テーマ:詩&物語の或る風景(1046)
カテゴリ:語り日記
1.11 ワン・ワン・ワンの日か・・・ 吾は、猫だから、どうってことのない日だが・・・ 【撮影:宇田川民生氏】 あれはぁ・・・盆休みに入る前のことじゃったなぁ・・・ とんがらしセンセのお話を語らせて頂いたのは・・・ 故郷に帰れず、ひとりでぽっつら過ごす人を思いながら語ったもんだわい で、現代の『とんがらしセンセ』こと、『みくまのの筍センセ』から 山里での、寂しい別れの便りが寄せられましたん 亥年の一発目は、笑い溢れる語りを・・・と思いながら 今、どうしても語りたいのは、このお話 『涙そうそう』のBGMに助けて頂きながら・・・ 4分半、お付合い頂ける方は、お耳とお心を寄せておくんなせーまし <(_ _)> *いつものように下記下線のタイトルをポチッとしていただくと、語りが再生されまする* 【撮影:しっぽ2さん】 【郷愁】 ~ 送る涙・送られる涙に寄せて ~ もうかれこれ三十年近くの付き合いになるご夫妻が居られます。 太郎さんと妻の花子さんです。 この度大阪へ引っ越しをされることになりました。 子供さんもご兄弟も、みんな大阪近郊に住んでおられるそうです。 山奥での二人だけの生活に、不安が募ってきたのでしょう。 太郎さんと花子さんの家は山の斜面の中程に建っています。 周りは一面の柚子畑。 玄関先から眼下を見下ろせば澄んだ清らかな流れに鮎の泳ぐ姿 その清流に架かる小さな吊り橋・・・せせらぎの音が絶えることはありません。 でも家から公道に出るには、きつい登り勾配の小道を柚子畑の中を縫うようにして 喘ぎ喘ぎ登らねばなりません。 毎日毎日のことです。身体に応えるのです。 先日、お二人の送別会が催されました。筍も招かれて参加致しました。 そこでの太郎さんのご挨拶・・・ 『両親は山から山へと渡り歩きながらの炭焼きでした。 為した子供が八人、わたしはその四番目 お産の度に産婆代わりは親父で、全部の子供を取り上げました。 茅で囲っただけのほったて小屋に一家十人が暮らすのです。 寒さが厳しくなれば隙間風が吹き抜ける小屋では 一晩中火を絶やすことはできません。 小屋の中は煙が立ち籠め、煙たくて息もできなかった。 茅の隙間から頭だけ出して寝てましたなぁ。 障子のある家に住みたい。これが子供の頃の夢でした。』 当然、学校などへは通えません。友達もできません。 遊ぶ仲間と云えば、トンボやチョウチョなどの昆虫たち。 知り合いから要らなくなった本を借り、それで勉強をしたそうです。 勉強が好きだと今でも胸を張って云われます。 山々に自生する様々な草木については格別で、部落一番の博識です。 ご夫妻とも面倒見がよいことでも評判でした。 部落の世話役としては最適任でした。 誰かが困っていれば直ぐに駆けつけて、何やかやと手助けをする。 皆が頼りにしていたのです。何人もの爺婆が診察室で泣いておりました。 山はまた寂しくなります。 【画:とはずおかかえアーティストmac玉】 【追伸】 使用している機能の録音可能タイムは5分以内の為、一部割愛させて頂きましたん 宜しかったら、筍センセのブログで詳細をお確かめあれ 縁者の方からも、コメントが入っておりまする 老いて尚、どう生き抜くか・・・過疎化に向う地に住まう民の行末は・・・ 『涙そうそう』CDの参考は、こちらをどんぞ~♪ 記:2007.01.11 13:35:18 2006年の13日1は旅の途中のエピソードvol.1【銀河鉄道に見果てぬ夢を託して】 2006年の13日2は旅の途中のエピソードvol.2【これは必要なもの?】 弥々*とはず語り・語りBar では いつでもお気軽に、語り音声日記が楽しめまする どんぞお気軽に、お立ち寄り下せーまし とはず別館Goo-net編 も地味に更新中! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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