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June 16, 2011
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テーマ:Jazz(1977)
カテゴリ:Jazz Memorandum
以下は第2回目講座の配布資料2.ビバップの誕生

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ビバップの誕生

「ビバップ(bebop)」は、モダン・ジャズの幕開けといえるジャズの演奏スタイルであり、
その誕生は、1930年代末から1940年代初頭にかけてのことでした。

その頃、ジャズの表の顔は「スウィング」スタイルでした。
それは、ジャズの高度なテクニックを駆使して「わかりやすい音楽」を作ることです。
要するに、ジャズはポピュラー・ミュージック、ダンス・ミュージックとして確立されたのでした。
ところが、黒人ミュージシャンたちのジャズは「わかりやすい」だけではないものを求めていました。
白人バンドが、もてはやされていたことも、黒人たちには面白くないことだったのでしょう。

1938年オープンした、ハーレムのレストランバー「ミントンズ・プレイ・ハウス」には、
ほかのステージでの、「わかりやすいジャズ」の仕事を終えたミュージシャンたちが集まってくるようになりました。
1940年頃から、そんないろいろなミュージシャンたちが集まって、その場だけのメンバーで即興演奏をする、
「ジャム・セッション」というものが始まります。
そうすると、わかりやすい音楽に飽き飽きしていた黒人ミュージシャンたちは、そこで、テクニックの極限を競い合い、
複雑な音楽を創り出す実験のような演奏が、盛んに行われていきました。
この頃には、このような店が多くなり、各所でジャム・セッションが行われるようになりました。

こうして、生まれてきたジャズの形が「ビバップ」、または「バップ」というものです。
語源はわかりませんが、最初の頃は「ビバップ」と呼ばれていたようです。
そのうち、「バップ(bop)」と呼ぶほうが一般的になったようです。

この、新しいジャズの誕生はまさに音楽界の革命のような出来事だったので、
このムーヴメントのことを「バップ革命」といったりします。

「表のジャズ」である「スウィング」が白人の手によって違った形のものになっていったのに対し、
「裏のジャズ」である「ビバップ」は、ジャズとしての形を整えていくのでした。

「スウィング・スタイル」との違いは、
リズムが複雑になり、よりアフタービート、オフビート感の「ノリ」が出て、
テンポの幅も極端に広がりました。
それから、コード進行も複雑になり、
明瞭でないメロディー、不協和音といったものが多用されるようになりました。?

1940年、「セロニアス・モンク」、「ケニー・クラーク」、「チャーリー・クリスチャン」、
「ディジー・ガレスピー」、「バド・パウエル」といったミュージシャンが中心となっていました。
そこに1942年に、「チャーリー・パーカー」がカンサスシティーから進出してきて加わります。

ビバップの誕生を記録したものとしては、
チャーリー・クリスチャンの、「ミントンズ・プレイ・ハウス」での演奏を録音したもので、
1941年5月に、1人のファンがテープレコーダーで私的に録音したものだったそうです。

1946年頃からスウィング・バンドの解散が相次いで、「スウィング」が衰退してくると「ビバップ」は勢いを増し、
1953年頃までのジャズの代表的なスタイルとなりました。
このあとジャズの主流は、ビバップを発展させた「ハードバップ(hard bop)」へと移っていきます。
この「ビバップ」以降「ハードバップ」というジャズのスタイルのことを、
特に「モダン・ジャズ(modern jazz)」と呼びます。

サックス奏者のチャーリー・パーカーはビバップを確立させた人物ということで、
「ビバップの創始者」、「モダン・ジャズの父」あるいは「ジャズ史の革命児」などと呼ばれています。
1955年に34歳という若さで、ニカ男爵夫人が住むニューヨークのホテルの部屋で亡くなりました。
死亡診断書には推定年齢53歳と記されていたといいます。

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Last updated  June 17, 2011 09:53:26 PM
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