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2018年01月15日
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カテゴリ:教育・仕事関係
センター試験の地理の問題にムーミンが登場した。
「次の図5中のタとチはノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション,…」と
問題文に記されており、タがムーミン、チが「小さなバイキングビッケ」の図だった。

今の受験生達にとってこれらのアニメが親しみのあるものかどうかも話題になったのだが、
実際ここには、もっと根源的で出題の的確さに関わる問題も内包されていた。
ビッケの方の舞台はノルウェーで間違いないようだ。
ところが、ムーミンが「フィンランドを舞台にしたアニメーション」かどうかは定かでない、
という批判が多数寄せられたのである。

ムーミンの原作者はトーベ・ヤンソンという人物であり、フィンランドの作家である。
ムーミンは北欧の民間伝承に登場するトロールという妖精の一種らしいが、
ムーミンがフィンランド出身であるとは定義されていないというのだ。

ムーミンらトロールたちは、妖精たちの住む谷「ムーミン谷」に住んでいるという。
したがって、作者がフィンランド出身だからといって、
ムーミンの描かれている舞台がフィンランドとは限らないだろうという批判が
奔出したわけだ。

「フィンランドの作家が描いた」なら何の問題もなかったのだが、
確かに「フェンランドを舞台にした」という表現は正確ではない。
Twitterでも、
「ムーミン谷はムーミン谷であって、作者の出身地と同じということはどこにも確証がなく。
 センター試験レベルでも、未だに作品と作者を同一軸で見る、
 テクストの外側の作家作品論がまかり通っている、それこそが問題だわ」
というなかなか深い指摘が見られる。

表現が難しく、わかりにくいので調べてみた(笑)。
「作家論」も「作品論」も文学研究のアプローチの一つであり、
読んで字の如く作家論はその作家の人格や内面を探る伝記的な研究を指すらしい。
ときには読者やメディアとの関係も含めて作家の行動原理まで研究することもある。

対して作品論は、個々の作品に込められたその作品独自の意味を
読み解く作業から成り立っている。
わかりやすく言えば、作家論が作家の研究で、作品論が作品の研究である(笑)。

また、「テクスト論」という言葉もある。
文章を作者の意図に支配されたものと見るのではなく、
あくまでも文章それ自体として読むべきだという考え方を指すらしい。
文章はいったん書かれれば、作者自身との関係を断たれた自律的な文章となるのだから、
それは様々な読まれ方をしてよいという論法である。

上記のツイートをした人も、「作家の手を離れた作品」という意味で
「テクスト」を用いているようだ。だが、「作家作品論」の方は
作家と作品を同一視しようという短絡的な見方を揶揄して使っているような気がする。

もっとも、地理の問題の作成者に文学の研究論を紹介しながら
問題を作成する際の心構えを説くことが有意義であるとは思えない(笑)。
大学の文学部の学生かもしれないが、知識のひけらかしであるばかりでなく、
勇み足にもなっていると思う。

そんなことより、私が一番疑問に感じたのは「なぜアニメの名前なのか」である。
高校の地理の教科書は持っていないが、北欧に関して出題したければ
いくらでもその材料はあるはずだ。あえてアニメ方面の知識にふらなくても
問題は容易に作れたのではないだろうか。

もちろん、アニメが日本を代表する文化であるのは間違いないところだ。
だが、特にセンター試験の題材に選ぶ必要があるとは思えない。
穿った見方をすれば、「慣れないことをするから失敗する」という典型だと思う(笑)。
これに懲りて大学教授の方々は、今後は奇をてらわず、
正攻法で問題を作成していくことをお勧めしたい(笑)。





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Last updated  2018年01月15日 23時52分48秒
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