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カテゴリ:詩
『また同じ事を繰り返してるな』
僕はため息混じりに呟き、煙草に火をつけた。 いつも同じだ。そう、いつもと同じ。 好きな女性が出来ると、つい格好をつけてしまう。 『いつでも相談に乗るよ』 そんなふうに、ひたすら「いい人」を演じ続け、そのくせ告白する勇気もない。 ただただ同じ事の繰り返し。 失敗から学ぶことはできないのだろうか? もしかしたら、僕は振られるのが怖いのかもしれない。傷つくことが。 そんな焦れったい自分がたまらなく嫌で、どうしようもない無力感に苛まれる。 『よし、行くか』 僕は煙草の煙と一緒に大きく息を吐き出すと、煙草を灰皿に押し消した。 そして、家を出ると彼女との待ち合わせ場所に向かって歩き始める。 悩んでいる姿だけは絶対に見せない。そう心に誓って。 主の居ない部屋の中では、静かに煙だけが漂っていた・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年07月18日 13時37分00秒
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