「人種差別撤廃」と日本
最近読み終わった本に書かれていたことでこれは本当に日本人が知らない日本の世界的アクションだなと思うのがあったので紹介。というか、吉雄メモ。『意外に日本人だけ知らない日本史(デュラン・れい子著)』私の抜粋は、だいぶ堅苦しく書いてあるのだけれど、実際はかなり読みやすい本です。吉雄抜粋*******西洋人主導の国際社会で、明治維新以来日本人は理不尽な人種差別を受けていた。治外法権撤廃交渉の挫折と、アメリカ・オーストラリアにおける日本人移民排斥運動などの反発などもあった。1905年 第一次世界大戦後パリ講和会議に有色人種として初めて日本が参加し屈辱に耐えていた黒人・有色人種に連帯感と期待を抱かせた。日本全権団は、1919年 国際会議で(パリ講和会議)史上初めて「人種差別撤廃」を提案した。当時植民地を持つイギリスと白豪主義を貫くオーストラリア、黒人問題を抱えたアメリカには受け入れ難く、日本全権団は交渉を重ね国際連盟最終委員会にて妥協案として条項でなく国際連盟規約の前文に「各国の平等およびその国民に対する公正優遇の原則を是認し」と盛り込むことを提案した。日本の提案はフランス・イタリアを含む過半数の指示を得たが議長であったアメリカ大統領ウィルソンが「このような重要事項の決定は全会一致」でなければならないと退けた。(対米感情の悪化に繋がってしまう)この提案は、第二次世界大戦後の1945年に発足した国際連合の憲章第1章に盛り込まれることになる。日本は人種平等の原則を主張して、世界的な指導国になった。また第二次大戦中にはアジアとアフリカ諸民族に対して植民地主義からの呪縛を断ち切り独立を宣言せよと呼びかけた。国連で「人種差別撤廃」を提案。しかし、日本自体は他民族の差別を実行していた。単独で人種差別と対峙し、犠牲者として苦しみ、同時に人種偏見を克服できなかった・・・本書内お勧めの本『国家と人種偏見(東急コミュニケーションズ)(Power and Prejudice:West view Press,Inc.)』吉雄抜粋以上*******人種差別撤廃を望み、人権は革命で勝ち取らなかった。それはそれで、日本人が人権をキッチリと我が物にできてない理由でもあるのだろうけれど、それでも日本人は人権を意識した社会を築いている。・・・と、私は思う。良くも悪くも島国な日本は、日本人だらけの国であまり人種を気にせずに来れてしまった。人種について興味が薄いため、人種差別があまりないといえる。人種差別をしないようにしてきて、しないのでなくたまたま居なかったからしなかったという状態が現状なのではないかな。自分がされた差別は、当たり前だけど強烈に感じる。でも、自分がする差別には疎い。だから、「日本の人種差別撤廃の提案」は間違っていたとかいうわけではない。「人種差別撤廃」を提案した日本、偉いなと思う。見直した。外に対して提案したのだろうけれど、自分の内側の「人種差別」にももちろん適応させていくことになるのだし。