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カテゴリ:小説
残り半分で~す。
ご感想お待ちしていま~す。 二人は何もないただ広いだけの砂漠を歩いていた。 「何も無いな。」エルスは言った。 「そうですわね。どこを見ても何もないですわ。」リーアはぐるっと回って言った。 「・・・・あれ・・・・リーア、あれって人かな・・・・?」エルスは遠くを指差して言った。 「う~ん・・・・そうですわね・・・・人かもしれませんわ。」リーアは言った。 「行ってみよう。」エルスはその方向に行った。 確かに人のような黒いものは見えた。 しかし、それは何か分からない。今のところ。 「やっぱり、人だ!人が倒れてる!!」エルスは走って倒れている人に近づいた。 「大丈夫ですか!!?」エルスは言った。 「・・・・あ・・・・・。」 倒れていたのは少女だった。 顔も整っており、髪の毛は銀色のロングだった。 「ん・・・・・・・あぁ・・・・・ありがとうございます・・・・。」少女は子供っぽい高い声で言った。 少女はそう言ったあと上半身を起こした。 「ここは・・・・ここはどこ・・・・・・・ですか?」少女はエルスに言った。 「ここはオーストリアの西部のイルム砂漠です。」エルスは言った。 「オーストリア・・・・・そう・・・ここはオーストリアですか・・・・・。」少女は立ち上がった。しかし、よろけてまた倒れた。 「大丈夫ですの!!?」近くで見ていたリーアは少女に添った。 「は、はい大丈夫ですけども・・・・お、お水をくれたらだいぶ楽になるかと・・・・。」少女は苦笑いをしていった。 「あ、はいどーぞ。」エルスは少女に出納を差し出した。 「あ、ありがとうございます・・・・。」少女はそういって出納の水を音を立てながら飲んだ。 「お水をくださいりありがとうございます。私の名前はアリア・フィオ・ディートゥです。」アリアは頭を下げていった。 「いいえ、礼には及びませんわ。私はリーア。リーア・ムルカ・フリエン。」リーアは笑顔で行った。 「そうです。助け合うのが普通です。エルス。エルス・ロイ・ムルアート。」エルスは言った。 ・・・・・・ 会話が詰まってしまった。するとリーアは口を開いた。 「どうしてこんなところにいるのですの?」リーアはアリアに質問した。 「私は飛行機乗ってました・・・・。しかし、急に目の前が真っ白になって気が付いたらあなたたちに助けられていました。」アリアは空を見上げながら言った。 「飛行機って・・・・空を飛ぶあれ?」エルスはジェスチャーをして言った。 「はい。そうです。」アリアは頷いた。 「つまり・・・飛行機が墜落したと?」リーアは言った。 「けど墜落したんだったらこの辺に飛行機の残骸があるはずじゃないか?」エルスは言った。 「いえ・・・墜落はしてません・・・・・けど、飛行機に乗ったのだけは覚えています。」アリアは口を濁らせていった。 「事情はドウあれ、日が沈む前に段の取れるところを探しましょう。」リーアは言った。 「そうだな、ここで野宿するわけにもいかないしな。」エルスは言った。 「・・・・・・・」アリアは黙って二人の後を付いていくのであった。 「リーア、町らしいものは見当たらないな・・・・。しょうがない、今日はあの岩陰に野宿しよう。」エルスガ困り果てた顔でリーアに言った。 「そうですわね・・・・しょうがありませんわ。」リーアは言った。 「あの・・・・・私も一緒に・・・」アリアは二人に言った。 「ああ、もちろんさ。」エルスは言った。 「ありがとうございます。」アリアはニコっと笑って言った。 パチパチ 同じ火でも全てを燃やし尽くす大きな火とはこの温まる火とはこうも違うものなのだ・・・・・・。 エルスは施設の皆が心配になった。 確かに施設の子供たちは二人を避けていたかもしれない。 だが、腐っても同じ困っている子供たちなのだ。 しかし、今のエルスたちには自分達が生きていくので精一杯だったのだ。 夜中・・・・・ 「・・・・・・。」エルスは大きな岩を離れて広大に広がる砂漠を見渡していた。 「寝ないの?」後ろから声がした。 「君も寝ないの?」エルスは振り返ってアリアにいった。 「私は昼間寝てたもの・・・眠くないの。」アリアは言った。 「そうか・・・・。」エルスは空を見上げた。 「綺麗な星ね。」アリアは言った。 「そうだね・・・。」エルスは言った。 「この綺麗な星もいつまで見られるか・・・・・想像も付かないな・・・・。」エルスは言った。 「そうかしら、私は永遠と見られると思うわ。死ぬまでね。」アリアは言った。 「だといいな。けど今地球は確実におかしくなってきている・・・。」エルスはあたりを見回した。 「そういえば、どうして砂漠なんかを歩いていたの?」アリアはエルスにいった。 「街が溶岩で燃やされたのさ。」エルスは軽くいった。 「そうだったんだ・・・ゴメンね・・・。」アリアは少し悲しげな顔をして言った。 「いいさ、どうせ面白げもない街だったからさ。」エルスは言った。 「けどあなたの生まれた街じゃないの?」アリアは言った。 「俺の生まれた村は大洪水にあって全滅したんだ。俺はとなり町の救助隊にリーアと一緒に助け出されたらしいんだ。俺とリーアはその村の唯一の生き残りなんだよ。といっても、まだ0歳のころだから村の風景はおろか親の顔さえも知らないんだよね。」エルスはどこか遠くを見ながら言った。 「・・・・・私は昔から街の外を出たことがなかったの。街の外を見て見たいと思ってね、家のお金有りっ丈持って家出したの。そして街の外に出てみてビックリ。全部砂漠なんだもん。ホカにもいろいろなものを見たいと思って飛行機乗ったわ。そしたら私は砂漠のど真ん中であなたに起こされたの。」アリアは言った。 「そうか・・・家出か・・・・・・。」エルスは微笑しながら言った。 「大変だったのね・・・。」アリアは言った。 「いや、これから生きていく方がよっぽど大変だと思うよ。」エルスは言った。 「ねぇ、私も二人と一緒に旅がしたの。いいかな・・・?」アリアは言った。 「それはダメだよ。君の親が心配してるよ。」エルスは言った。 「けど・・・。」アリアは言った。 「君は自分の町に帰るんだ。僕たちも行くあては無いからしばらくそこに滞在するよ。」エルスは言った。 「・・・・・わかったわ。」アリアは言った。 「君はどこから来たんだい?」エルスは尋ねた。 「う~ん、あんまり覚えてないんだけどポルトガルよ。」アリアは言った。 「ポ、ポーランド!!?そんな遠くから!!?」エルスは多少大きな声で言った。 「私塵あんまりわからないからわからないわ・・・。」アリアは苦笑して言った。 「あそこまでいくにはけっこう時間かかるなぁ~・・・まぁ、女の子一人を歩かせるわけにも行かないし、僕らも行くよ。」エルスは苦笑いして言った。 「ありがとうね。」アリアは言った。 「ふぁ~、そろそろ眠くなって来たや。俺は寝るよ。」エルスはあくびをしながら言った。 「私も今なら眠れそうだわ。」アリアは言った。 「寝るか・・・。」エルスはりーあの寝ている大きな岩の陰に歩いていった。 朝、水平線の彼方から静かに太陽は姿を現した。 赤々しく、綺麗な朝焼け。 三人は岩の陰ですやすやと眠っていたのだった。 まるで何もなかったかのように・・・・・。 日はだいぶ昇った。8時くらいだ。 「・・・・・・ん・・・・・・・・・ふぁ・・・・。」エルスは体を起こした。 「もう朝か・・・・・・。あんがい短かったな。」エルスはあくびをして言った。 「んん・・・・・・・」リーアは寝返りをうってエルスのほうを向いた。 「・・・・・。」エルスはリーあの顔を見つめて細く笑った。 エルスはこの寝顔が永遠に続きますようにと心の中で願った。 「・・・・・。」アリアは無言で起き上がった。 「おはよう・・・。」エルスは言った。 「おは・・・・よう・・・・。」細く目を開けながらいかにも寝起きという顔でアリアは言った。 「寝癖・・・・ひどいよ。」エルスは苦笑いしながらアリアに言った。 「いっつもなんだよね・・・・・。けど手で梳かせば直るの・・。」まるで寝ているような顔でいった。 「眠いならまだ寝てればいいじゃん。どうせリーアが起きたら出発するし。ゆっくりしてていんだよ?」エルスは荷物の整理をしながら言った。 「低血圧だから朝には弱いの・・・・・。」アリアは頭をコクリコクリを前後させながら言った。 「まあいいや、頑張れ。」エルスはアリアに言った。 「うん・・・・頑張る・・・・・。」アリアは言った。 いつになく落ち着きが無い自分に、エルス何か不安な気持ちになった。 何も無い砂漠を仕切りに見回した。 すると、遠くで小火が見えた。いや、小火というより煙に近い。 黒煙だ。 また火災でもあったのだろう。 ここまでクルともう他人事になってしまう。 大体にして数十年前までは多分この辺も緑が生い茂っていたのだろう。 しかし、今は地平線の彼方に隣の大陸の山々が見えるのみで、所々干ばつしたり、砂漠化してるところしかない。 身近な自然は存在しないといっていいだろう。 見える限りは。寂しいような悲しいような、そんななにか切ない気持ちが心の中を巡っている。 これはどういうことなんだろう。 「エルス~、出発しましょう~。」リーアは大声をだした。 「おう。」エルスは振り返り、あいづちをうって岩のほうまで戻った。 ドグァァァァァァァァン!!!!!!! 地面が揺れて轟音が響いた。微かな爆風とともに熱が僕らの方に届いた。 三人は音のする方を見た。 赤く、蛍光色のような真っ赤なものが地面から噴出している。 溶岩だ。 それもかなりの量だ。速く逃げなくてはならない。 「に、逃げるぞ!!」エルスは二人に向かって大声で言った。 「はい!!」リーアは走り出した。 「・・・・。」アリアは何もいわずに二人の後を追った。 まさか砂漠の真ん中で噴火が起ころうとは・・・誰にもが予想がつかなかっただろう。 しかし、幸運にも三人はすぐさま噴火に気が付き噴火場所から離れたのだった。 「なんで・・・あんなところで噴火が・・・・。」エルスは不安な顔をして言った。 「・・・・・それだけ・・・それだけ地球が大変なことになってるんですわ。」リーアは悲しげな顔をして言った。 「・・・・・私の町・・・・大丈夫かな・・・・。」アリア不安げな顔をして言った。 「大丈夫だよ。そう信じよう・・・。それにここで諦めたらもともこもないじゃない。希望を持とうよ。」エルスはアリアを励ました。 「そうだね・・・。」アリアは俯いていった。 「町の心配もいいですけど、まずは生きてオーストリアを出ることから先ですわ。」リーアは言った。 「ははは、そ、それもそうだ・・。」エルスは苦笑いしながら言った。 「いきましょう・・。」アリアは言った。 「そうだな・・・。いくか・・・・。」エルスは言った。 「いきましょう。ポーランドの方に。」リーアは言った。 こうして、始めの行くべき場所を見つけたエルスたち。 これからどんな災難が訪れるかは誰にも予想がつかない。 地震が滅多にないヨーロッパでさえこの有様・・・・・・・ かつて地震大国をと称されていた日本はどんなことにあっているのだろうか・・・。 200年前よりも激しい天変地異に人は耐え抜けるのだろうか・・・・・。 Bespir Life Scond 第一部完 面白かったらクリッククリック~♪(面白くなくてもお願いします。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 20, 2007 03:05:57 PM
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