゴリ:カテゴリ未分類
ジャズの素材としてのアメリカン・ポピュラー・ソングを考えるとき、
その原点として、ジェローム・カーンとアーヴィング・バーリンという作曲家の名前があがります。
アメリカン・ポピュラー・ソングは、この人たちの手によって始まることになったからです。

1900年代初頭のアメリカ、
ルイ・アームストロングがポピュラー・ソングをジャズの素材として見事に融合してみせた1910年ごろから始まり、
エルヴィス・プレスリーとビル・へイリー&コメッツが出現して、ロックンロール時代が到来し、
それらの曲がポピュラー・ソング・ヒット・パレードを席巻して、
良質の音楽が生まれる環境を失ってしまう1960年ぐらいまでの間に作られた曲の中から、
現在の音楽シーンにおいても消えることのない、永遠に不滅のスタンダード・ナンバーが生まれています。
1960年以降の曲でもスタンダード・ナンバーと言えるものはでてきていますし、
これからも、新しくスタンダード・ナンバーとなるであろうものもありますが、
多くのスタンダード・ナンバーは、この1900年から1960年ぐらいまでの曲だと言えます。

アメリカン・ポピュラー・ソングの一つの特徴として、スタンダード・ナンバーという概念があります。
これは、おもにプレイヤーの歌唱または演奏のスタイルを第一に考えるということから生まれたもので、
もとの曲はその素材として考えられ、その素材としてよく取り上げられる曲のことを、
スタンダード・ナンバーと呼んでいます。
そして、その素材を提供してきたのがティンパンアレーであり、ブロードウェイ・ミュージカルであり、
映画音楽だということです。

ですから、ロック、フォークソング時代以降はプレイヤーが自分たちで作ったオリジナル曲を演奏するという、
シンガー・ソング・ライター(自作自演)の時代になると、素材としてのスタンダード・ナンバーは必要がなくなります。
また、そういう曲は、どんなにヒットしてもプレイヤーのイメージとサウンドが曲に強く結びついているため、
曲の素材化ということでは難しくなってしまいます。
それは、たとえば、フィフティーズ(オールディズ)のリヴァイヴァルは単なる曲のリヴァイヴァルではなく、
その演奏スタイルとファッションがリヴァイヴァルしているということであって、
曲を素材として扱って、編曲などをしてしまったのではその意味をなさないということをみてもわかります。

もちろんビートルズ・ナンバーやスティービー・ワンダーなどの曲のように、新しくスタンダード化しているものもありますが、
それはあくまでも、彼らが素晴らしいメロデーィー・メーカーであるからです。
大ヒット曲を持つプレイヤーが、全て素晴らしい曲作りの腕前を持っているわけではないということです。

現在もジャズ・プレイヤーをはじめ、多くの人たちに親しまれているスタンダード・ナンバーは、
真のプロフェッショナルなソングライターたちによって作られたもので、
アメリカの文化がぎっしり詰まっており、ある意味アメリカの風俗をも変えてきた力を持っていると言えるでしょう。

何を「スタンダード・ナンバー」というか、明確なものはありませんが、

「スタンダード・ナンバー」とは、
『ジャズやポピュラー音楽のなかで、いつの時代にも根強い人気で、歌われ、演奏される曲。
長い年月を経ても消えることなく、歌われ、演奏され続けている曲。』ということです。

そこには、美しいメロディーと美しいコード進行があり、素敵な歌詞があります。
そして、一曲一曲にドラマを感じます。
それは、オリジナル演奏者が有名無名に関係なく、多くの演奏者が好んで歌ったり、演奏する曲が、
スタンダード・ナンバーということになるでしょう。
大ヒットした曲が必ずしもスタンダード・ナンバーになるわけではありません。
ある時期一世を風靡した曲でも、単なるその時の流行歌で終わり、
忘れられてしまっていくものもあります。
また、ロックだからスタンダード・ナンバーにならないとも言えません。
言えることは、楽曲としてオリジナル性の強いものは、スタンダード・ナンバーになりにくいということです。
その人の歌、演奏、オリジナルのアレンジのものでなくてはならないような曲のことです。
その反対に、だれが歌っても、だれが演奏しても、その曲がその曲として成り立つものが、
スタンダード・ナンバーになりえます。
ですから、メロディーラインがしっかりしていて、それだけですぐその曲だとわかるというものです。
オリジナルがどういうものかということは関係なく、その曲自体が立派に独立していくものが、
その時代を越えて、長い間いろいろな人たちに受けつがれていくのです。

たとえば、「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」のオリジナルは、
「サムシング・トゥ・シャウト・アバウト」という映画の中で歌われていたもので、
歌っていた人はジャネット・ブレアとドン・アメチだということは、ほとんどの人が知らないでしょう。
しかし、逆にこの曲自体は、いろいろな人の演奏によって多くの人が知っています。

スタンダード・ナンバーはオリジナルがどういうものかということは問題ではないのです。
曲として純粋に存在していて、演奏者によってよみがえってその時間を生きることができるのです。
永遠に語りつがれていく魅力のある曲、それが「スタンダード・ナンバー」です。

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そのスタンダード・ナンバーの生みの親と言えるプロフェッショナルなソングライターたちの中で、
最も重要な人物は次の5人の名前があげられます。

●ジェローム・カーン

●アーヴィング・バーリン

●ジョージ・ガーシュウィン

●コール・ポーター

●リチャード・ロジャース

そして、この5人はアメリカを代表する文化的所産の一つであるブロードウェイ・ミュージカルを作り上げ、
数々のアメリカン・ポピュラー・ミュージックを世に送り出した偉大な作曲家として、
「ミュージカル5大作曲家(Mighty Five)」と呼ばれています。

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Last updated  October 6, 2005 11:47:00 AM
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