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発達と成長と幸せの心理学

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2002年02月18日
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 梗塞に 倒れてもなお 妻が為 回復せんと 意識を手繰る
    
三日も日記を書けなかった。書きたいことは一杯あって、頭の中で文章が回るのだが、何せその時間を取れなかった。あっという間に過ぎ去った三日間であった。そして生きることの素晴らしさと生きていることの有難さを感じさせられる三日間でもあった。この三日間の出来事を順次日記に書いていこうと思う。先ず15日のこと。

冒頭の歌は、15日に私達夫婦の仲人をして下さったAさんご夫婦のご主人の入院先を訪ねて後に感動の余り、詠んだものである。

Aさんは、人柄も良く仕事も良く出来る方で相応の出世もなさった方である。私はこの方の姿に、「実るほど頭の下がる稲穂かな」の句をよく思い出したものである。その方が初めて脳梗塞で倒れられたのは5・6年前だっただろうか。私達は未だカナダに居た頃で、一時帰国した時にお伺いした時は、言語障害があるけれど身体の方に異常は無かった。私が自律訓練法と自己暗示の方法をお教えすると素直に応じて下さって、練習の為の私からの他者暗示にも直ぐに反応があり、それまで難しかった単語の発語も出来て喜んで下さった。元々が頭の良い方なので理解も早く、又素直な方なので私を信頼して暗示を受け入れて下さったのだろう。根が真面目な方なので絵を描いたり言葉の練習等のリハビリも余り根を詰め過ぎないようにと周りが注意する程きっちりとやられ、どんどん回復された。その後も何度か倒れられたが余り大事には至らずに、私達が何度かお宅にお邪魔する度に言語障害は良くなられていって、上手になられた絵を見せて頂くのを楽しみにしていた。その時でも、そこまでになられるまでの奥様の介護振りはもう頭の下がるものがあった。
 
しかし今度は相当酷く、左半身の麻痺と全くの言語障害を伴い、こちらの言葉を理解して下さっているのかも定かでは無いほど重症の脳梗塞に見舞われた。意識を回復なさった後、自分の思いも拠らぬ姿に相当苛々なさったのだろう、あれほど穏やかだった方が奥様や看護婦さんに暴力まで振るわれたという。Aさんの苛立ちや情けなさ、そのうっぷんのはけ口となってしまった奥様の哀しみはいかばかりであっただろう。

私が前回お見舞いに伺ったときは大分落ち着かれていたが、そのことを私に話されながらも必死にご主人の辛さを理解して受け止めようとなさっている奥様の介護振りに、私は思わず「大変じゃったねー。」と言いつつ、その小さな肩を引き寄せて抱き締めずには居られなかった。少しびっくりされたようだったが、直ぐに私の胸で泣かれた奥様を、私は自分の母の様に愛しく感じていた。Aさんご夫妻が、親戚の居ない三原での親元の様に私達に接して下さっていたからだろう。そんな奥様の涙を見たAさんは、手振りで自分の所為で泣いているのかと奥様とご自分とを指し示された。その気遣いと自責の様子に驚きながら私は「そうじゃないんよ。久し振りに会うて嬉かったんよ。嬉し涙。」と半分だけ本当のことを言っていた。

今回お見舞いに伺うと、Aさんの表情は大分穏やかで、奥様も明るかった。そして、ずーっとご主人の病室で寝泊りしながら、朝に夕に話し掛けをしていることや自分が倒れたらいけないと食事にも気を付けたり体操をしたりしていること、そのお陰でご主人も少しずつ回復の兆しが見えることなどを話して下さった。「ちょっとでも良くなってきたら、奥さんも励みになるねー。」と言うと「そうなんよ。」と嬉しそうに又色々話して下さる。確かに私の事も判って下さっているようだった。先月夫が来た時のこと等をお話すると頷いたりなさったのだ。そして、テレビのオリンピック中継等を見ながら一生懸命テレビを指差していらっしゃるので「日本の選手ですね。応援しとってんですね。」と申し上げると、微笑んで頷かれた。顔付きもしっかりされている。それには奥様も驚かれ、喜ばれた。そして「あんた達は最初からよう来てくれてるから主人も判るんよね。」と言って下さった。私も嬉しかった。語り掛けが如何に大切かを目の当たりにした思いだった。

それにしても、毎日毎日一つづつ「これは〇〇。」と語り掛ける奥様の苦労はいかばかりだろうと察して「それも大変でしょう。」と申し上げると「そうなんよ。」と涙ぐまれる。「時には泣かんとね。」と一緒に涙しながら言う私に、笑いながら頷かれる。その奥様の涙乍らの努力を判るからこそ、そんな奥様への愛が無意識に働くからこそ、ご主人も必死で回復しようとなさっているのだと思った。このご夫婦の互いへの優しさと愛の絆に、私はその日からずっと感動している。そして自分達もそんな老夫婦になりたいと思った。





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最終更新日  2002年02月19日 01時32分20秒
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