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カテゴリ:Cinema
お腹が痛いので、ソファで横になって気晴らしにTVをつけたら、
アジア・フィルム・フェスティバルの1作がやってました。 ■甘い泥("SWEET MUD" 06年・イスラエル/日本) ![]() ![]() <ストーリー> 互いに助け合い、平等であることをモットーに立ち上げられたイスラエルの生活共同体「キブツ」。理想郷の持つ厳しい現実を、美しいイスラエルの景観とともにそこで生きる親子のかっとうを通して描く。実際にキブツで生活を体験したドュロー・シャウル監督の長編デビュー作で、サンダンス映画祭ワールドシネマ審査委員賞、ベルリン映画祭クリスタル・ベアー賞受賞。 <作品情報> (原題:SWEET MUD) 〔監督・脚本〕ドュロー・シャウル 〔撮影〕セバスチャン・エドシュミッド 〔音楽〕ツーフ・フィルソフ、アディ・レナート 〔出演〕ロニート・ユドケヴィッチ、トメル・シュタインホフ、アンリ・ガルサン ほか (2006年 イスラエル/日本)〔ヘブライ語/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ〕 +++ 「キブツ(Kibbutz)」というのを知らなかったので、初め、宗教団体なのかと思いました。 "大人は、共同体により良く貢献するため、親の義務から解放される。 1980年代までは子供は「子供の国」で育てられ、そこで生活と勉強をした。" と冒頭にメッセージが入る。 13歳までが子供のよう。 主人公の男の子の美しい母は、ご主人が死んでから心を病んで入退院をしていた。 しかし、病院で60代のスイス人(空手の元選手?)と出会い元気に。 他者の受け入れのないキブツだったが話し合いの結果スイス人の滞在が許される。 母にプロポーズをするスイス人。 男の子も次第にスイス人に対し、尊敬や愛情が生まれ、幸せな時を過ごすが、 男の子を守る為に村人に怪我をさせてしまい、スイス人は追放される。 ますます病んで行く母、なんとか救いたい息子。 フランス語の出来るクラスメイトの女の子にスイス人に手紙を書いたり、 スイス人の振りをして母に手紙を書いたり。 最終的にスイス人から、3枚の航空券が届く。 母と2人の息子(男の子には母への愛情に欠ける兄がいる)の為に。 卒業式の後に3人、母、男の子、女の子でスイスへ逃げよう!と決める。 が、卒業式の日に母が発狂してしまう。 息子への言葉の際に、マイクを通じてキブツへの批判を叫ぶ。 「私は息子を自分の手で育てたかった。夫はキブツから逃げようとして殺された。 キブツは私を病人にして無理矢理入院させた。あなたはこんな所から逃げて!」 その夜、明日早朝に逃げようと言う息子に対し、母は「眠りたい」と安定剤を 要求する。もう、自分のみじめな人生を終わらせたい。 安定剤を大量に盗んで母に渡す男の子。 翌朝、男の子と女の子は遠い空港目指して自転車に乗って行く。 +++ 実際にキブツに滞在していた監督の作品なので、キブツへの批判が込められている。 理想郷なのか地獄なのかは本人次第のようです。 みんな平等という考えは理想的だけれど、本当に平等にできるのか。 子育てが義務という位置づけに入るのか。 個人的な疑問はあるものの、実際にキブツには高い生産性があり、出生率も高い。 一生懸命働くことが尊敬の対象で、また大学までの学費も全部キブツが出すので、 親が子育てにかかる費用を考えなくていいのが理由だそうです。 昔は1日2時間しか親と会えなかったが、今は夕飯を共にするところもあるそう。 と、調べるといろんなことが見えてきて感慨させられました。 学校の授業でキブツについて学んだ。 という声もあって、私の学生時代にはならわなかったなぁと思うと、最近になって 日本にも紹介されるようになったのかな? +++ ダンナにキブツの話をしたら、 「300(スリーハンドレッド)だねぇ。」 と。 確かに、集団生活に慣れていて共同意識が強く、残された家族への心配も少ない キブツ出身者は非常に優秀な兵士になる、と言われているそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2008年09月27日 14時37分38秒
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