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カテゴリ:小説
長いので三つに分け~
WALKING・1 入学 四月。すなわち入学や進級・新学期の初めのシーズンだ。 市橋燈姫は今年晴れて高一だが、その年頃からは到底想像できないような人物だった。腰まで届くさらさらで長く、艶やかな黒髪を頭の後ろで結わえてポニーテールにしている。均整の取れた美しい顔、紺色の丸くて大きい瞳、整った鼻筋、可愛い唇。スカートから出ている足は細く長い。まさに絶世の美少女だ。しかし、その身体からにじみ出る雰囲気は、とても高校一年生のものとは思えないほど美しく、そして冷たかった。まるで、触れれば切れる抜き身のような佇まいや孤独感などが混じり合い、どこか凛とした、高貴的にも見えてくる。 燈姫がくぐったのは市立愛衣之学園の校門である。今年で創立三百周年を迎える古い学校で、その敷地は軽く五haほどもあるという。校舎内部は中央棟・北棟・南棟・東棟・西棟に分かれている。 彼女は表情とは裏腹にこの高校生活を楽しみにしていた。それは彼女の今までの生活のせいでもあるが、実はそれだけではない。彼女はこの学校でどうしてもやりたいことがあったのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 12, 2007 08:32:34 PM
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