カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日のお話の続きです。
家を建て直してから良くないことが起きると男性が相談に見えました。 与乃登はその家の埋めた井戸に問題があると見抜き、井戸の龍神を呼び出した。 黒龍神「おまえに頼みがある。」 与乃登「何でしょうか。」 黒龍神「また、元のように井戸に我を祀って欲しいのだ。」 与乃登「そうですか。話してみましょう。」 与乃登は男性に龍神の頼みを話した。 しかし、色よい返事はなかった。 与乃登「この者は信心深くはありません。そして、今、井戸は残念ながら必要とされておりません。」 黒龍神「何を言うか!礼儀を尽くすのが此の家の主のつとめであろうが。」 与乃登「ごもっともの仰せではございますが、無理に祀らせても非礼は目に見えております。如何でしょうか、報賽祭(長年のご加護に感謝するお祭り・ かえりもうしのみまつり)をさせて頂きますので、龍神界へお帰りいただけませんか。」 黒龍神「ならぬ!ならぬわ!」 与乃登は長い時間を掛けて黒龍神をなだめ、お帰りいただくよう説得をした。 ようやく、怒りの落ち着いてきた黒龍神は報賽祭を受け入れた。 直ちに報賽祭が執り行われ、最後に龍神界へ帰る祝詞をあげた。 与乃登「花戸の井戸の龍神、龍神界へ帰りませ、おぉー。」 龍神は帰るはずだった。 しかし、動かなかった。 あっちゃー、説得失敗か? いや、おかしいぞ、何かが違う。 与乃登は黒龍神を見つめた。 あっ。そうか。帰れないのだ。 与乃登は早速、龍神が龍神界へ帰る準備に取りかかった。 理由はこうだ。 長らく、祀られなかった龍神は怒りのため、本来の姿ではなくなっていた。 そう、怒りの色で、黒くなっていたのだ。 与乃登は龍神におみぬぐいをさせて頂いた。 やがて、神の光の中で、黒龍神は白く輝く気高い龍神と変わっていった。 与乃登「お待たせ致しました。龍神界へお送り致します。」 与乃登「花戸の井戸の白龍神、龍神界へ帰りませ、おぉー。」 しばらくして、風が吹き抜けた。 与乃登「お帰りになられたか。」 さぁ、これで大丈夫だな。 与乃登「ご主人、今はもう埋められて使われない井戸ですが、感謝の念は忘れないで下さいよ。」 男性 「いやぁ、龍神様は見えなかったですが、大きかったですね、真横を通っていった感じがしました。」 与乃登「立派な白龍神様でした。お帰しするのはもったいないほど高貴なお方でしたよ。ま、もっとも祟っておられたのですけどね。」 男性 「いやぁ、懲りました。これと言って、信心も出来ないですから、祟りが無くなれば十分です。」 だんだんと、立派な神様が祀られなくなっていく。これでいいのだろうか。 与乃登(よのと)の神霊心療室 http://yonoto.com/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|