2008/02/09(土)20:21
レバレッジ・シンキング 本田直之
本田氏のレバレッジシリーズ第三弾である「レバレッジシンキング」。
「努力するのに成果が上がらない人」と「余裕を持ちながら大きな成果を上げる人」の違いはレバレッジの考え方にある。
必要なのは「労力」「時間」「知識」「人脈」の4分野への自己投資。
スポーツ・経営・投資・脳科学の方法論をベースに自己啓発に応用した仕事術を紹介する。訓練不要で誰にでも実践できるノーリスクのシンプルな方法論が書かれている。
以下は主なポイント。
第一章 常にレバレッジを意識せよ
・レバレッジ・シンキングとは「労力」「時間」「知識」「人脈」にレバレッジ(てこの原理)をかけ、”Doing more with less"(少ない労力と時間で大きな成果を獲得する「DMWL」)を実現するというもの
・パーソナルキャピタルを増やすと同時に、マインドも高めていかなくてはいけない
・注意が必要なのは、パーソナルキャピタルには目もくれず、マインドだけ高めてしまう人がたくさんいるということ。
・ビジネス書を多読したり、読むのが好きでも、成果が上がらない人がたくさんいる。
・その理由は、マインドが高まってもパーソナルキャピタルを増やす努力をしないから思うような成果が上がらない。マインドは資産ではない。残念ながら空回りするだけ。思い切りアクセルを踏み込んでいるのに、「労力」「時間」「知識」「人脈」というタイヤが4つとも外れているため、前に進んでいないのだ
・パーソナルキャピタルとは、「労力資産」「時間資産」「知識資産」「人脈資産」。ビジネスパーソンが仕事で成果をあげるよう自己投資することで構築される
・パーソナルキャピタルを増やし、これにレバレッジをかける。少ない労力と時間で大きな成果を獲得する。これがレバレッジ・シンキングの基本的な考え方。
・ゴールを明確に描く最大のメリットは、選択力が身に付くこと。自分にとって何が大切で、何が大切でないかがわかるようになる。余計なことをしなくなり、時間、労力、お金の無駄が無くなる
・チャンスは誰にも均等にあり、それに気づけるか、気づけないかは、どれだけ明確にゴールを描けたかにかかわってくる
・パッシブ(受け身)でなくアクティブ(能動的)に行動せよ
第二章 労力のレバレッジ
・労力のレバレッジのポイント
(1)仕組化;再現性があり、繰り返せる。次回から行動するときに一から考える必要がない
(2)無意識化・習慣化;精神力が弱かったりしても、いちいち考えなくても行動でき、継続しやすくなる
(3)KSF(キー・サクセス・ファクター)を見つけ出す
(4)二毛作、言葉のレバレッジ、エクササイズのレバレッジ等その他のレバレッジ
・うまくいった方法を仕組化すれば、いつでも誰でも再現することができる
・仕組化には、余計に時間、労力がかかるが、それによって先々継続してリターンを生むことになる
・マニュアルの本来の目的は、一定の仕事レベルにまですべてのスタッフの能力を引き上げること
・時間を短縮し、最短ルートを通るためのツール
・仕組化する部分は仕組化し、それ以外のことに頭を使えるようにする
・チェックリストが重要なのは、それに沿って仕事をしていけば抜けがないし、やらなくてはいけない全体の作業ボリュームもわかる
・時間の節約にもつながり、誰かに仕事を依頼する場合も、全体像とやるべきことがわかっているので時間の無駄がなくなる
・うまくいっている人を見ると、良い行動を無意識に行っている。いわば習慣化している
・習慣化という方法は、自分をコントロールすることが苦手な人や、飽きっぽい人間には便利
・考えると行動に移らない。習慣にしてしまえば、自動的に身体が動くようになる
・人間の行動の、実に95%は無意識のうちに行われている
・いきなり大きな習慣を身につけようと思わず、小さなことからやり始める、あるいは意識する
・小さな習慣を身につけていくと、良い流れが生まれる。「良くしていこう」という意識がベースに生まれると、やがて大きな習慣もできるようになる
・小さな雑用を毎日積極的に片づけていると、その程度のことなら面倒くさいとは感じなくなってくる。同時にイライラも抑えやすくなる。これは脳の中で、感情系に対し思考系の支配力が強くなったことを意味している。
・そうしたら、もう少し困難な問題に取り組んでいけばよい。そうやって脳の体力を高めることから始めていくと、無理なく、問題解決能力の高い人になっていくことができる
・よい習慣を身につけるために、習慣チェックリストを作成し、習慣を常に意識し、定着させることが必要
・効率が悪く、成果が上がらず時間がかかってしまうことの原因の一つは、ポイントがずれていることにある。
・ずれていることを必死にやっていても成果にはつながらない
・成功へのカギを握る要素=KSF;キー・サクセス・ファクターを見極める能力が必要
・KSFの見つけ方は、始める前にどうすれば良いか、その最短距離を考えて行動する。これこそが成果を上げるために最も重要な能力の一つ
・労力のレバレッジでは、一つの物事をするときに、同時に何かできないか考える。これが二毛作でのさらなる効率化である
・歩きながら耳勉する。会議の空いた隙間時間で簡単な仕事をこなす、、、等
・労力のレバレッジは、「自分はできる」と思うことが重要。「できない」とか「無理だ」と思ったり、言葉にしたりするとマイナスのレバレッジがかかる
・いくら疲れていても、土日にごろごろしていては、かえって月曜日はだるくなり、効率が落ちる。
第三章 時間のレバレッジ
・時間があるから成果が上がらない。意図的に時間を短くして成果を上げるようにする
・知識労働社会では、時間を積み重ねれば積み重ねるほど成果につながるということはほとんど無く、実際にはある程度までは達するが、その後は一定になる
・時間をためることはできないが、レバレッジをかけて増やすことはできる。時間を投資することで時間資産を増やす
・これが軌道に乗ると、そこから不労所得的に生まれる余裕時間で更に再投資し、DMWLを実現し、成果を拡大することができる。
・俯瞰逆算思考;まずゴールを決め、現状からゴールまでを俯瞰し、逆算思考でタスクを決める
・ビジネスで成功している人は、その殆どがまずゴールを設定している
・はっきりしたゴールがないと、「やるべきこと」「やらなくてよいこと」というタスクの選択ができなくなる
・すべての仕事が大切に思え、あれも、これもやらなくてはいけないという状況になる
・TODO;「やらなくてはいけないこと」
・タスク;「自発的に請け負った仕事」
・時間投資のもうひとつの方法は、時間割をつくり、時間のルーチン化を図ること
・無駄な時間を過ごさないために、すぐに行動を起こさず、この仕組みづくりに時間を投資することがポイント
・時間割のおかげで、次に何をやろうかという雑念が入ることなく行動に集中力を増し、常に平常心で、自分の持っている力を発揮させるベースになる
・時間割を作ると「この仕事をやるのに○時間かかる」という発想から「この時間の中でこの仕事をやる」という発想に変わる
・逆にい言えば、時間割なしでは、その日の出来事に流されてしまう
・給与天引きの積立と同じように、時間割をつくってブロックして、自己投資の時間を決めてしまえば、残った時間で仕事をしようという発想になる
・自由時間<全体の時間-固定時間(ルーチンワーク、mtg、睡眠、食事、通勤等)>を削って仕事をするということは、自己投資に費やす時間を減らすということになる
・すると固定的にかかる時間が増えていくことになる。それではいつまでたっても楽にはならない
第四章 知識のレバレッジ
・労働人口6542万人に対し、年間ベストセラーとなるビジネス書はだいたい30万部。労働人口のうちビジネス書を読んでいる人は0.64%にすぎない
・知識への投資は単なる勉強ではない。あくまでも投資であるから、リターンを得るために行う行為。常にリターンを追及するROI(投資収益率)意識が必要
・ノウハウがなぜ必要かというと、現代が時間不足時代に突入しているからである
・なぜ多くの成功者の前例に学ぶのか。実は、現状からゴールまでを俯瞰し、逆算すると、多くのやるべきことが見えてくる。
・限られた時間の中で成果を上げるには、他者から学ぶのが一番よい
・一冊や二冊読んだだけでは足りない。できるだけ多くの本を効率よく読み、多くの人の成功のプロセスを吸収することが大事
・これにより累積効果が出て、パーソナルキャピタルの「含み資産」がどんどん増えていき、条件反射的に実践で必ず活用できるようになる
・読書を始める前には、まず読書は問題解決のために行うものと意識する
・たとえば、「自分の人生の目標は何か」「現状の課題は何か」という目標を持つ。すると今の自分に必要な本がわかる
・大事なのは、本から得たノウハウをレバレッジメモにまとめ、繰り返し読んで条件反射的に行動できるようにし、実践でどんどん活用すること
・読んだだけでも実行しなければそれで終わり。インプットするだけでは、ただの自己満足にすぎない。いかにアウトプットするかが勝負
第五章 人脈のレバレッジ
・人間一人ができることは限られているが、人脈によってレバレッジがかかると、自分一人で出せる成果の何倍もの大きな成果を生み出すことができる
・相手にお願いだけではだめ。大切なのは相手にどんなバリューを提供しているか。また誰を知っているかではなく、誰に知られているかである。
・人脈づくりは短期ではなく長期投資である
・人脈をつくるうえでの基本は、相手にコントリビューション(貢献)すること
・人にあう前に、まず相手に興味を持つ。相手のことをきちんと知らないのに、会ってもらおうとするのは間違い
・自分よりマインドの高い人、マインドの高いネットワークに加わることによって、それに影響され、自分のマインドも上がる